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2025年01月11日
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カテゴリ:牧場


北央産駒特別の上位2頭、ウンカイダイマオーとシンザンパワーは年末のヤングチャンピオンシップに出走し、2、5着。この2頭の生産者で、例年北央産駒で上位馬を輩出している南幌町の竹内正昭さんの牧場を訪れました。




ウンカイダイマオー





シンザンパワー

札幌市中心部から見て、真東に位置するのが南幌町です。
雪景色が広がる中、馬たちがたたずんでいます。放牧地の奥に見える山は手稲山など札幌の山であると聞き、驚きました。その南側にははっきりとエスコンフィールドが見えます。





放牧地は柵がないように見えます。雪が積もっているからか…?と思ったのですが、昔はあったけど冬になると除雪車が通るなどして、バラ線が雪で切れてしまうそう。
春になって雪が溶けると、切れたバラ線で馬がけがをして危ないということもあり、一度外してみたら、意外と馬は外に出ない。「馬がどこまでが敷地か覚える」そうです。馬との生活はそのようなものなんだなと思います。

竹内さんの牧場は、竹内正昭さん・智美さん夫妻と、跡継ぎの長女、三浦彩佳さんが馬の世話をしています。
彩佳さんの子どもたちも馬好きで、出産時には馬を見てくれているそう。「家族を巻き込んでいる」と笑いますが、幸せな光景だなぁと感じます。
家では「毎日馬の話」だそう。

竹内さんの父は馬の売り買いをしており、竹内さんが小学校のころまで馬がいました。「馬はやるな」と言われて一度は馬を手放したそうですが、彩佳さんが生まれた40年ほど前からまた飼い始めたそうです。馬が好きだったのですね。
竹内さんは人に話を聞いて勉強し、智美さんとともに馬を育ててきました。
以前は稲作で、馬の堆肥を使った特別栽培米「馬力米」が人気だったそう。今は大豆や麦との兼業です。

今は繁殖牝馬が8頭、明け1歳が2頭います。若い馬の育成ができる人たちも高齢化が進み、彩佳さんは「やってみな」と言われたそうで、今年から育成が始まります。
ちゃつ(小さな放牧地)は智美さんが柵の長さなどをしっかりと計算して作りました。
それぞれの得意分野を生かした家族経営、素敵ですね。




思い出の馬を聞くと「カネサダイマオー」。2018年のイレネー記念を制した馬です。


母はダイヤローズ。ダイヤローズの母ローレンスは、マルミシュンキやマルミゴウカイの母ミツパワーなどを輩出した、芝桜高橋牧場の名牝です。





ダイヤローズが出走した2006年のいちい賞。2枠です。
勝ったのは4枠の名牝ニシキガール。5枠のメジロルビーはメジロゴーリキの父です。

カネサダイマオーの3つ上の姉が、ウンカイダイマオーの母ジュンチャンです。
人とのつながりの中、大事に受け継がれてきた血統をつないでいます。




現役時代のジュンチャン



牧場で生まれたホクショウパンドラの子たち、黒ユリ賞3着のミラクルクィーンも元気です



ヤマノツツジは隠れ気味。一番下の写真の左側にいる青毛です

トモエパワーの貴重な血統を残すトモエピカイチもいました



シンザンパワーの母アアモンドジャンヌ



彩佳さんは「30歳になったら跡を継ごう」と決め、会社をやめて実家に夫とともに戻ってきました。「父は馬、自分は畑」のつもりが、結果的に馬にもかかわることになります。
勉強し、周りに聞きながら馬を育ててきた父、そのそばで縁の下の力持ちとして支えてきた母を見て育ち、馬の世界に導かれたことをうれしく思います。
最初は怖かった馬も、そのうち信頼関係が生まれてきました。

何度かこちらのブログでも紹介している通り、最近は息子、娘世代が跡を継ぐ人が増えています。
少しずつ若い世代が増えてきて、頼もしいです。

十勝以外では、馬専門の獣医師、装蹄師が少ないことがネックになります。「獣医師をじっとみて覚えるようにしている」と彩佳さん。
馬を飼う人たちは獣医学に詳しかったり、自分で装蹄する人がいます。本職の人が来るまでは、ある程度自分で行って、待つ。そうやって勉強していったのだな、と思います。
「馬の出産、馬主、さまざまな経験が、馬の見方を変えていった」と彩佳さんは話していました。

この日は東京から、次女の美帆さんが来ていました。仕事で札幌にいた時も家の手伝いをしていていたそうで、3姉妹の中で一番仕事に詳しいとか。
実家に帰ってきたタイミングで馬が生まれることも多いそうです。
そのうちの1頭がスピカマックスでした。1時間ほどで立ち上がった子馬は、彩佳さんと美帆さん夫妻で組合馬主となり、夢を追いかけています。

このあたりには、20年前は7、8件の馬農家があったそうです。
南幌温泉の裏側や、隣町の長沼でも草ばん馬が行われていました。
札幌出身のわたしでも、20~30年前は、このあたりを走ると馬がいたことを思い出します。岩見沢競馬場がなくなり、馬は少なくなりました。
南幌町は札幌市のベッドタウン化が進み、昨年公表した日本人人口の増加数は北海道1位、町村の増加率は全国1位です。隣の長沼町も移住者が多く、おしゃれな店が増えてきています。
そのような地域で、馬がいる風景があることはうれしいですね。





取材/小久保友香・小久保巌義





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最終更新日  2025年01月13日 15時37分24秒



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