|
カテゴリ:牧場
今回は標茶町へ行ってきました。 標茶町の板鼻さんとは以前、生産馬の写真を撮っていた縁でつながりました。 声が若いな…と話を聞くと同世代(アラフィフ)で、面白い経歴。 いつか話を聞きたい、と思いようやく実現しました。 標茶町ではありますが、限りなく鶴居村に近い場所。鶴居村って本当に鶴がたくさんいるんですね…。十勝でも増えているのですが、その比ではないくらい畑でたくさん休んでいて驚きました(笑)。 牧場には、繁殖牝馬が10頭と種牡馬が1頭、昨年から来たコウウンリキがいます。 板鼻さんは15年ほど前からばん馬の牧場で働き、オーナーが牧場をたたむと聞いてそのまま2頭の繁殖牝馬を引き取りました。そのまま牧場で生産を始め、馬が増えてきました。 現役時代のコウウンリキ コウウンリキはオーナーの親戚の馬で「血を残してほしい」といわれ、昨年やってきました。「10頭も繁殖がいたら種牡馬を置いた方が安上がり」。種牡馬が移動するばん馬ならではです。 馬はぴかぴかで、懐っこく近づいてきます。すごくかわいかった… 種付けも上手で1、2回で受胎するそうです。 横の放牧地には、競馬場に行く前の1歳がいました。 牡馬同士ですが、ずっとくっついててしょっちゅうグルーミング…。離れるのが心配です。 少し近くには繁殖牝馬の放牧地がありました。仔馬たちはシウンのラストクロップとなります。 すごく広い場所だそうですが、馬たちがちょうど手前にいたので会えました!きれいな場所… 板鼻さんが棒を持って歩いていたので、なんでかと聞いたら「以前クマと鉢合わせしたんですよ」とのこと… 馬は普通にニンジン食べていたそうです。 このクマは馬を襲わないんだろうか… 真夏はアブがひどいので、日中だけ馬房に戻すそうです。 10頭+仔馬を毎日移動……?と思ったら、みんな自宅をわかっていて、500メートルくらいの道(道道です)を勝手に帰っていくそう。朝は勝手に放牧されます。 通りすがった人はみんな動画撮っているといってました(笑) さて、板鼻さんはがなぜばん馬の仕事をしているのか。 ばん馬を生産している方のアドバイスになりそうというのが、取材に訪れた理由です。 新潟県出身で、乗馬の経験から「馬を飼いたい」と20代で北海道にやってきました。 サラブレッドの牧場で働いていましたが「サラブレッドは高価。違う馬なら」と一旦離れ、畑作を行っていたそうです。 そのうち、ハローワークでばん馬の牧場を見つけ、今に至ります。 「ばん馬はおとなしくて驚いた」そう。馬たちはみんな懐っこく、大切に育てているのがわかります。「馬まかせですよ」といいますが、その見極めって難しいと思います。 板鼻さんは牧場の牧柵も作るなど、一通りの作業ができます。いつか馬と働く日を夢見て、土木作業や畑作を学んできました。今もバイトを掛け持ちしているそうです。 新しく牧場を開くにはお金もかかりますし、地域のことを知る必要があります。 「3年くらい地域に居座って、それから土地を見つけて、というほうがいい」といいます。 すべて手作りの牧柵 板鼻さんはとても謙虚な方で、周りの馬名人たちにも気に入られ、貪欲に話を聞いて素直に実践してきたんだな、というのが感じられます。 長い時間をかけて実現させた、馬との日々が目の前にありました。 さて、板鼻さんの繁殖牝馬にはある共通点があります。 「あまちゃん」「ととちゃん」など、登録名がNHKの朝ドラにちなんでいるのです。新聞の母馬欄で見たことがある方もいるでしょう。 ファンなのかな…と聞くと、「覚えやすい名前で、注目してもらえたら」ということでした。確かに! さっそく今年の当歳の登録名を調べてみると「寅子」「はる」「優三」(虎に翼)そして、「おむすび」でした! デビュー時は変わってしまいますが、朝ドラファンの方は注目ですね! 取材/小久保友香・小久保巌義 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年10月26日 15時32分20秒
[牧場] カテゴリの最新記事
|