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2020年02月06日
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カテゴリ:牧場
北海道東部、摩周湖と屈斜路湖の間に位置する川湯温泉街近くの「川湯パーク牧場」は、ばん馬のほか乳母や和牛を生産し、乗馬体験を行っている牧場です。
http://www.big-hokkaido.com/park-bokujo/






二代目、長谷川義晃さんの名前で2015年のばんえいオークス馬ホクショウモモなどを生産。三代目となる長谷川義信さんに話を伺いました。



長谷川義信さん

弟子屈市街から川湯温泉方向に向かい、硫黄山に向かうT字路に牧場はあります。
国道沿いの放牧地から、繁殖牝馬とポニーを見ることができます。かわいいポニーですが、草ばん馬の活躍馬や種馬もいるんですよ。
中に入り、トラック中央にいるのは乗馬。小さなアメリカンミニチュアホースからサラブレッド、アパルーサ、ウエストファーレンなどの中間種、そして大きなばん馬まで、100頭近くのさまざまな馬がいて楽しい!!






弟子屈町は明治時代から馬が活躍し、南部の標茶町には軍馬補充部もありました。
馬の歴史がある地域ですが、戦後まもなく疎開してきた長谷川家が馬事業を始めたのは1974年。比較的歴史は浅いのですが、長谷川義晃さんは摩周湖や硫黄山など、北海道観光の人気スポットを馬で盛り上げてきました。
冬は乗馬体験はお休み。摩周湖の展望台まで、山道を馬で行く唯一のコースもあります。馬でしか見られない摩周湖の眺望、見てみたいですよね。

現在ばん馬の繁殖牝馬は約40頭います。




ぶち毛もいますよ!「(義晃さんが)派手好きだから」。競馬場ではタカラマルヒメとその子インデアンがデビューしています。



中央がインデアン

乳母用の馬は、連絡が来たらすぐに貸し出せるように、と出産を終えた馬が数頭いました。今年初めて子馬を見た!
3歳の現役馬ペルチャンは、子馬の頃はお母さんが乳母の仕事に出ていたので、人口哺乳で育てられたそうです。乳母の子どもたちもデビューして頑張っているのですね。



仔馬は生まれてしばらく経つと目の周りから毛が抜けてパンダみたいになります。
この子は冬毛の状態で抜けていて、モコモコですね(^^)

さて、ばんえいに詳しい方は聞いたことがあるかと思いますが、実はばん馬の中にはサラブレッドの血が入っている馬がいます。
その繁殖牝馬が、まさにここにいるのです。
ホクショウマックスやホクショウサスケ、ホクショウモモの母、福花。
2009年ばんえいダービー5着のキンノカミの姉でもあります。




3代母の虹湯は父がペルシュロンの虹裁、母はサラブレッドのハクヨウチカラ(父シンザン)です。
しかも、ハクヨウチカラの3代母は、高峰三枝子さんが馬主だった二冠馬スウヰイスー。
シンザンやスウヰイスーの血が、ばんえい競馬に流れているのです!



貴重な虹湯の登録証明書!!

「サスケの鋭い末脚は、もしかするとサラブレッドの血かもしれないね」と長谷川さん。
スピード競馬の帯広一市開催になったことで、これらの血統が生きるようになったのかもしれません。

馬を始めた頃は、働き手として人気がある高値のばん馬の繁殖はなかなか手に入らなかったそう。
ニホンピローエースが弟子屈町にいたことや、長谷川さんが浦河町の谷川牧場と交流があったことから、サラブレッドの牝馬を導入。
サラブレッドにばん馬をかけることで、乗馬用に生まれた馬たちはおとなしく、強くなっていったそうです。
その後もばん馬の血統をかけつづけた結果、だんだんとばんえい競馬でも活躍できるパワーのある馬が生まれるようになったそう。「5代くらい経てばばん馬っぽくなる」そうです。



タケタカラにブライアンズタイム、マルゼンスキーの血統も!

現在も乗馬用のサラブレッドにばん馬をかけているそうです。険しい山道を登る摩周湖展望台への乗馬も、ばん馬の血が入った強い馬が活躍しています。
サラブレッドのお母さんにばん馬をつけるというと「破裂しないのか」と言われるそうですが(笑)、おなかの中では子どもが入る分しか大きくならないので大丈夫ですよ。

今の母馬の中には、ステイゴールド、シンボリクリスエス、ゼンノロブロイ、スマートファルコンを父に持つサラブレッドがいます。
そのうち「ステイゴールドの血を引くばん馬」などが、競馬場でデビューするかもしれません!


ステイゴールドの牝馬


種牡馬は2頭いましたが、アサヒセンショウが昨年12月26日、タケチャンパワーが今年1月16日に急逝。
タケチャンパワーは昨年も摩周湖の草ばん馬で馬車を引いていました。見た目がものすごく若く、長生きしそうだと思っていたのに。前日まで種付けをして、ご飯も残さず食べていたそうです。




昨年9月、摩周湖ばん馬大会のタケチャンパワー

その代わりに、今年の春から2頭が牧場入りします。
まずはセンゴクエースと世代戦を争ってきたキンメダル! 今年の「日本馬事協会有種雄馬」です。
ブルトンの鉄鯉にベルジャンのジアンデュマレイとマルゼンストロングホース、ペルシュロンは二世ロッシーニに楓朝と、錚々たる名が血統表に並びます。楽しみですね。
ユウトウセイも種牡馬としてやってきます。タケチャンパワーに負けないインパクトのある馬、ということでたてがみが長く、名前がいい馬ということで選んだそうです。
「同じような長いたてがみの子が生まれるといいなぁ」とおっしゃられていました。優等生馬車、乗りたいなぁ。

さて、思い出に残る馬を聞くと「タカラハナ」。タカラムテキなどの産駒を出しました。
昭和50年代に種馬をはじめて2、3頭目の馬がタカラハナ。この産駒がばんえい競馬で活躍し始めたそうです。
父はタカラコマ。タカラハナは7月生まれ、ということは8月に種付けをしたということ。情熱を感じます。

基本的に観光牧場なので見学は可能。電話をしてくださいとのことです。

さて、長谷川義晃さんは2009年、廃止しかけた「摩周湖ばん馬大会」を有志で復活させました。
「続けていかないと、祭典ばん馬(1歳馬決勝大会)がなくなってしまう。お披露目の場がなくなり、1歳を調教する人がいなくなる」。
ばんえい競馬にとっても文化としても大切な草ばん馬を守り続けます。
今年も9月の第4週目に行われる予定です。






長谷川義晃さん

そして町内の道の駅「摩周温泉」では、2月29日まで、摩周湖ばん馬大会フォトコンテストの写真展を開催中。



道の駅の売店では第1回~5回のコンテストの優秀作を集めた写真集を販売しています。
弟子屈町出身の元横綱、大鵬の写真もあります。長谷川義晃さんの同級生なんですよ。

川湯パーク牧場のそばには観光地「硫黄山」(正式名アトサヌプリ)があります。そのため、この付近は硫黄の匂いがします。



明治時代に硫黄を運んでいた「安田鉄道」の鉄道跡を馬そりで巡るツアーも行われています。
今年はタケチャンパワーが急死してしまったので行われませんが、いろいろな形で、馬の存在をアピールするために幅広く尽力されているのです。

取材/小久保友香、小久保巌義





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最終更新日  2020年02月06日 21時54分36秒



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