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牧場

2019年07月31日
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カテゴリ:牧場
帯広市の南に、競走馬の育成、馴致を行う「前進ファーム」があります。ここに名馬2頭が来ていると聞き、伺いました。





過去のばんブロに登場した2頭。ぱっと見て誰かわかりますか?
左が3月に引退したキサラキク。右はフクイズミです。現役時代最強牝馬だった芦毛2頭がそろい踏み。すごいですよね。
キサラキクは、インフィニティーを種付けするために十勝へやってきました。フクイズミはここ最近種付けをしても受胎しないので帯広畜大で診てもらったところ、子宮に筋腫があるため治療をしていたそうです。




前進ファームは、インフィニティーがいる村田畜産などの十勝管内の種牡馬牧場や帯広畜大が近いことや、場長の川副さんの技術が信頼されていることもあり、馬主が馬を預けていきます。今年、種付けに来た繁殖牝馬はほとんどが受胎して牧場に帰っていったそうですよ。

キサラキクは受胎しやすい体を作るためにちょっとダイエットしているそうで、以前よりスリムに。





フクイズミも排卵が来たそうです。




牧場に入ると、犬が元気にごあいさつ。11頭いるそうです。猫は6匹。子猫が生まれていました。牛3頭、羊1頭。






馬は36頭います。これら2頭のような繁殖牝馬、デビュー前の競走馬、ポニーなどさまざま。




この馬は「ジジ」、36歳。知り合いが草ばん馬に使っていた馬で、ここで余生を送っています。
面倒を見てくれ、と言われることも多いそうで「もう余生牧場だ」と笑う川副さん。
川副さんは馬の調教や馴致も行い、また、草ばん馬にも積極的に参加されているので練習用コースもあります。







ここ最近、競馬場や牧場では帯広畜大やサラブレッドの獣医師に診てもらう、という話を聞くようになりました。
これまでもばん馬を研究されてきた方はいましたが、サラブレッドにおける獣医学の発展を考えると、その技術の高さをばん馬に生かしてもらえるというのはとてもうれしいことです。
楽天競馬でも畜大と連携し、獣医畜産学の観点から、競走馬資源の確保や生産数増加にむけた取り組みを検討しています。
馬が病気になったり、急逝するたびに、ばん馬を専門的に研究してくれる施設がないかと、ずっと思っていました。引退後の寿命があまりに短くて、もどかしい思いでいました。ばん馬は体が大きいからサラブレッドとは治療も違う部分があるだろうし、競走馬の飼料も独特。今後、研究が進んでくれることを願っています。

2頭は最後の種付けで、受胎しているかどうかを確認次第、道南に帰るそう(2頭のいる牧場は比較的近くなんです)。

取材/小久保友香、小久保巌義






最終更新日  2019年07月31日 15時16分51秒
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2019年07月25日
カテゴリ:牧場
以前ばんブロで、音更町の「独立行政法人 家畜改良センター十勝牧場」に一昨年導入された、ペルシュロンとブルトンの種牡馬をご紹介しました。
https://plaza.rakuten.co.jp/baneiblog/diary/201901110000/
(農用馬は種雄馬ということが多いですが、わかりやすいのでここでは種牡馬と表記します)
同様に、昨年11月にフランスから導入された繁殖牝馬4頭が6月下旬、報道関係者向けに公開されました。日本馬事協会からの貸付を受けての導入となります。

十勝牧場には、導入された種牡馬は何頭かいるのですが繁殖牝馬は久しぶり。海外から、というだけではなく外部から入れるのも久々でした。
ブルトンは昭和39年にフランスから来た以来ということで半世紀ぶり。ペルシュロンは平成17年に上川から導入した以来。ペルは海外からとなると、大正か昭和初期ではないかとの話でした。
十勝牧場以外の農用馬の輸入数については、農水省の出している「馬関係資料」で調べられます。
農用馬関係、46ページに出ています。
http://www.maff.go.jp/j/chikusan/kikaku/lin/sonota.html

以前もお知らせした通り、雑種強勢は進みすぎると影響が少なくなるので、たまに純血種の導入が必要です。
今回は、近年十勝牧場から貸し付けた種牡馬や、配布された繁殖牝馬を管理する牧場が、交配に苦慮しているということでの導入となりました。

導入した繁殖牝馬はブルトンとペルシュロンの純血種が2頭ずつ。
昨年8月にフランスの牧場で選び、検疫後10月末に日本に到着。また検疫を経て、11月に十勝牧場に到着しました。

■ブルトン
フランシーヌ4(フォー、4歳)と、子どもの嵐麗(らんれい、牡)
(父ATAO DE LA FORGE 母TEVENN)




嵐麗は1月生まれなのでかなり大きく、フリーダム。いろんなお母さんのところにちょっかいを出しにいってました(笑)




放牧地に帰るときもマイペース。正式な名前があるのに「太郎」というあだ名で(笑)、太郎、帰るよ!と言われてました。




エクリプス(5歳)
(父BALTAZAR DE KERHERVE 母UZANE)
美人さんですね。




■ペルシュロン
フィオナ ド ボー ソレイユ(4歳)
(父ARNAC DE ST AIGNAN 母VANILLE DU CAROI)




フェトリエール ダトゥ(4歳)と子どもの陣敬(じんけい、牡)
(父TOUKLEO DHORJAD 母TETRIERE DATOUT)




陣敬君は5月1日の令和初日生まれ!!
鹿毛のようですが、純ペル(純血ペルシュロン=芦毛か青毛)ですから、芦毛なんですよ。目元を見るとわかります。





途中から飽きて、その場で寝てました(笑)





エクリプス以外の3頭は妊娠した状態で到着し、フィオナの子は春に生まれましたが亡くなってしまったそう。
エクリプスにはブルトンのウルマ ドュ スーケン、フィオナにはペルのユネスコ ド テューレを種付けし、受胎しています。

蹴り癖がある馬がいるので気を付けて、との話でしたが誰もそんなそぶりは全く見せず、おとなしくかわいかった!!
「わたしを撮って~」とカメラに寄っていくフィオナ(笑)




言うことを聞いて、撮影となればぴっと立って。フランスでも大事に育てられてきたのでしょう、牧場の方も「そのことが伝わってくる」と話していました。馬名入り革無口も、フランスからつけてきたものだそう。取材中、ここでも愛されているのが伝わってきましたよ(^^)




詳しい血統は、日本馬事協会のデータベース「登録馬検索」で確認できます。データベースは2つあり、農用馬は「家畜改良データバンク」が網羅されているのでしばらくこちらを使っていましたが、最近は「馬関連団体情報」にも農用馬の登録が増えて見やすくなっています。
http://www.bajikyo.or.jp/index.php


さて、十勝牧場は種の改良が目的ということがあり、立ち入りが厳しく制限されています。
取材の時には渡されたつなぎを着ます。念のためヘルメット。そして馬オヤジのスタンダードファッション、白長靴!
暑い日だったのでちょっと辛かったなぁ。







十勝牧場は基本的に立ち入り禁止ですが、冬の馬追い時期の馬場と、展望台、入り口の白樺並木は見学可能です。
馬はもう放牧地に放されているので、見られたらいいな、と展望台まで向かってみました。
(放牧地の馬は、運が良ければ見られます)
途中、放牧地に馬がいっぱいいたー!!! この場所にいるの、初めて見たかも。みんな木陰で休んでて、見てて癒やされる…




近くに寄ってきますが、触ったりものを食べ物をあげたりは厳禁です。




奥に移動。




事務所の手前には馬魂碑があったので、手を合わせてきました。




今時期の白樺並木です。




取材/小久保友香






最終更新日  2019年07月31日 01時24分49秒
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2019年06月26日
カテゴリ:牧場
「草ばん馬」は、農林作業に携わる「おらが馬」の力比べとして行われたもので、ばんえい競馬のルーツといわれています。
今でも、道内や東北では、5~10月の1、2週に1度、草ばん馬が行われています。6月2日は十勝西部の清水町で「十勝清水旭山ばん馬競技大会」が行われました。

旭山ばん馬の主催者高村さんは、「十勝の草ばん馬を盛り上げたい」と2010年、自ら所有する牧場の横に重機でコースを作りました。
清水町にも大きな被害をもたらした2016年8月の台風10号では、ばん馬コースも全て豪雨で流されましたが、その後一から作り直して翌年も開催。
高村さんのような、ばん馬愛があふれる方のおかげで草ばん馬の歴史が続いています。



道内で行われている草ばん馬は10数カ所。200メートルで障害が2つ、というのはばんえい競馬とほぼ同じですが、主流は直線ではなくU字コースです。旭山もU字。
レースが終わったあとにソリを運ばなくていいこと、山を一つ作れば障害が2つできあがることなど、運営的に便利です。レースは善し悪しですが。

2障害から撮った写真。木の右側がスタートで「つ」の書き順のように進み、左側がゴールです

この日はばん馬とポニー合わせて18レースが行われました。1レースに道内の馬好きが飼う馬1~5頭が出走し、騎手は馬主自らや友人、高校生や女性も。この日は外国人もいました!相手が子どもでも容赦なくおじさんは追い込んできますよ~

ばん馬はほとんどが競馬場から来た馬。デビュー前の1歳馬もいるので、今からチェックして楽しめます。





他の大会では種牡馬や草ばん馬用の馬もいます。ばんえい競馬側も草ばん馬を盛り上げたいという思いがあるそうで、
競馬場から外に出た馬は7日間レースに出られない検疫も、草ばん馬の場合は5日間と短い特例が設けられています。
調教師さんも、馬主さんとのつながりがあるのでたまに姿を見かけますね。

草ばん馬の常連、ブラックニセイ



14レースがポニーでした。高齢でも飼いやすく、馬具やソリも小さくてすむことなどから増え、今ではポニーのみの大会も多く行われています。「そりゃもちろん大きい方がいいさ」という方もいらっしゃいますが。



ところで、「ポニー」ってどのような馬のことをいうかご存じですが? 血統、生まれ?実は体高が147センチ以下の馬をポニーと呼ぶのです。ただ、ばん馬では120センチ以下の馬がほとんどで、体高や年齢などでクラス分けがされています。引くのは30キロから300キロくらいかな。ミニチュアポニーのレースもあって、かわいいですよ!
最近では若い参加者も増えており、重量や馬名の管理など、システムがしっかりしつつあって頼もしいですね。

ポニーレースはスピードが見ものです!



しかしポニーといっても侮るなかれ。見た目はムキムキ、馬具もぴかぴかでばんえい競馬の馬に引けを取らない迫力(ちょっと大げさか)。
昔、「さんまのナンでもダービー」に出ていたポニーの「ナリタブラリアン」が、森安輝正騎手の調教でムキムキになって出てきたのを覚えている方もいらっしゃるでしょうか(かなり昔ですが…)。あんな感じです。

グレイシーは「ミニオレノココロだよ」と。真っ黒く筋肉質のかっこいい馬体、オレンジ色の馬具はオレノココロのようですね。





ポニー高重量戦を優勝したのはキングパワー(右)。馬主さんは30代の頃からばん馬をはじめ、今年50年!
左はダイヤ。



実況を担当するのは廹田(さくた)栄重アナウンサー。草ばん馬の半分は廹田さんの実況です。
全て手作りの大会なので、ゼッケン番号がわからなくなったり騎手が誰かわからなかったり、というのは日常茶飯事なのですが、
廹田さんがマイクを持ったままスタート地点に行って馬名を聞いたり、「騎手は○○さんだと思われます」とアナウンス。
廹田さんがいないとレース成り立たないです…(笑)

私たち夫婦は、草ばん馬が好きでできるだけ訪れるようにしています。
その魅力は馬の近さや迫力もありますが、個人的に好きなのは、人間らしさを感じられるところ、というのでしょうか…。
ねじり鉢巻きやほっかむりが似合う人たちが歩いていたり、熱くなってコースの中に入って人馬を応援したり。
殴り合いのケンカ…は、ここ最近はみんな高齢化して少なくなっちゃったなあ(笑)。
みんな馬が好きで、趣味を本気で楽しんでいるのがびんびん伝わってくるんです。

今年、道内の草ばん馬は16回予定されています(ポニーのみもあり)。
十勝管内は旭山のほか、7月13日(土)の鹿追町競ばん馬競技大会、9月1日の本別きらめきタウンフェスティバル(ポニー)の3つのみです。
鹿追は「競馬」と「ばん馬」を合わせた造語の「競ばん馬」。
今ではここと別海でしか行われていない、騎乗の草競馬も行われます。速歩、駈歩、繫駕、ドサンコによるレース(たまに親子の出場馬も!)など。
帯広から会場の鹿追町ライディングパークまでは車で1時間弱なので、ばんえい競馬の前にぜひ訪れてほしいな、と思います。

草ばん馬の情報は、以下のページで紹介していますので参考にしてください。
「ばん馬大会情報」
Facebook  ​https://www.facebook.com/kusabanba/
Twitter ​https://twitter.com/kusabanba
北海道の情報一覧 ​http://banbaphoto.blog.jp/archives/16223667.html

ちなみに、6月15日発行の、ばんえいのフリーマガジン「ポムレ」の連載コラム「小久保とこくぼ」のテーマも草ばん馬。帯広競馬場や場外発売所、郵送でも読めますのでぜひご覧ください。
7月にはグリーンチャンネルで、浅野靖典さんが森町の草ばん馬を訪れた番組「新・競馬ワンダラー4外伝 草ばん馬に焦がれて」が放映されます。




取材/小久保友香、小久保巌義






最終更新日  2019年07月25日 13時30分11秒
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2019年05月30日
カテゴリ:牧場
3月末に、引退したキサラキクに会いに行ってきました。
繁殖入りしたキサラキクがいるのは八雲町熊石地区。旧熊石町は日本海側にある漁業の盛んな町です。

今回牧場に行ったのは、海岸沿いをそり引いて運動していると聞いたから。昔の映像や絵で見ていて、憧れの風景だったのです。種付け後は海岸で運動をすることはないと聞き、帯広から5時間ほどかけて道南へ向かいました。

国道5号線を南下して、八雲町の市街地から国道277号で太平洋側から日本海側へ。突き当たりとなる国道229号を南下してすぐ、道路沿いに牧場があります。通るたびにいつも馬の存在が気になっていた場所が、キサラキクのいる大竹武さんの牧場でした。
馬主さんとの縁で、こちらに繁殖入りすることになったそうです。大竹さんの牧場には繁殖牝馬は4頭。生まれたばかりの仔馬もいました。

午前8時ころ大竹さんの牧場に行くと、海岸には50人ほどの釣り人が!今はサクラマスの時期だそうで、ある日は「馬小屋近くが釣れる」と目印にされたこともあったとか。


引退式以来のキサラキク。すぐそばにいるのが不思議です。

キサラキクは馬運車に乗り、海沿い2~3キロ走って調教場所まで向かいます。
夫が「浦河の育成牧場がBTCまで行くみたい」と。そう考えると、なんかかっこいいです(笑)。


海岸沿いに置かれたそりも、通るたびに気になっていました

草ばん馬のスタートゲートのような棒があり、そこでそりをつけて、出発です。



片道1キロ以上はあるでしょうか、キサラキクはその先の小川の手前まで、軽々と進んでいきます。







釣り人は慣れたもので、後ろを歩く馬も気にせず。ぜいたくですね。逆に、釣りざおがムチに見えて驚く馬もいたそうです。



私も撮影のために砂浜を歩きましたが、脚を取られて疲れる…。まさに、重馬場です。
なので、できるだけ海に近い濡れた砂浜を歩きます。軽馬場と同じしめった馬場だと歩きやすい。
これが、雨が降るとタイムが速くなる理由ですね。


運動は2往復ほど。わざと海水に入って脚元を消毒し、冷やします。



帰りには、横を流れる川(真水)で脚を洗います。



自然とうまく共生しているのですね。

終わって一休み
海岸調教は今でも熊石のほか、年明けに江差町で若馬の調教を行うことがあるそうです。


この時はキサラキクの最初の結婚相手を誰にしようか悩んでいたのですが、インフィニティーに決まったようです。同厩舎の先輩ですね。楽しみです。
ちょうど今十勝に嫁入りしているようですよ。種付けを終えたら道南に帰ります。


熊石から南に約20キロのところには、以前訪れたフクイズミがいる牧場があります。



今年はクインフェスタもやってきました!



センゴクイチと3頭でのんびりと過ごしています。
そろそろ出産というクインフェスタ。



心配してセンゴクイチがのぞいているのかと思いきや…



ご飯を横取りしているだけでした(笑)。



取材/小久保友香、小久保巌義






最終更新日  2019年05月31日 00時06分46秒
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2019年04月25日
カテゴリ:牧場
2月、帯広市のばんえい牧場十勝で、種牡馬になる馬たちの検査が行われました。
誰でも登録すれば種牡馬になれるわけではありません。何度も検査を行って認められてはじめて、種牡馬となれるのです。
(農用馬は「種雄馬」と呼ぶことが多いですが、競馬ファンの方には「種牡馬」の方がなじみがあると思いますので、文中も種牡馬と表記します)
この日は引退したばかりのジェイワンの検査が行われました。
楽天ブログが一定の単語を掲載するとアップできないため、言葉を換えています。家畜について詳しい方は違和感があるかもしれませんがご了承ください。



牡馬は、牝馬を見るとすぐに種付けできるものだと思っていましたが、そんなことはないそうです。
実は、前日の検査がうまくいかずにこの日は2日目でした。「3、4日かかる馬いるよ」とのこと。そのまま種牡馬になれない馬もいるそうです。
サラブレッドの方が繊細なのでさらに大変だとか。物音一つでやる気がなくなることもあるそうで、かなり気を遣うそうです。
こんなに大変だったとは…。

誘発するための牝馬のことを「台馬(だいば)」といいます。妊娠していない馬で、できれば発情の来ている馬を選ぶとか。
「牡馬は発情している馬がわかる」といいます。粘液の状態などでわかるそうで、ウンカイは発情が来ていないとわかると種付けを行わなかったとか。無駄な労力は使わないのですね。



さて、牝馬の背中に乗ろうとする(乗駕といいます)ジェイワンですが、周りの人が「まだまだ」とじらして引っ張ります。
体力を消耗しないよう、種付けができる状態になるぎりぎりまで待っているのだとか。


準備が整ったのを見計らい、3人がかりでお尻を押し込みます。野生に戻っている牡馬の後ろに立つ、命懸けの作業ですね。
牝馬の方が背が高かったので、畳を置いて少し高くしていました。採取するには、人工膣と呼ばれる筒状の器具を用意します。



さて、何度か試しますが、なかなかうまくいきません。ギャラリーが多くてごめんね…。
人も疲れてくると、「お前が見本見せてやれ」とかいう冗談も飛び交います(笑)。
「頑張れ!」「もう少しだ!」「そのまま!」 見ている方も力が入り、なんとか成功して欲しいと胸が熱くなります。

やっと液を採取できました。第一関門を突破。すぐに、この時来ていた獣医師が、顕微鏡の元へ走ります。






スライドに液を載せて、運動性を見ます。「いっぱいいますね。元気です」とのこと。良かった!
見せてもらったら、小さな微生物がうようよと元気いっぱいに動いていました。まずは一安心。

今回の検査は結果の一つとしてまとめます。その後、大きな顕微鏡であらためて確認し、量や臭いや色、数、ph値など8つの項目をチェックします。
それから家畜保健所が種畜検査(馬体の確認)をし、伝染病がないことを確認し、検査の表とともに提出して、ようやく種牡馬として認められるそうです。
こんなに長い道のりだったとは…。

さて、この日はもう1頭、他地区で種牡馬入りを予定している馬の検査もありました。
ぶーぶー言いながら牝馬に向かっています。さぞかし興奮しているのかと思いきや、ちょっと離れてうろうろ。
「昨日蹴られたから、怖がっている」とのこと。ちょっとかわいそうですね。頑張れ!
でも結局、うまくはいきませんでした…。

種牡馬も慣れると、すぐに仕事を理解するものですか、と獣医師さんに聞くと「年を取ると好き嫌いが出てくるのがいるよ。若いのがいいとか、栗毛がいいとか」。それも困ったものです(笑)。

この日は2日目、と書きましたが実は1日目ですんなりと検査を終わらせていたのが、今年のばんえい記念で引退したフジダイビクトリーでした。
「種付けの上手な馬」はなんとなく、活躍する子を出しそうなイメージがありますよね。いい子を残してほしいです。





帯広競馬場でも検査は春頃に行われています。帯広は車通りの多い場所で行うことになるから、気が散りますよね。
「旭川ならいいんだけどな~」と牧場の方。周りを森に囲まれた旭川競馬場なら、静かな環境で検査ができていたのでしょう。

ばん馬の生産頭数増加のために、大きな期待を寄せられている種牡馬と繁殖牝馬たち。
みんな長く健康に過ごして、春の繁殖シーズンを乗り越えてほしいです。



取材/小久保友香、小久保巌義






最終更新日  2019年04月26日 14時32分23秒
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2019年03月14日
カテゴリ:牧場
ばんブロ初登場、楽天競馬スペシャルアドバイザーの古谷剛彦です。

 北海道も徐々に雪解けが進み、春が近づいてきました。先週は札幌から帯広へ特急で移動しましたが、朝の札幌は雪が降っていたものの、帯広に着けば天気に恵まれ、普段に比べれば暖かい1日でした。

 さて、3日と4日の1泊2日で帯広に行った訳ですが、その理由は、楽天競馬が超テラ盛りの会員の方々を対象とした「ばんえい生産牧場ツアー」に同行しました。

 ばんえい競馬は、生産頭数が減少するとともに馬主も比例するかのように減っています。競馬を運営する上で、馬はもちろん、馬主を増やすことが求められている時期に来ています。今回のツアーは、生産牧場を訪ねることで重種の馬たちと触れ合い、馬主に興味を持って頂く意味合いもありました。今回は道内から6人、三重から1人、計7人の会員の方々が参加されました。三重から参加した方も、北海道出身ということで、皆さん北海道に関わる人たちのツアーとなりました。

 JR帯広駅で集合し、帯広空港へバスで移動。最初に訪れたのは、ばんえい牧場十勝でした。帯広空港から本当に近く、到着してすぐ行けるので、観光スポットとしては最高の立地です。個人的には、グリーンチャンネルのロケで昨夏に訪れて以来、2度目の牧場見学でした。

 この牧場は、「ジェイ」の冠でばんえいファンにはお馴染みの小森唯水さんが運営されています。小森さん自ら、牧場を案内して頂く豪華なツアーとなりました。最初に1頭のばん馬が見えましたが…



 種牡馬となったジェイワンです!2歳から3歳春に懸けて行われる2歳三冠すべてに出走して2着、3着、2着に健闘。ばんえいダービーでも僅差3着に頑張るなど、世代の重賞で常に上位争いを演じていました。昨年、悲願とも言える柏林賞で重賞初制覇を飾り、今年に入ると特別戦を3連勝して引退、種牡馬となりました。2月9日、引退レースとなった「然別賞」では、ばんえい界次世代のエースと言えるセンゴクエースを破り、惜しまれての引退となりました。


「馬格があり、種牡馬としての資質が高く感じています。このような素晴らしい馬に出会うことは、そう簡単なことではないので、これからという時だからこそ、良い子供を作って欲しいという思いから、5歳という若さで種牡馬となる道を選択しました」

と小森さん。ばんえい競馬の一時代を築いたカネサブラックの後継種牡馬として、頑張って欲しいと思います。

 徐々に奥へ進み、放牧中の1歳馬や2歳馬、




そして生まれたばかりの当歳馬も見学させて頂きました。
その中には、ニュータカラコマの半弟(父ナリタボブサップ)もいました。見学した日の2日前に生まれたばかりのとねっ仔は、本当に可愛いですね。そして、ばんえい記念が近づきつつある時でもあり、何か胸がこみ上げるものもありました。



 そして、昨年、種牡馬にするためにフランスから輸入した、純血ペルシュロンであるファルコという4歳馬が、運動から帰ってきたところも見ることができました。

「今は30頭ほど生産していますが、ばんえい競馬を安定的に頭数とレース数を確保するため、まだまだ増やしていこうと思っています」

と小森さんは話し、将来的には年間40頭の生産ができるような状況にしていきたいという思いを、会員の方々に伝えていました。

 ばんえい牧場十勝では、昼食をとる場所もあります。帯広名物の豚丼はもちろん、カレーも豊富な種類があり、北海道ですから当然、ソフトクリームもあります。牧場を訪れた際にはぜひ、食も堪能して頂ければと思います。

 ばんえい十勝牧場を離れる際、第二牧場をバスでグルっと回り、放牧されている繁殖牝馬を見学。



その流れの中で、本別町の本寺牧場へ移動しました。約80分と、少し離れた場所ですが、北海道で移動慣れしている人たちにとっては苦にならない距離とも言えます。



 本寺牧場は、2016年にばんえい記念を制したフジダイビクトリーや、ばんえいオークスなど重賞4勝のミスタカシマなどを生産しています。牧場に到着し、まずは本寺政則さんに血統について、講義を受けました。ペルシュロン、ブルトン、ベルジアンの三品種がばんえい競馬を発展させてきました。馬体の体形、得意なレーススタイルなど、それぞれの特徴を勉強することで、ばんえい競馬を観る上で違った見方ができるかもしれません。この三種を上手くマッチした配合から生まれたのが、センゴクエースであるという話も伺いましたが、大変興味のある内容でした。



 その後、厩舎や放牧地に移動し、本寺牧場の馬たちを見学させて頂きました。



アローファイター産駒の2歳牝馬(母は良姫)は、能力検査を前にソロソロ競馬場へ移動するそうです。この馬の配合も、三種が見事に取り入れられ、将来が楽しみな1頭です。



また、繁殖牝馬の放牧地では、2007年の黒ユリ賞で3着、ばんえいプリンセス賞では2着に健闘し、ミスタカシマやタカラシップの母で知られるアグリタカラを見学させて頂きました。


そのアグリタカラの子・エポナビューティーも、5歳という若さで繁殖牝馬として牧場に帰ってきていました。インフィニティーを受胎しているそうで、生まれてくるのが楽しみですね。



 あっという間の牧場見学ツアーでしたが、会員の方々とともに、僕自身も楽しく過ごさせて頂きました。夜の懇親会、そして翌日の競馬場観戦、バックヤードツアーと、2日間でばんえい競馬を満喫できたと思います。

 このブログをご覧頂いた方々も、ばんえい競馬を身近に感じて頂く上で、まずは一般見学ができるばんえい十勝牧場を訪れて欲しいと思います。






最終更新日  2019年03月25日 19時21分40秒
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2019年01月11日
カテゴリ:牧場
今回紹介する牧場は帯広市の北、音更町駒場にある「独立行政法人 家畜改良センター十勝牧場」です。
http://www.nlbc.go.jp/tokachi/

雪中を重種馬が駆ける「馬追い運動」が行われるところで、入り口の白樺並木も観光名所。




重種馬もいますが、生産馬はばんえい競馬で見かけることはありません。
どのような牧場なのでしょうか。

十勝牧場は家畜の改良増殖を行う機関で、1910年に「十勝種馬牧場」として開場。戦後からは種苗や和牛などの部門が新設され、2010年には創立100周年を迎えました。
馬のほか肉用牛、乳用牛、めん羊がいます。また、飼料生産や家畜衛生などの研究等も行っています。馬に関しては、馬産地の保護が目的。農用馬の育種改良が行われているのは全国でここのみです。繁殖や人工授精、飼養管理などの研修も行っています。


開場した年にフランスから輸入された種雄馬が、十勝馬産に功績を残したイレネーです。帯広競馬場の入り口にある銅像の馬ですね。
そのほかには、サカノタイソンの父で、サダエリコの母父でもある武潮(ぶちょう・ペルシュロン)、ばんえい記念馬ダイケツの父で、タケタカラやカゲイサム、繁殖牝馬などが血をつないで活躍馬を出している鉄鯉(てつり・プルトン)が在籍していました。

現在、牧場には繁殖を目的とした170頭ほどの馬がいます。
あっ厩舎には猫もいました(ニャン)


ほとんどは重種馬ですが、道産子や木曽馬、宮古馬などの在来馬、アラブの種牡馬もいます。種牡馬たちは場内交配のほか、種を配布して全国に優れた能力を供給しています。
重種馬はサラブレッドと違い、人工交配も認められているのはご存じでしたか?

十勝牧場産馬の名前は皆、漢字二文字。生年と親の名前に基づいた法則があるので、チェックしてみてください。年々変わるために使える漢字が少なくなってきて、今では読めないことも多いです(笑)。左トモには、TとSを組み合わせたマークの凍結烙印が押されています。

重種の種馬はペルシュロンかブルトンの純血種がいます。
優れた子をつくるための配合としてよく「雑種強勢」という言葉が使われます。ただ、それが続くと効果が薄れてしまいますよね。そのために純血種を入れる必要があります。
一昨年11月には、2頭の新しい種雄馬が6年ぶりにフランスからやってきました。

ブルトンのファビュルー(4歳・栃栗毛)と、ペルシュロンのエラン ド ネスク(5歳・芦毛)。昨年4月、報道・関係者向けに一般公開が行われました。(その時の写真です)



2頭とも人気のようです(頭数は非公表)。今年、どんな子が生まれるか楽しみです。

そのほかの重種馬では、前回輸入されたウルマ ドゥ スーケン(ブルトン)とユネスコ ド テューレ(ペルシュロン)、以前牧場にいたラヴリー ド レトワールの仔、蛉風(れいふう・ブルトン)がいます。
かなり少数ですが、ユネスコとラヴリーの仔は競馬場でも走っていましたね。今年からは生産馬の徒作(とさく、ペルシュロン)と必説(ひっせつ・ペルシュロン)がデビューするそうです。
ばんえいファンとしては、ファビュルーとエランの仔も競馬場で見られれば、うれしいな、と思います。

繁殖牝馬は約70頭。その子たちは、主にばんえい用だけではなく、チャグチャグ馬コのような全国の祭りや、肉用馬の繁殖としても活用されます。




配布の際には、普段馬に対してどのような取り組みをしているか、今後どのように活用をしていくか、そして希望価格を全国の希望者に確認し、決定するそうです。
原則、4年間は売らずに繁殖として使う、ということが決められています。「もし、ばんえいで使っちゃったら?」と聞くと「それは契約違反です(笑)」。あくまでも繁殖用なんですね。

通常は見学不可の牧場ですが、白樺並木から展望台(夏のみ)までのルートと、1月中旬~2月の馬追い運動期間のみ指定場所の見学ができます。
繁殖、衛生目的の機関ということで、家畜伝染病の予防にはかなりの注意を払っています。馬のほかにも牛や羊などの偶蹄目もいます。
そのため、入場の際には衛生面には特に注意してほしいとのことです。もちろん馬やそのほかの家畜に触ってはいけませんし、立入禁止区域には絶対入らないでください。ゴミも持ち帰りましょう。
詳しくはホームページをご確認ください。

観光スポットの案内
http://www.nlbc.go.jp/tokachi/bokujougaiyou/kankouspot/


さて、「馬追い」は冬の運動不足解消のために、1月中旬頃からは馬たちが群をなして馬場を走ります。
運動を行うのは繁殖牝馬と1歳馬で、3、4群が2周ほどします。土日は休みなので、月曜日の馬たちは元気に走りますよ! 朝に雪が降ればなおキレイです(^^)

通常は成人式の次の日(今年は1月15日)から2月末頃までの平日が見学期間ですが、悪天候や、雪が少なすぎる場合(馬場が凍って危険なため)は行われないこともあります。2月末までですが、状況によっては見学終了が早まる場合もあります。
今年は雪が少ないので、最初のうちは周回数が少なくなるかもとのこと。
時間は午前9時半からです。短いので、せっかく行くなら9時半前に到着していた方がいいです。







馬場への行き方はわかりにくいので、こちらのトピックスの一番下にあるPDFファイルを必ずご覧ください。
車の消毒方法も書かれています。
http://www.nlbc.go.jp/tokachi/uma/umatopics/H29umaoi/index.html

入場は白樺並木側ではなく、その先を入ります。入り口の消毒では、車が真っ白になるのを覚悟の上! 牧場へは、帯広駅前ターミナル発のバスに乗っても行けます。
馬場から見える厩舎は歴史を感じるものも多いので、こちらもチェックしてみてください。



展望台は5月初旬~12月上旬に見学できます。馬は展望台付近に放牧されていますが、放牧地はものすっっごく広いので、展望台からでも見えない場所にいることが多いのです…。運が良ければ会えるかもしれません。


取材/小久保友香、小久保巌義






最終更新日  2019年01月12日 01時28分24秒
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2018年11月29日
カテゴリ:牧場
今回の牧場めぐりは、道南江差町で過ごすフクイズミの紹介です。
2009、10年に帯広記念を連覇した名牝で、ラストランは2012年ばんえい記念2着。強烈な末脚と芦毛の馬体、レースのたびにおしゃれをして登場し、ファンも多い馬でした。





フクイズミがいるのは、道南の江差町にある廣部武士さんの牧場です。引退後は網走の牧場にいましたが、その後移動してきました。
先月訪れたとき、3頭いる繁殖牝馬のうち、2頭は共同牧野に放されておりフクイズミ1頭だけが牧場にいました。
 ※ばんえい牧場十勝の記事でも紹介した通り、ばん馬の繁殖牝馬の多くは、夏になると共同牧野といわれる放牧地に馬を移動させます。広い場所に放ち、心身を自然に近い状態に戻してやることが目的です

だいぶ白くなりましたね。







私たちは、毎年10月はじめに道南の北斗市で行われる草ばん馬を見に行くのに合わせて、牧場を訪れています。
いつもふっくらとした馬体で元気そうなのですが、今年はちょっと痩せていました。
春に蹄の病気(砂のぼり)になってしまったからだそう。
ばん馬は病気になるとどうしても食事を抑えがちになるので、馬体が痩せたままですが蹄はよくなったとのことなので安心してください。
そのため今年は種付けできませんでしたが、来年は行う予定だそうですよ。

廣部さんにどんな馬かと聞くと、「馬のお面をかぶった人間みたいな馬」だそう(笑)。
最近お電話したところ、少し前に「馬房から逃げ出して、牧場内にある家の玄関に入ってきた」(笑)。
「いつも勝手なことしてる」と廣部さんは笑いますが、頭がいいのでしょう。以前よりはおとなしくなったそうです。



フクイズミは流産などもあり、今のところ産駒は2頭。
初仔は4歳牝馬で、先日クインカップにも出走したイズミクィーン。母似の末脚が魅力ですね。
父カネサブラックは重賞21勝、母は12勝。合わせて33勝です!

風車が印象的な江差町の牧場の風景


イズミクィーン(左)



その下は、1歳の牡馬(父カネサブラック)。今は競馬場に入って来年4月の能検を目指しています。
昨年、当歳時の様子





この時は牧野にいて会えなかったのですが、あと2頭の繁殖牝馬はクインフェスタ(2015年ヒロインズC)とセンゴクイチがいます。
一番強いのは、若いこともありセンゴクイチだそう。クインフェスタはおとなしいそうです。
クインフェスタは翌年3月にカネサブラックの仔を、センゴクイチは翌年5月にインフィニティーの仔を出産予定だそうです。

廣部さんによると「見学も可能」とのことでした。ただ、繁殖牝馬は種付けシーズンになると種牡馬のもとへ嫁入りに行くので、江差に行っても会えない可能性が高いです。
また、繁殖馬なのでデリケートな春先は見学は避けたほうがいいでしょう。

江差町はニシン漁で栄えた歴史ある漁師町。
夏には北海道で一番古い祭りといわれる「姥神大神宮渡御祭」があり、町は賑わいを見せます。廣部さんも祭りに参加して、お祓いをしてもらうそうです。

廣部さんの牧場の近くには、アアモンドヤマト(2010はまなす賞)とアアモンドヤワラがいる、山田常雄さんの牧場があるので寄ってきました。
2頭ともばんえい記念に出走するなど高重量で力を発揮していました。
ヤワラの仔、アアモンドグンシンはばんえい大賞典を勝つなど活躍中。山田さんは「あんなに走るとは思っていなかった、日本一だ!」と喜んでいました。
サトミクインの当歳、グンシンの弟の父は今回はヤマトだそうです。

ヤワラ。食べてばかりでした…




ウェービーヘアが素敵なヤマト。





取材/小久保友香、小久保巌義






最終更新日  2018年12月17日 15時46分13秒
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2018年10月31日
カテゴリ:牧場
今回は、インフィニティーが暮らす幕別町の村田律雄さんの牧場を訪れました。



2014年にばんえい記念を制したインフィニティーは、2016年に引退、種牡馬入り。初年度産駒は今年1歳です。
子どもは草ばん馬でも好成績を残しており、今年も60頭近く種付けを行うなど人気。来年のデビューが楽しみです。
村田さんに産駒の良さを聞くと「特別大きいというわけではないが、バランスがいい」とのこと。
今年もメムロコマチやフェアリードール、ハクバビューティーなどが種付けを行ったそうですよ。







今年7月に行われた「十勝総合畜産共進会」でも「吉の雛菊」が最高位を受賞しました。幕別町からは34年ぶりだとか。



さて、村田さんの牧場には馬産の礎となったさまざまな名馬が種牡馬入りしていました。


牧場の入り口にある大きな馬の看板

父の代から50年以上続く馬農家で、村田さんも30年以上馬にかかわってきました。
「久都(きゅうと)」という純ペルシュロンからスタートし、ムジークなどのペルシュロンの種馬を管理。もともと「幕別はペルシュロンの町」といわれるくらいペルシュロンの多い土地柄だったそうです。

その町に1974年、アメリカから輸入されてきたのがベルジャン種の「ジアンデュマレイ」です。
「ジャンデ」と呼ばれたジアンデュマレイは、同時期に輸入された同じベルジャン種のマルゼンストロングホースとともに人気を集めました。
ペルシュロンとブルトンが主流だった時代、ベルジャンの血統が入ったことで力比べだったばんえいはスピード勝負へと変化してきました。ベルジャンはペルシュロンとの掛け合わせで活躍しましたが、その一つには幕別にペルシュロンが多かった地域背景もあるのかもしれませんね。

ジャンデのあとにやってきたのが、初の1億円馬キンタローです。入り口の看板に描かれているのもキンタロー。
ファンが多く、1986年に種牡馬入りした際には大フィーバー。近くの町をパレードし、ファンや芸能人の取材が殺到したそうです。
幕別町内の「杉野菓子店」(本町122)では「キンタローもち」も販売されています。梅と白あんを求肥で包んでおり、ジューシーでバランスが良く、とてもおいしいお菓子です。機会があればぜひご賞味ください。




サダエリコやハイトップレディ、コスモカップ、最近ではホクショウダイヤなどを輩出した重賞10勝のダイヤテンリュウもいました。きょうだいにヨウテイクインやニセコクインがいる「華麗なる一族」で、現在は母父としても活躍馬を多く輩出しています。
最近ではばんえい記念馬ニシキダイジンも過ごしていました。3世代しか遺せませんでしたが、メジロゴーリキやゴールデンフウジンなどの重賞勝ち馬をはじめ産駒が活躍していますね。
村田さんはダイジンについて「力があり、性格が素直。ばんえい記念を勝つ馬を出してほしいね」と話していました。
同時期に、カイシンゲキやフェアリードールの父サンデーブライアンも隣の馬房にいました。

性格はも「皆おとなしい」と。「強い馬は利口。人間の言葉がわかる」そうです。
それだけの信頼関係を、村田さんがつくっているのでしょうね。

現在、牧場にはインフィニティーのほかにもう1頭、マルニセンプーがいます。今年の2歳が初年度。頭数か少ない割に、マオノダイマオーなどの活躍馬がいます。





マルニセンプーの血統を見ると、祖母の父がキンタロー、父父がダイヤテンリュウ、母の祖父がジャンデと、村田さんの牧場にいた馬たちの結晶! 
ここにも血統のロマンがありますね。

村田さんは見学について「見に来てください」とおっしゃっていました。




取材/小久保友香、小久保巌義






最終更新日  2018年11月01日 08時06分43秒
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2018年09月27日
カテゴリ:牧場
今回は、カネサブラックが過ごす足寄町・加藤信一さんの牧場を訪ねました。
案内役はライターの小久保友香とカメラマンの小久保巌義です。
カネサブラックは、2011年と2013年のばんえい記念を優勝し、NARグランプリばんえい最優秀馬を4度受賞。重賞21勝の最多勝記録はいまだにやぶられていません。
2013年に引退し、2016年に初年度産駒がデビュー。その中の1頭ジェイワンが今年4歳三冠の1冠目柏林賞を勝ちました。また、3歳のカネサダイマオーはイレネー記念を制覇しています。

種牡馬生活5年目に入り、16歳となったカネサブラック。見た目は競走馬時代と変わらない感じがする、というと加藤さんも「変わらないね。おとなしい。本当おとなしい」。人の言うことを聞く、懐っこい馬だそう。




日中はパドックで過ごし、夜は馬房に帰りますが、もくしをつけなくても加藤さんのあとを付いて帰っていくそうです(笑)。かわいい。





カネサブラックの馬房


種付けも上手。今年は40頭近くつけたそうです。ばんえいで40頭はかなり多い頭数。基本的に、ばん馬はサラブレッドと逆で種馬が馬運車に乗って牝馬のもとへ種付けに向かいますが、ブラックはほとんど牝馬の方からやってくるそう。道南、道東、と全道各地から名牝が集まります。


取材した時には、2013年ばんえいオークスや2015年ポプラ賞などを制したナナノチカラが来年の種付けに備えて嫁入りしていました。今年は残念ながら受胎しなかったようで、来年に期待です。




種付けシーズン前には、以前はそりを引かせて運動していたそうですが今年からは背中に乗って歩いているとか。どこを歩くのか聞いたら、家の近くの道を歩いているそうです。車通りの少ない場所とはいえ、カネサブラックが目の前を歩いていたらびっくりしますね(笑)。



「昔の名馬は、カネサブラックの母父、ニシキダイジンの父であるカゲイサムの系統が多い」と血統的にも評価。産駒について「性格がおとなしいかな。産駒は〝触りがいい〟。初めて道具をかけても、余計なことはしない馬が多い」とセンスの良さを評価します。「2歳に頑張ってほしいなぁ」と今後に期待していました。


加藤さんの牧場には2008年ばんえいダービーなど重賞3勝のライデンロックもいます。ロックもおとなしい馬で、もくしを付けずに加藤さんの後ろを付いて馬房に入っていくそうです。ロックも10数頭の牝馬に付けたとか。
産駒の評判はいいそうで、近くにはロックばかり付けている牧場もあると聞きました。良さを聞くと「気性がいい」と。「気性がいい」とはサラブレッドでは扱いやすい馬のことを言いますが、ばんえいでは逆で、レース向きの気性を差すことが多いようです。こちらも楽しみですね。






さて、9月6日の北海道胆振東部地震の影響で足寄町も停電しました。加藤さんの牧場では「2日くらい電気は止まったけれど、水が出たから馬に関係ない」とのこと。競馬場も、停電しても水が出たから馬への影響はそんなになかったそうです。

牧場は、町中より車で20分ほど行ったところの丘にあるため「冬は暖かく、夏は涼しい。アブも少ない」といういい環境だそう。「足寄の町中が-30度あれば、こっちは-25度ですむ」ってそれも寒いですが(笑)。
加藤さんの牧場では、ファンの見学も受け付けているとのことです。






最終更新日  2018年09月29日 10時07分00秒
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