テーマ:大学野球(1)
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今年の東都大学野球は國學院旋風が巻き起こった。1部に昇格したばかりの國學院大学があわや優勝かという活躍を見せたからだ。国学院大学野球部の監督は竹田利秋監督。東北高校、仙台育英高校などで27回の甲子園出場を誇る名伯楽である。この超大物監督が國學院大学の監督に就任してから10年の月日が経過し、ようやく東都の1部に昇格した。
国学院大学はここ数年、毎年のようにプロ選手を輩出している。実は、ここにすごさがある。 高校で活躍した選手はプロへ行くほか、大学や社会人に進む。ここでスカウト合戦が行われるのだが、有名な大学ほど有力な選手の獲得に成功する。東大をのぞいた東京六大学を筆頭に、東都大学1部校、首都大学1部校などに有力な選手は流れる。東都の2部以下になると、なかなか優秀な選手は入ってこない。それでも毎年のようにプロ選手を出すのはなぜだろうか? それは竹田監督の眼力によるところが大きい。大学に入学してきた選手をコンバートすることは難しい。投手から外野へということはありうるだろうが、それ以外というのは難しい。しかし竹田監督の場合には選手の能力を見つけ出し、才能を伸ばす力がある。 早稲田や法政といった超有名校から声のかからなかった選手を最終的にはプロ選手にまで育ててしまう。これはすごい!マジックだ! たとえば楽天から3位指名された嶋捕手は元々セカンドとして入学した。竹田監督いわく、「もしセカンドのままだったら、社会人野球ですらプレーできなかっただろう」。セカンドの嶋選手を捕手にコンバートした眼力、そしてドラフト選手にまで育て上げた育成能力は素晴らしい。 練習はとにかく基本を徹底的に教える。選手にはテーマを持った練習を求める。いま、自分が何を練習しなければならないのか? 練習のための練習ではなく、技術を上げるための練習とは何かを考えさせる。嶋選手の場合は「練習がうまかった」と言う。ピントの合った練習をできる数少ない選手であったという。 竹田監督とともに鳥山コーチの存在も見逃してはならない。竹田監督はとにかく厳しい指導をする。選手の中にも「この野郎!」と思った選手も多いはずだ。ところが竹田監督、鳥山コーチの絶妙のコンビネーションで選手をフォローする。 鳥山コーチは一言で言うならば「良い兄貴」だ。厳しさを持ちながら、粘り強く丁寧に選手を指導する。しかも単なる押しつけではなく理論的に指導し、選手の意見を引き出す。 最後に選手のしつけが厳しいことも付け加えておきたい。選手のしつけに関しては間違いなく日本一だと思う。怖いくらいにしつけには厳しい。しかし、これだけきちんとしつけられていれば社会に出ても間違える事は無いだろう。大学を卒業しても野球を続けられる選手はごくわずかでしかない。ほとんどの選手は普通の社会人として人生を歩んでいく。たとえ国学院大学で試合に出る事ができなくても、はずかしくない社会人になるはずだ。厳しすぎるという声も聞かれるが、私が社員採用担当であれば、国学院大学野球部出身なら問題なく採用するだろう。 アイスポーツ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.12.06 21:00:22
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