めんどうはごめんだ

2016/10/06(木)09:46

8月20日に我々は断罪されるのか?

産婦人科医療(34)

「真実を知りたい」・・・医療過誤関係のニュースで必ずといっていいほど出てくるセリフだ。この言葉は錦の御旗のようなものである。この言葉には抗えないという暗黙の了解がある。 さて福島県立大野病院事件(事件?そもそもどこが事件なんだ?)の判決が8月20日言い渡される。最近になってテレビでもちらほら報道するようになってきたが、医療崩壊が現実のものとなりつつある今、マスコミのニュアンスは若干冷静になり、この逮捕劇の理不尽さを訴えているものもある。 ただ患者側の家族に対するインタビューではやはり「真実を知りたい」という言葉が出てきている。しかし元々事件性の無いこの件については「真実を知りたい」という言葉はどうも的外れに聴こえる。 患者さんが亡くなったいきさつについてはかなり詳しく公表されてきており、被告となってしまったK医師は最初から全く何ら隠すことなく供述してきている。もちろんカルテの改ざんや証拠の隠滅なども全然無い。真実は最初から白日の下に曝されている。 亡くなった患者さんは誠にお気の毒だが、これは「癒着胎盤」という疾患によって亡くなられたのであって、隠されている真実など何も無いのである。 にもかかわらず「真実を知りたい」・・・・この言葉は「医師を悪者にすることで自分の家族にふりかかった理不尽な悲劇を納得したい」と同義語であるかのように聴こえる。もちろん残された家族の心情としては大いに理解できるが、悪者はいない。 8月20日の判決は、K医師だけでなく現場に立つ医師全員に対する判決となる。

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