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2024年10月23日
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カテゴリ:牧場
今回は標茶町へ行ってきました。


標茶町の板鼻さんとは以前、生産馬の写真を撮っていた縁でつながりました。
声が若いな…と話を聞くと同世代(アラフィフ)で、面白い経歴。
いつか話を聞きたい、と思いようやく実現しました。
標茶町ではありますが、限りなく鶴居村に近い場所。鶴居村って本当に鶴がたくさんいるんですね…。十勝でも増えているのですが、その比ではないくらい畑でたくさん休んでいて驚きました(笑)。




牧場には、繁殖牝馬が10頭と種牡馬が1頭、昨年から来たコウウンリキがいます。
板鼻さんは15年ほど前からばん馬の牧場で働き、オーナーが牧場をたたむと聞いてそのまま2頭の繁殖牝馬を引き取りました。そのまま牧場で生産を始め、馬が増えてきました。


現役時代のコウウンリキ


コウウンリキはオーナーの親戚の馬で「血を残してほしい」といわれ、昨年やってきました。「10頭も繁殖がいたら種牡馬を置いた方が安上がり」。種牡馬が移動するばん馬ならではです。







馬はぴかぴかで、懐っこく近づいてきます。すごくかわいかった…
種付けも上手で1、2回で受胎するそうです。

横の放牧地には、競馬場に行く前の1歳がいました。
牡馬同士ですが、ずっとくっついててしょっちゅうグルーミング…。離れるのが心配です。




少し近くには繁殖牝馬の放牧地がありました。仔馬たちはシウンのラストクロップとなります。


すごく広い場所だそうですが、馬たちがちょうど手前にいたので会えました!きれいな場所…





板鼻さんが棒を持って歩いていたので、なんでかと聞いたら「以前クマと鉢合わせしたんですよ」とのこと…
馬は普通にニンジン食べていたそうです。
このクマは馬を襲わないんだろうか…

真夏はアブがひどいので、日中だけ馬房に戻すそうです。
10頭+仔馬を毎日移動……?と思ったら、みんな自宅をわかっていて、500メートルくらいの道(道道です)を勝手に帰っていくそう。朝は勝手に放牧されます。
通りすがった人はみんな動画撮っているといってました(笑)

さて、板鼻さんはがなぜばん馬の仕事をしているのか。
ばん馬を生産している方のアドバイスになりそうというのが、取材に訪れた理由です。

新潟県出身で、乗馬の経験から「馬を飼いたい」と20代で北海道にやってきました。
サラブレッドの牧場で働いていましたが「サラブレッドは高価。違う馬なら」と一旦離れ、畑作を行っていたそうです。
そのうち、ハローワークでばん馬の牧場を見つけ、今に至ります。
「ばん馬はおとなしくて驚いた」そう。馬たちはみんな懐っこく、大切に育てているのがわかります。「馬まかせですよ」といいますが、その見極めって難しいと思います。

板鼻さんは牧場の牧柵も作るなど、一通りの作業ができます。いつか馬と働く日を夢見て、土木作業や畑作を学んできました。今もバイトを掛け持ちしているそうです。
新しく牧場を開くにはお金もかかりますし、地域のことを知る必要があります。
「3年くらい地域に居座って、それから土地を見つけて、というほうがいい」といいます。

すべて手作りの牧柵

板鼻さんはとても謙虚な方で、周りの馬名人たちにも気に入られ、貪欲に話を聞いて素直に実践してきたんだな、というのが感じられます。
長い時間をかけて実現させた、馬との日々が目の前にありました。

さて、板鼻さんの繁殖牝馬にはある共通点があります。
「あまちゃん」「ととちゃん」など、登録名がNHKの朝ドラにちなんでいるのです。新聞の母馬欄で見たことがある方もいるでしょう。

ファンなのかな…と聞くと、「覚えやすい名前で、注目してもらえたら」ということでした。確かに!
さっそく今年の当歳の登録名を調べてみると「寅子」「はる」「優三」(虎に翼)そして、「おむすび」でした!
デビュー時は変わってしまいますが、朝ドラファンの方は注目ですね!


取材/小久保友香・小久保巌義 





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最終更新日  2024年10月26日 15時32分20秒



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