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カテゴリ:牧場
釧路産駒特別に出走した10頭のうち、スピードフジ産駒の3頭を出走させたのが弟子屈町の守屋博さん。産駒の生産馬で、スピードフジを繋養する守屋さんの牧場を訪れました。 博さんは昨年2月に亡くなり、今は娘の直美さんが厩務作業を行っています。 以前は、馬以外の仕事をしながら朝晩だけ馬の世話をしていたそうですが、今は馬一筋。 お母様とともに、12頭の繁殖牝馬とスピードフジの面倒を見ています。 ばん馬の牧場は、女性生産者も多いですね。 釧路産駒特別に出た3頭は偶然並びました。 ④クリスタルコルド(2着)、⑤チャチャクイーン(8着)、⑥ツガルノヒロイモノ(3着) 翔雲賞には④クリスタルコルド(3着)①ツガルノヒロイモノ(5着)の2頭が出走。 クリスタルコルドの母、桜姫 ツガルノヒロイモノの母、フジノミユキ 子どもたち、母親にそっくり!! チャチャクイーンの母、華姫は昨年亡くなったそうですがそっくりの顔をしていたそうですよ。 桜姫、おとなしい馬でした。 2014年、釧路の共進会で1等賞1席を取り(弟子屈町では最高馬)、全道共進会に駒を進めた馬です。 共進会の時の写真 夏の間は弟子屈町の共同牧野に放し、冬の間は牧場にいます。 その間、ばん馬にしては珍しく、毎日馬を引いて馬房に入れているそうです。 ばん馬は昼夜放牧させたり、ちゃつ(小さな放牧地)と馬房を自由に出入りできるところに馬を置いたりしている牧場がほとんど。 サラブレッドほど訓練の必要はないとはいえ、手間をかける利点がありと考えます。「うちの馬は触らせる(他人が手入れしやすい)んです」と直美さん。 夫婦で繁殖牧場に行くと、馬は夫の方に寄っていくことが多いんです。 夫が動物に好かれる人なのか、といつも悔しい思いをしていますが、ある牧場の方に「牝馬は人間でもオスに寄る」と聞いて納得(無理やり納得させた)。 でもここでは、馬たちは私の方に寄ってきました\(^o^)/ 直美さんが丁寧に世話をするから、女性に近づくのかな、と思いました。 直美さんには、3頭の子馬時代の写真も見せてもらいました!! 生産牧場の方ってあまり写真を残している方が少ないので貴重です…!! チビクリスタルコルド クリスタルコルドの独特の細い目は当歳時から。「いつもああいう目をしている。怒っているかと思った」。 チビツガルノヒロイモノ チビチャチャクイーン 守屋さんの家では、もともと切り出し(馬搬)を行っており、その後ばんえい用の馬の生産をはじめました。 過去の種馬にはキタノビックエースとキタノフジノボリがいます。5年ほど前までは、近くで観光牧場も開いていました。 国道沿いを通るたび、馬がいる、と気になっていた場所です。 桜姫の母、第二力姫は博さんが一番気に入っていた馬だったそう。博さんが亡くなった4日後に、おなかの子と一緒に、後を追うように亡くなったそうです。「悲しいというより、親子を助けられなかったことが悔しかった」と直美さん。 この時「馬の神様に『馬とともに生きるのか』と問われ、試された気がした」そう。目の前の馬たちは自分しか守れない。と馬の世界で生きることを決めたそうです。 その後デビューしたスピードフジの初年度産駒が大活躍。馬の世界は不思議ですね。 こちらがスピードフジ。直美さんは「フジオ」と呼んでいました。おとなしい~ 2018年に引退、種牡馬入り。現3歳が初年度産駒で、生まれた6頭のうち5頭がデビュー。活躍はご存知のとおりです。 現役時のスピードフジ 今は新型コロナウイルスや、馬の伝染病の防止のため出入りは制限しています。 落ち着いてからは、あらかじめ連絡をしてくれればファンの見学も受け付けているそうです。 取材/小久保友香、小久保巌義
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最終更新日
2022年02月23日 11時36分54秒
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