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★ ハートカラー ★
時の流れ
不思議
生きていること
不思議
そして 運命
不思議すぎる
寂しく
生きてゆく時も
包み込んで
逝ってしまう
死んでゆくこと
淋しい
残されて生きること
淋しい
恋すること淋しすぎる
誰かの涙で
パックリ割って
私のハート
掴み出したら
どんなカラー
しているのだろう
時の流れ
不思議
そして
運命
不思議すぎる
私のハート
掴み出して
温めてくれるもの
あるのかなあ
By.星原女瑪.{詩集・蜃気楼・より}(2015.6.11)2017.6.20.
(注意・詩の転載を禁ずる・シェアは、ご遠慮下さい)
アクセスして下さった皆様、
本当に有り難うございます。
今回は私の詩集【蜃気楼】より、
ハートカラー・を掲載しました。
再掲になります。
ご一読いただけましたら、幸いです。
私の病状ですが...。
最悪の症状に苦しんでします。
この度は、
沢山の励ましや慰めのコメントを、
有り難うございました。
とても慰められ、励まされました。
※アブラゼミが常に鳴いている左耳。
一番辛いのは、
頭がグラグラして吐き気がすること...。
歩くことも出来ない状態です。
皆様にコメントをしたり、
ナイスや応援も出来ない状態です。
どうかご容赦のうえ、
これからも宜しくお願い致します。
By.LAME39.星原女瑪(ほしはらめめ)2017.6.20.
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🙇 お知らせ 】
短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。
続きは執筆中です...いま少しお待ち下さい~🙇.
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短編小説
ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。
拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。
★心ゆくまで★
其の四の(1)
沙織を抱えた柿谷は、小走りに葬儀場の裏手に周った。
鉄扉を押して道路に出ると、すぐ近くにステーションワゴンが止まっていた。
ドアを開けて沙織を座らせてから、車のハッチバックを開けた。
それから再び沙織を抱き上げて、後ろの広いスペースに寝かせた。
『沙織さん、ほんの少し待っていてください』
柿谷の言葉に、
沙織は『はい』
と、素直に答えた。
その言葉を聞くと、
柿谷は慌てた様に走り去った。
半時足らずで戻った柿谷は、
運転席から振り向いて、
『さあ、これで大丈夫ですよ。
沙織さん、少し長く掛かりますが我慢してくださいね』
『はい、何時までも我慢しますわ』
柿谷の優しい眼差しに、沙織は力強く答えた。
二人を乗せた車は、首都高速を抜けて、中央自動車道に入った様だった。
『沙織さん、疲れたら眠ってくださいね』
黙り込んでいた柿谷が、言葉を掛けて来た。
『柿谷さん、私には気遣いなさらないでね。中央道を走っているのかしら…』
『分かりますか。西に向かっています。もう調布ですから、あと少しの我慢です』
『あら、だいぶ都心を離れたのね。何処に連れて行って呉れるのか、楽しみだわ』
沙織は視線を上げて、声を掛けた。
『沙織さんに嬉しいと言われると、僕も嬉しいです』
少し弾んだ声に、沙織は味わった事のない喜びと温もりを感じた。
沙織は目を閉じて、その至福の時を噛み締めた。
ふと眠っていたのか、
『沙織さん、やっと着きました』
柿谷の言葉に目を開けると、車のガラス越しに木々が見えた。
柿谷は一旦おりて戻ると、車を廻してエンジンを切った。
『沙織さん、さあ入りましょう』
柿谷は言いながら、沙織を抱き上げた。
大きめのベッドに降ろされると、ベビーピンクのカバーが優しく目に映った。
扉は引き戸になっているらしく、今は開け放たれていた。
『沙織さん、ここは八王子の丘の上ですよ。』
『あら、いい所ですね。柿谷さん、何から何まで本当に有り難うございます』
沙織は軽く頭を下げた。
『いやいや、僕の身勝手にした事で…』
柿谷は、含羞んだ様に目元を細めた。
続く】 By.星原女瑪 2017.6.03.
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其の三(3)
柿谷の言葉に少し安堵した沙織は、
優しい陽射しに包まれている様な気分がした。
沙織は、明日は必ず迎えに来ると言った柿谷を、今は信じる事が出来た。
優しい眼差しと、心に染み入って来る穏やかな声が、今は懐かしかった。
軈て沙織は、百合の香を感じながら、いつか深い眠りに落ちた。
沙織がはっと気付くと、音楽や人の声が聞こえた。
目を開けると、母の竹が覗き込んで声を掛けて来た。
『沙織さん、貴女は幾つになっても美しいままね。
死んでしまった今も、なんて美しいの…。』
そこまで言うと、竹の涙がポトポトと沙織の頬を濡らした。
『お母さん、何時までも死人を見ていたらいけないわ。
少し休みましょう。さあ、向こうへ…』
姉の由起子が、丁度いいタイミングで竹を連れて行って呉れた。
沙織は胸苦しいほどに、辛かった。
母親の悲しみは、沙織を苦しみの淵に沈めた。
少しすると、
『ご遺族の皆様、お夕食の支度が整いましたので食堂に起こし下さい。』
アナウンスが流れた。え、私ったら夕暮れまで眠っていたんの…。
驚いた沙織は、思わず呟いた。
暫くして辺りが静まると、柿谷の顔が浮かんだ。
あの時に見た彫りの深い端正な顔が浮かぶと、
沙織は何故か物悲しさを感じた。
私ったら、柿谷さんが恋しいのかしら…。
そんなことを想ってみて、沙織は顔が火照るのを感じた。
それは、輝久には感じた事のない感情だった。
少しすると、夕食の香りが仄かにしたが、沙織は食欲を全く感じなかった。
静まり返った部屋の棺桶の中は薄暗く、
保冷剤でヒンヤリしていたが、寒さも感じず妙に居心地が好かった。
その内に、沙織はまた深い眠りに落ちた。
火葬場の炉に火が入り、台に乗せられた沙織の傍らには、
何人もの人が詰め寄って来た。
『ねえ…待ってよ。お母さん、由起子姉さん、お兄さん、私を焼かないでよ。
お願いだから、焼かないで…。』
沙織は必死に叫ぶと、額に脂汗が滲んだ。
心臓がバクバクと悲鳴をあげ、苦しくて気が遠退きそうだった。
『誰か…誰か助けて』
しかし沙織の叫びは聞こえないらしく、
誰もが泪したまま沈黙のうちにいた。
『沙織さん、沙織さん、………。』
誰かの呼び声に、はっと目を開けると、柿谷が覗き込んでいだ。
『柿谷さん。私、あと少しで焼かれる夢を見ていたの…。とても怖かったわ。』
『そうでしたか、額の汗はその所為ですね。』
柿谷は言いながら、沙織の額を優しく拭った。
ハンカチの青葉色が、沙織には新鮮に映った。
『沙織さん、迎えに来ました。さあ、僕と行きましょう』
『柿谷さん、お待ちしていました。本当に嬉しいです。』
柿谷は佐織を軽く掬い上げると、走るように出口へ急いだ。
続く】
By.星原女瑪.2017.5.6~7.
(注意・文章の転載を禁ずる:ブログのシェアはご遠慮下さい)
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其の三(2)
花束が揺れた所為か、百合の香が一層つよくなり二人を包んだ。
『ねえ、柿谷さん。
どうして私の声が聞こえたりするのかしら…』
沙織は正直な疑問を、投げ掛けてみた。
柿谷は沙織を覗き込む様に少し身を乗り出して、
『そうですね。僕にも確かな事は言えませんが、
僕にとって沙織さんは、生きた人なのですよ。』
『そう…。』
『不思議なことですが、僕の中で貴女は生きているのです。
だから声を聞くことも美しい瞳の様子も、僕には感じられるのです。』
『そう…。』
会話が途切れると、柿谷は焼香台の小さな遺影を覗き込んで見詰めていた。
その柿谷の背中に向かって、沙織は疑問を投げ掛けた。
『柿谷さんか私のことに気付いたのは、いつ頃からなのですか』
すると柿谷は、静かに向き直り、
『救急車の中で、沙織さんに付き添っていた時です…。
僕が沙織さんの手首に触れたら、
凄い勢いで脈打っているのを感じました。
僕は驚きましたが、嬉しさのほうが先走って…。
咄嗟に笹本さんに声を掛けたのですが、
相手にして貰えませんでした。』
『そうだったのですか…。どうも有難う。』
沙織の微笑に、柿谷は優しい眼差しで頷いた。
『沙織さん。それでは、僕は帰ります。もう30分が過ぎてしまいました。
実は、防犯カメラに細工をしたもので、長くは居られないのです。
増して、警察の安置所ですからね。』
『そうだったのね。寂しくなるわ。』
沙織が思わず弱音を吐くと、
『大丈夫ですよ。沙織さん、よく聞いてくださいよ。
明日は午前中に葬儀場へ移されます。
しかし、心配しないで僕を待っていて下さい。
貴女が火葬場で焼かれる事はありません。僕が必ず迎えに行きますから、
安心して待っていて下さいよ。』
柿谷は力強く言うと、沙織の肩にそっと手を置いた。
『そう…。私は柿谷さんを信じて、待っています。
本当に有り難うございます。信じています。』
沙織の言葉を聞くと、柿谷は間も無く帰って行った。
続く】
By.星原女瑪.2017.4.21