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カテゴリ:牧場
幕別町と帯広市の町境にある西村正順さんの牧場さんを訪ねました。
ヤマトタイコー、ブラックボスなどの活躍馬を輩出し、3歳ではスーパーシンが激戦の十勝産駒で代表となり、ヤングチャンピオンシップを制覇。今後の期待が膨らみます。 繁殖牝馬は13頭。種牡馬も1頭いて、昨年の春からはヤマトジャパンがやって来ました。取材のときもずっと牝馬を見て鳴いたりこちらを見たり「さみしがり屋」だそう。兄弟にはマルホンリョウユウなどの活躍馬がいる両血馬で、初年度から人気だそうです。 ![]() ![]() 最初の種牡馬はハクトカチ。それからホクショウマサルやオイドンの父エビスカチドキや、ハマナカキングなどの種馬がコンスタントに活躍馬を送り出してきました。これらの種牡馬の名前は、ばんえいを見ていたら見かけるのではないでしょうか。 今では、西村さんの母馬たちの血統にその名が残ります。自家生産馬を大切にしていると感じます。 「昔は近くに農家さんが多くて売り買いもあったが、今は少ないし病気の可能性もあるから」と、自らの系統をつなぎ、メスを残していくことで馬産を続けている、と謙虚に話します。「自分で生まれたなら蹴られても腹立たないし」と笑いますが、それは冗談としても、これぞばん馬の生産、という思いです。 昨年までいたスギノハリアーは7年西村さんの牧場で過ごしました。血の入れ替えなどもあって道南へ移動したそうです。 その中でも、ヤマトタイコーの父は芯情で、珍しく十勝牧場の馬です。ちょうど種牡馬の入れ替えのタイミングと、母の五月が初めての種付けだったため、人工授精を選びました(十勝牧場の馬は人工授精です)。 ヤマトタイコーはスーパーシンの母、ショウウンと同世代。 ショウウンは、トウリュウの子らしく白い馬体が目を引きます。 ![]() 芦毛がショウウン ちなみに五月の母、宝栄は共進会で最高位を獲ったそうです。 西村さんは、共進会でも上位入賞馬を多く出しています。「そのときのいい馬を出しただけです」と謙虚。和牛も賞を取っているそうですが「周りの方が仕上げてくれるから」とのこと。 ![]() 西村さんは三代目。入植した祖父は畑作で馬を使いながら暮らし、父も、トラクターが普及してからも馬の繁殖を続けてきました。三代目となる西村さんが大学卒業後に実家に戻ってからは徐々に馬が増え、今は和牛との兼業農家です。 今私たちが競馬を楽しめているのは、西村さんのように、大変な時に馬を育て続けてくれた方のおかげです。その感謝を述べつつ、なぜ馬を続けてきたかと聞くと「なんでかな~」笑。 「きつい時代もあった」といいながら、「どちらかというと馬が好きだったかな」と穏やかに、馬への愛情を控えめに話します。 これからはスーパーシンの活躍が期待されます。「応援や、育成してくれた人がいたから」とのことですが、能検の時から、馬格の大きさが目立っていました。「大きく育っているということは、健康ということ。健康でいてほしい。健康でいれば、(今走っている馬たちも)そのうち芽が出るだろうし」。 長く馬を続け、私たちを楽しませてくれた西村さんのように、 現在馬を育てている農家さんたちが、ずっと馬を育ててきてくれたらいいな…と願います。 今回は写真が少なめです。雪が降ってからまた撮りなおそうと思っていたら、競馬場で馬コロナがはやり、そのうち出産シーズンを迎えたため、防疫のため牧場に行くタイミングを逃してしまいました… 落ち着いたころにあらためて撮影させていただき、ご紹介できればと思います。 ![]() 取材/小久保友香・小久保巌義 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025年03月08日 18時03分08秒
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