2008/07/12(土)17:28
悲しみ、慈しむこと
ヴァイツゼッカーは『ゲシュタルトクライス』(*注)の中で述べている。
「生命それ自身は決して死なない。
「死ぬのはただ、個々の生きものだけである」と。
果たして、以前に私が悲しみと思っていたものは、怒りや苦しみであった。
今は、悲しみを生きることができる。
長く生あれば、この先はどうか・・・
誇りとは埃のごとき軽さを
身に持つこと
形は儚く
人の生は美しく
無益であり
悦びはまさに
ここに、この
救われがたき
時にある
命は廻り、廻る
証として
全ての形は命の只中へ
朽ち果てる
(*注)ヴァイツゼッカー 著/木村敏・濱中淑彦 訳『ゲシュタルトクライス 知覚と運動の人間学』(みすず書房)