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カテゴリ:牧場
珍しいブチ柄の競走馬として愛されたブチオに会いに、音更町のメグミファームを訪れました。
鹿駁毛のブチオは体も大きく、Aクラスで活躍し重賞にも出走。 昨年引退して種牡馬入りし、今年初産駒が生まれました。 ブチオ、つやつやで元気そうです! 馬のつやつやぶりから、馬たちを大事に手がけているのがわかります。 ブチオが暮らすのは、馬主だった長澤廣茂さんの娘夫婦が経営するメグミファーム。 種付けは上手だそうで、目谷貴宏社長によると「昨年は勢いがあって牝馬にかかっていくところがあったけれど、今年は大人になって余裕が出てきた」そう。 大人の魅力が出てきたようです! 父のコマローレンスも種付けは上手だったそうです。 メグミファームは小麦やビートなどの畑作農家との兼業です。小麦畑が美しいですね。 ちなみに、農業大国十勝では、ビート、豆類、ジャガイモ、小麦の「畑作4品」と呼ばれる農作物の輪作が一般的に行われています。 さて、親子の放牧地へ向かいます。 ブチオの仔は4頭おり、そのうちブチ毛は1頭。 ぶちいた~!!ブチオそっくり!! 芦毛の馬にぴったりくっついているけど、う、母芦毛だった…?芦毛でブチ…!?と混乱していましたが、ただ優しい馬(トウショウジュエル)だっただけのようです(笑) それからお母さんのヒカルモモカと一緒になりました。 娘の友恵さんに生まれた時のことを聞くと「白い脚が出てきて、もしかして……」と思ったら…!!きたー!!という感じだったそう。 その瞬間を想像すると、こちらもうれしくなりますね!ヒカルモモカ、でかした~ 「1頭しかいなくて」といいますが上出来ですよね。 ブチオの姉、エンジェルガガも今年ブチ柄の仔を産んだそうなので、無事に成長して、ブチ毛同士の活躍を見られればと思います。 撮影のために放牧地にいると、もう仔馬たちがわらわらと(笑) いつも大事に、手をかけているのがわかります。 メグミファームの生産馬にはオークス、ヒロインズカップなど重賞3勝のダイヤカツヒメがいます。「すごく性格がきつかった」そうで、牧場のパドックを飛び出て奥まで走っていったこともあるそう…。 でも活躍馬には、逃げていった、というようなエピソードが多い気もします。 牧場は長澤さんの父で、騎手、調教師だった長澤豊秋さんが開業しました。 調教師時代には昭和60年度のリーディングトレーナーにもなるなど活躍。平成元年で引退し、牧場を始めました。 このころは12月で開催が終わり、春までは休養、トレーニングの時期。ブチオを管理していた今井調教師も騎手時代、長澤さんの牧場で調教などを行っていたそうです。 長澤さん親子は、馬関連の役員を務めるなど音更、十勝の馬産に大きく貢献し、馬産地を盛り上げてきました。 平成2年からは父楓朝の純ペルシュロン、カズミノルを種馬として繫養しつつ草ばん馬に参加。夫婦でかわいがって、よく草を食べさせながら一緒に散歩していたそうです。 豊秋さんの死後も馬産を継いだ妻の和恵さんは、2012年に放映されたNHKドラマ「大地のファンファーレ」で、赤木春恵さんが演じる名物馬主のモデルだそうです。 モデルとなった馬はカズリキジョンコ。その仔が、ぶち毛を産んだ、ヒカルモモカです。 カズリキジョンコの現役時代 事務所には過去の馬資料がたくさん!お宝の山です メグミファームは、近くの小学校の馬体験や写生会などでも協力しています。 さきほどの優しい芦毛、トウショウジュエルが乗馬体験を行い、13人の児童全員が背中に乗って楽しんだそう。 令和3年に目谷さんが三代目となりました。娘婿となる目谷さんは馬にかかわったことはなかったそうですが、すっかり馬の魅力にはまっているようです。 その魅力は「馬を子どものころから見ていると愛着がわく。テストに受かっているのを見ると感慨深いです」といい、長澤さんも働きぶりに舌を巻いています。 馬の扱いが難しいことや、生産の難しさ、ばんえい競馬の未来など大変なことも多い業界ですが、「新しい人が増えて業界が盛り上がれば」と話していました。 歴史ある牧場が新たなパワーを加え、脈々と受け継がれていく話はうれしいですね。 少しずつですが、生産者の息子、娘、孫が牧場を継いだ、手伝っている、という話を耳にするようになりました。 馬産地の話題になると「高齢化が…小さな牧場が減っていって…」という話になりがちですが、それだけではない、頑張っている方々がいるんだ、ということを知ってほしいなと思います。 取材/小久保友香・小久保巌義 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年07月17日 13時36分50秒
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