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めんどうはごめんだ

めんどうはごめんだ

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突発性難聴体験記

2016.10.26
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カテゴリ:突発性難聴体験記
突発性難聴になるまではあまり意識していませんでしたが、いったん街に出るといたるところでBGMが流れています。コンビニ、レストラン、100均ショップ、デパート、商店街等々・・・
これが実に煩わしいのです。

聴覚補充現象に悩まされる私にとって、聴きたくないときに流れる音楽は非常に不快なものです。特に音が反響しやすい、例えばコンクリートうちっぱなしのオシャレな店なんかだと、例え小さい音量のBGMでもガンガン響いて耐えられません。耳栓をしてまでお店にいようとは思わないので、すぐ出ることにしています。

ショッピングセンターとかデパートの中は最悪ですね。人のざわつきと建物内に反響するBGMで頭がおかしくなりそうなくらい音が響きます。まわりの人達が平然としているのが不思議なくらいです。
一体いつからどこでもかしこでもBGMを流すようになったんでしょうか。

本来音楽はタレ流しにする消耗品では無いはず。聴きたい人もいれば聴きたくない人もいる。私は今でも音楽は大好きなので、聴きたいときには自宅や車の中で好きな曲を聴いているし、演奏もしています。しかし一方的に流れてくる雑音のようなBGMは公害でしかありません。

で、秋にふさわしいオリジナル曲を演奏してみましたので、お聴きになりたい方はどうぞ(^-^) これはタレ流しにするような曲ではありません。
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Last updated  2016.10.26 19:07:51
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2016.10.08
カテゴリ:突発性難聴体験記
突発性難聴を発症してから諦めていたもう一つの趣味はスキューバーダイビングでした。これは音楽とちがって年取ってから始めた趣味です。
昔から海が好きで憧れていたスポーツですが若いときは忙しくて中々ライセンスを取るヒマがありませんでした。今から8年ほど前に空いた時間を見つけてCカードを取得して以来通算200本以上潜っていました。グレートバリアリーフやタヒチなどにも行きましたがそれはもう世界観が変わるほどの美しさです。


突発性難聴で入院した時には、「あー、ダイビングもこれでダメやなあ」と悲観していました。ダイビングで潜るときには、中耳腔圧と水圧のバランスを取る必要があり、多少なりとも耳に負担がかかるスポーツです。いわゆる「耳抜き」によって耳管を開通させて中耳腔圧を水圧に合わせないと猛烈な耳痛に襲われます。

「バンドにダイビング・・・趣味はこの2つしかないのに諦めないといけないのか・・・」入院中は暗くなる一方でした。
しかし高圧酸素療法を受けた時の感触から、ダイビングは突発性難聴に悪影響が無いと確信を持ちました。
高圧酸素療法では酸素カプセル内の気圧を2気圧まで上げます。2気圧は水深10メートルと同等の圧ですから耳抜きをやらないと耳が痛くてとても耐えられません。技師さんに聞いたところでは、耳抜きができなくて治療を中断せざるを得なかったり、滲出性中耳炎を起こして鼓膜切開が必要になったりする例もめずらしく無いようです。

私の場合、ダイビングで耳抜きは馴れていたので全く苦痛を感じずに2気圧まで上げることができました。この時に「そうか、高圧酸素療法も耳にかかる負担はダイビングと同じじゃないか」と気づきました。耳抜きさえできれば何も問題が無いはずです。
私の場合開始したのが遅かったこともあってか結果として高圧酸素治療は無効でしたが、ダイビングを諦めなくてもいいとわかっただけでも収穫でした。


発症後約4ヶ月経った8月に、まずは地元の海でダイビングを再開しました。以前よりは慎重に、耳抜きが遅滞なくできるよう気を配りながら。
海から上がって右耳の聴力がさらに落ちていたらどうしようという一抹の不安はありましたが、予想どおり耳には何の影響も無く無事楽しむことができました。念のため帰宅後uHearで聴力を自己チェックしましたが変化無しでした。
海の中を漂いながら景色に見とれていると耳鳴りのことなんかすっかり忘れてますね。

その後、秋には海外までダイビングに出かけました。美しい珊瑚礁と熱帯魚たちにまた会えたことはこの上も無い幸せでした。
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フィリピンのバリカサグ島で撮った写真です。






Last updated  2016.10.08 17:06:22
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2016.10.02
カテゴリ:突発性難聴体験記
SoundCloudについてちょっと説明をしておくと、基本無料で誰でも自分の楽曲をuploadするページを開設することができるサイトです。何の資格も審査も必要ないので、正に玉石混淆の音楽発表の場です。プロ、アマ問わず、ロック、ジャズ、hiphop、クラシック、フォークと何でもアリです。プロがプロモとして使っている場合も多いようです。

ちなみにポール・マッカートニーのページはここです。割と惜しげも無くリミックス版やバージョン違いの楽曲を載せています。当然ですがフォロワー数がすごい!
paul.jpg

アマチュアでも素晴らしいミュージシャンも多く、それらを無料で聴き放題聴けるわけですから、もうメジャーなプロのCDなんか買わなくってもいいなという気にさえなります。
最初は「ライブができないならせめて」という気持ちでSoundCloudへの楽曲uploadを開始しました。しかし毎日何千曲も世界中からuploadされてくるわけですから、そのままでは誰も聴いてくれません。
とにかく自分の存在をアピールするしかないと思い、SoundCloud内の他のミュージシャンのページに行っては、気に入った曲があればコメントを入力していき足跡を残します。英語は仕事でも使うのであまり不自由しませんが、こういうサイトではくだけた表現で返される場合も多く最初はちょっと戸惑いました。

ありがたいことにコメントを入れると割とみんな律儀に聴きに来てくれて、コメントを入れてくれるミュージシャンが多いんですよね。まあ、このへんはお互い様ってところもあるんでしょうけど、やはり曲自体が良くないと見向きもされないというシビアな側面もあります。

そうこうしているうちに、follower数が1000を超えているようなミュージシャンが気に入ってくれて私をフォローしてくれると一挙に再生回数が上がってきます。
「あの人が気に入ってるヤツってどんな曲upしてるんだ?」という感じですね。
Follower数が100を超えるまではけっこう時間がかかりましたが、それからは常連さんも多くできて、新曲をupした途端すぐ聴きに来てくれる人もけっこういたりします。
そんなこんなでいつのまにやらfollwer数が700まで増えました。

ちなみに私の曲の中で一番人気が高いのはこれです。けっこうヘビーな曲ですが、実際演奏し録音しているときは普通にステレオで音楽を聴いている程度の音量です。
insane

しかしそうなってくると、期待を裏切らないようにいい曲を定期的にupしていかないといけません。これがいい意味でプレッシャーになって、曲作りへの情熱はさらに高まっていきます。

突発性難聴のためにバンドは諦めざるを得なかったけど、思いも寄らず自分の音楽を世界に発信するチャンスに恵まれました。






Last updated  2016.10.02 17:13:29
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2016.09.27
カテゴリ:突発性難聴体験記
聴覚補充現象のところで家にこもりがちと書きましたが、かといって何事にも消極的になったというわけではありません。

まずは音楽関係から。

大音量を浴びるバンド活動は当然ストップせざるを得ませんでした。発症したのが昨年3月終わりで、音楽に対しては一旦全くあきらめていました。「40年間続けてきたバンド活動もこれで終わりか・・・」本当に悲しかったです。しばらくはギターに触る気にもなれませんでした。
仕事に復帰し日常が戻った6月に入った頃からエレキギターを生音の小さい音でつま弾いているうちに音楽への情熱が段々強くなり、「何とかやれることをやろう」という気持ちが湧いてきました。「左耳はちゃんと聴こえているし、片耳のミュージシャンだっている。まだ自分は右耳も多少は使いものになるんだから贅沢言っちゃいけない」と考えるようになりました。

とはいえバンドができないので取りあえず作曲して一人多重録音で音楽に食いついていくことにしました。。

幸いテクノロジーの進歩で、大きな音を聴かなくてもいわゆるDAWソフト(音楽作成のための総合アプリケーション)によって自宅で簡単に録音ができます。音量は60〜70dBぐらいあれば作業ができるので耳への負担は少なくて済みます。とはいえやはり右耳は聴覚補充減少で疲れやすいので、適時耳栓をします。

エレキギターといえばギターアンプで大音量を出すイメージがありますが、今では非常に優秀なアンプシミュレーターが数多くあり、私の場合DAWソフトへplug inするソフトアンプシミュレーターを使用しています。コンピューターの中でか細いエレキギターの生音を真空管アンプでドライブさせた音に変身させるわけです。音量はいくら小さくても迫力のある音にしてくれます。

ソフトアンプシミュレーターではパソコン内の処理に時間がかかるため、ほんの僅かギターを弾いた瞬間と音が出てくるまでの間に時間差が生じます。(おそらく1秒の何十分の一程度ですが、演奏は非常にしづらくなります)
しかし小音量で弾いていると、実際に弾いた瞬間の直の生音がバッチリ聴こえているのでそれほど違和感がありません。

そうこう試行錯誤しながら、曲を作り上げていきました。いわゆるD T Mというやつですね。

次々と曲を作ってはSoundCloudにuploadしていきました。ライブができない以上ネットが唯一の発表の場です。その中でもSoundCloudは群を抜いて世界中からの参加者が多く、ここしかないと思いました。
SoundCloud表紙
SoundCloudに楽曲をuploadしている人はおそらく数万人以上いると思います。驚いたことに。ポール・マッカートニーやニール・ヤングまで自分のページを持っています。

・・・続く






Last updated  2016.09.27 15:16:42
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2016.09.22
カテゴリ:突発性難聴体験記
突発性難聴のことを日記に書いて以来ずっとアクセス数が増えて今でも毎日のアクセス数が200程度あるのは、それだけこの病気になる人が多いからだと思います。
私の場合幸い軽症の部類には入るのですが、結局治らないまま今に至っています。軽症なりに未だに病気を引きずった状態ですので、他の方の参考のために現状を書いておこうと思います。

聴力に関しては、全く変化はありません。「半年後に聴力チェックしましょう」といわれたものの面倒くさいので耳鼻科には行ってませんが、iphoneアプリのuHearで時々自己チェックしてます。ほぼ変わらず右耳の1000Hzを中心に落ち込んだオージオグラムとなっています。
日常会話の聴き取り等についてはほとんど不便を感じませんが、1000Hz中心の聴力障害のため男性の声の方が聴き取りにくく感じます。騒がしいところで右側から男性に話しかけられた時は体の向きを変えて左耳で聴くようなクセがつきました。

聴覚補充現象については相変わらず悩まされます。結局これが現在最大の苦痛です。
「補充現象」というと何かいいことのように勘違いしますが、これはちょっと大きい音が耳に入ると「ガーン」と頭の中に響くすごく不快な症状です。特にドアを乱暴に閉めたときの「バタン」といった音や、食器同士がぶつかって「カチャカチャ」する音などはものすごく響いて、その後強い耳鳴りが続きます。
いつも突然の音に警戒していなければならず、人の多いところ、飲食店などでは気が落ち着きません。耳栓を用意してても不意を突かれることが多く、外出を後悔することしきりで自然と出不精になってしまいました。特に休日はどこも人が多いので家から出ないことが多いです。脆くなった耳に対して世間はうるさすぎるのです。映画館は音が大きく、アクションものなんかだと戦闘シーンがものすごくうるさいので、突発性難聴発症以来一度も行っていません。
仕事は休むわけにはいかないので、常に耳栓を携帯し、分娩室に入るとき、緊急手術の時(みな慌てているので器具の音とか人の声がどうしても大きくなります)などは予め耳栓をしています。職場ではほぼどんな時がヤバイか想像が付くようになったので仕事に支障を来すことはありません。
ここ1年は症状的には横ばいですが、日によって調子のいいときと悪いときがあります。当直明けがやっぱり最も調子悪いです。

耳鳴りについてもほぼ横ばい状態ですが、これは聴覚補充現象ほどつらくはありません。気にならないときは耳鳴りを忘れています。朝起きてすぐとか、うたた寝した後はなぜかすごく強くなるんですが、おそらく大脳皮質の活動が不活発になると聴覚中枢からの耳鳴りの信号がダイレクトに皮質に認識されてしまうのだろうと思います。シャワーを浴びて頭をシャキッとさせるとずいぶん楽になります。
耳鳴りはよく「気にしないことが大事だ」などと言いますが、それは自分で意識してできることではありません。何かに集中して脳を使うことで耳鳴りの信号は大脳皮質レベルで「不要な信号」としてオミットされます。だから何かをしてることが一番の耳鳴り対策です。ボーッとしているときは耳鳴りに出番を与えてしまいます。とはいえ、疲れてる時はちょっとぐらいボーッとしたいものですけどね。そんなときはiphoneに仕込んであるマスカー(耳鳴りを紛らわせる環境音)を小さい音で流しながら(耳鳴に馴れるためには少し耳鳴りが聞こえる程度にマスカーを流しておく方がいい)ボーッとしてます。

続く・・・・






Last updated  2016.09.22 18:12:52
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2015.07.01
カテゴリ:突発性難聴体験記
突発性難聴発症後3ヶ月
早いもので、もう3ヶ月が経ってしまった。仕事はすっかり発症前の状態に戻っている。おそらくハタから見て私の突発性難聴は完全に治ったと思っている人も多いだろう。もちろん右耳の聴力は低下したままである。
確かに日常会話に関してはほぼ問題が無い。問題は聴覚補充現象と耳鳴りである。

前者は騒がしいところで顕著に現れて、音が右耳の中でワンワン反響して健常な左耳からでも聴き取りがむずかしくなってしまう。後者の耳鳴りは静かなところにいると「ゴー」という感じで聞こえてきて煩わしい。幸い今はエアコンを入れること多いので、エアコンの音で耳鳴りは紛れてくれる。
いずれにせよどちらも1ヶ月前と比べると軽くなってきているように思える。もう耳鼻科通いはすっかり終わり、この1ヶ月やった治療は鍼灸だけ。聴覚補充現象と耳鳴りの軽減は鍼灸の効果といっていいのかもしれない。

しかし油断はできない。先週の学会で特別講演を行った講師の声がものすごく響いて耐えられなかった。まわりの人間が平然と聞いているのが不思議だった。携帯していた耳栓をしてもまだ響く。15分が限界で、会場を出た。
どうも特に響きやすい音というのがあるようだ。1ヶ月前はどんな音でも響いていたが、今はやや周波数が低くてなおかつ大きな声に限定してきたようだ。声の大きいおっさんが傍にいると、反射的に距離をとってしまう。
逆に言えば、それ以外の音に対しては耐性ができてきたようで、耳栓をする頻度は明らかに減ってきた。

しかし調子のいい日と悪い日があるので、月単位で判断しないと良くなってるのかどうかが判断しにくい。
調子が悪くなるときはハッキリしている。疲労がたまっているときである。特に日勤→当直→日勤で結局36時間も働かされると覿面耳鳴りと聴覚補充現象が強くなってきて気持ちが落ち込む。

楽器を触る時間が増えてきたのは、全体として調子が良くなってきたことの表れだろう。もちろん大きな音は聴けないが、ギターをつま弾いて新曲ネタを作ったりしている。調子に乗りすぎると耳鳴りが強くなって後悔するのだが・・・
バンド活動ができないので、soundcloudに自作曲をuploadしてなんとか音楽に繋がっている。
ああ、しかしやっぱりライブをやりたい!






Last updated  2015.07.02 01:50:33
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2015.05.28
カテゴリ:突発性難聴体験記
突発性難聴発症後約2ヶ月が経った。今日が最後の耳鼻科受診で聴力検査のみ。変化が無いのはuHearでわかっていたが、やはり1000ヘルツは40dbのままだった(´・ω・`)
幸い500ヘルツが若干良くなっているため、平均聴力レベルは計算上31.3dbと1ヶ月前の32.5dbよりもほんの少し改善している。まあ、誤差範囲ともいえるが。
この1ヶ月でやったことは鍼灸治療だけ。この誤差範囲の改善では鍼灸による聴力の改善は無かったといえるが、耳に響くいやな症状は少し改善したかも。
鍼灸の歴史からいえば、純音聴力検査なんか無かった時代からの治療法だから、その効果は耳閉感、耳に響く感じ、耳鳴り等の主観的な症状の緩和には強いのかもしれない。

しかし、ふり返って最悪だった入院当初と今日のオージオグラムを比べると、改善有りと言っていいだろう。
上が入院した4月2日の、下が今日のオージオグラム。
スライド1.jpg

ただ改善は発症後11日目の4月8日で終わっていて、その後は大きな変化無く今に至っているので、「最初の2週間で決まる」というのは教科書通りというころか。大学の思惑やシステム上の不合理から無理だったとはいえ、やはり最初の2週間にやれることを全てやっておいた方がよかったのだろう。

以前の日記で岡本秀彦氏の病側耳集中音響療法の論文を紹介した。あれは突発性難聴急性期に行われていた。
もう私の場合は急性期を過ぎてしまっている。聴力を上げることはかなわないかもしれないが、患側耳を積極的に使うことによって、音の割れや響きなどの改善は見込めないのだろうか?

まあ、ダメもとと思い、2週間まえから外来診察時に健側の耳に耳栓を詰めて、患側の右耳だけを使って患者やナースと会話するようにしている。

気がついたことは、右耳に入ってくる音が響いてつらかったのが、健側の左耳に耳栓を詰めるとなぜか響く感じが軽減する。あの響く感じは両耳のあいだでの聴こえの差も一因となっているのだろうか?以前述べたように、左右で周波数認識にずれがあるので、両耳で聴くと干渉を起こしているのかもしれない。

それと、最初はさすがに小さい声の人や、ボソボソと話す人の声は聴き取りづらかったが、段々と慣れてきてのか、聴き取りに不便を感じなくなってきた。
これはもちろん聴力が上がったわけでは無く、おそらく脳の聴覚中枢および更に上位大脳レベルでの音声処理が内耳からの質の落ちた信号に対して適応しだしたのかもしれない。あるいは無意識のうちに読唇術を心得てきているのかもしれないが・・・

音が部屋中を響き渡っている分娩室では、逆に患側の右耳に耳栓をしないと対処できない(^ ^);

音楽を聴くときも、1日30分程度右耳だけで耳に負担にならない音量で聴いている。オージオグラムに合わせてイコライジングで補正(1000ヘルツを中心に持ち上げる)しても右耳の方は音質の劣化が明らかなのだが、それでも徐々に左耳との差が縮まってきているような気がする。弦楽器や女性ボーカルを聴いているとよくわかる。当初は音が割れて悲しいほど音質が悪かったが、今では音に少しツヤが出てくるようになった。

以前紹介した論文が述べているように、いずれ付随する症状から開放されることを期待しながらボチボチ行くか・・・

突発性難聴によって片方の聴力を完全に失われる方もおられることを思えば、私のような軽症の部類に入る人間がここまでブログでグチめいた事を書いてきたことに対しては「贅沢言うな」と御批判をいただくかもしれない。
突難経験を書き出してからのアクセス数の多さからすると、厚労省の発表以上に相当数の方がこの病気のため悶々とされているのではないだろうか。少しでも私の経験を参考にして下されば幸いである。






Last updated  2015.05.28 22:39:50
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2015.05.24
カテゴリ:突発性難聴体験記
突発性難聴治療のゴールデンタイムは2週間といわれており、治療開始は早ければ早いほどよいことに間違いは無い。高圧酸素治療(HBO)についても当然早く始めた方がいいのだが、前にも述べたシステムの矛盾が早期からのHBOを妨げているのが現状である。

最初に受診、または紹介された病院にたまたまHBOの設備があり、なおかつそこの耳鼻科医がHBOの効果を知っているという条件が揃わないと無理である。(設備があっても耳鼻科医がHBO反対派という病院が実際にあり、そこではHBOは行えない。)・・・すなわち何度も言うが運次第である。

HBO治療開始のタイミングと治療効果の関係について調べた論文「高圧酸素療法を併用した突発性難聴522症例の治療成績」
が2000年に日本で出されている。香川労災病院での症例を基にしたものである。RCTではなく後方視的検討なので突っ込みどころはあるかもしれないが、症例数が多いのでかなり説得力がある。
(ここには敢えて引用しないが、図1のグラフは特にRCTでないことに留意すべきで、高圧酸素治療群には重症例が偏って入っていることが本文を読めばわかる。従って高圧酸素治療群の方が成績が悪いのは当然なのである。)

この論文で注目すべきは以下のグラフである。
両群の比較.jpg

I群は発症7日以内にHBOを開始できた患者で、具体的には最初から香川労災病院でステロイド+HBOを開始した患者か、最初他院でステロイド治療を行っていたが極早い時期に香川労災に紹介されたおかげで発症7日以内にHBOを開始できた患者である。
II群は前医でステロイド治療を受けて無効であり、かつ紹介時期が遅く発症8日以後にHBOを開始した患者である。(私の場合こちらに入る)

I群とII群との差はグラフから明らかである。I群の方が明らかに改善している患者が多い。

「著明回復」や「回復」などの細かい定義は本文を参照していただければいいが、改善率はI群で66.6%、II群で38.8%と発症7日以内に開始した方が断然成績がいい。発症7日以内に開始すれば7割近くの例で聴力が改善するのである。

さらにHBO開始時期を細かく分類して比較したのが下のグラフ。(紛らわしいが、この文献では高圧酸素治療をOHPと略している)
日数と予後.jpg

縦軸がHBOを開始した時期で、開始時期が遅いほどHBOの効果も低くなるのがわかる。特に発症15日以後の開始例からガタンと効果が落ちる。
実は私はこの文献を入院前に読んでいたので、何としても発症14日以内にHBOを受けられるようにと考えていたのである。(実際にはシステムの問題と、私のとまどいから17日目からの開始になってしまったのは以前書いた通り)

昨日今日と長々と書いてきたが、結論は自明である。
突発性難聴に対してHBOは有効であるが、発症7日以内、ギリギリ遅くとも14日以内に開始しないと効果が期待できないということである。

しかるに現在の医療システムの中で発症7日内にHBOを受けるのはかなりむずかしい。多くの場合ステロイドの効果が無かったときに初めてHBOのある施設に紹介されるからである。
どこにHBO設備があってかつ突発性難聴に使用可能かなどを患者の側で調べて強引に計画を立てていかないと無理なのである。
患者の立場というのは弱い。患者から担当医に自分の希望をあからさまに主張するのは憚られる、あるいは担当医に全てをお任せすべきと考える人の方が多いだろう。しかし実は突発性難聴に限っては耳鼻科医も何がベストかわかっていない。医学的な矛盾が無い限り患者の希望が最優先されるべき疾患なのである。






Last updated  2015.05.24 14:58:32
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2015.05.23
カテゴリ:突発性難聴体験記
前にも書いたように、高圧酸素治療を受けるにはいろんなハードルがあって、設備が遊んでいるにもかかわらず突発性難聴患者に使えないという事態が起こり得る。
私の治療経過では高圧酸素治療(Hyperbaric Oxygen = HBOと略す)の開始が遅れたことが悔やまれることはすでに述べたが、HBOは果たしてどの程度突発性難聴に有効なのだろうか?

他の方のブログを読んでいると、私と同様にHBOまでたどり着かないうちにゴールデンタイムを逃してしまう人が多いようだ。もしHBOが本当に有効なのであれば多くの人が治癒するチャンスを奪われているのでは無いか。

ちなみに私が入ったのはこのような1人用のカプセル
高圧酸素カプセル.jpg
けっこう窮屈です。

このように数人が一度に入れる大きなものもある
sensui02_02.jpg
これの方が楽そうだな・・・

HBOの有効性に関しては多くの論文が出されているが、日本高気圧環境・潜水医学会の学術委員会から2014年3月に発表されている「高気圧酸素療法 エビデンスレポート2013 高気圧酸素治療の科学的根拠に基づく臨床的研究」
が参考になるだろう。

HBOはもちろん突発性難聴だけでなく、潜水病、ガス壊疽、脳梗塞、腸閉塞等々いろんな疾患の治療に用いられている。この論文ではそれら各疾患に対する有効性をこれまでに行われてきた臨床研究のうち信頼に足るものだけを基に検証している。


結論を先に言ってしまうと、
「突発性難聴に対する高圧酸素治療の効果は複数のRCT(後述)で有効性が示されており、(ステロイドなどの)他の治療法と比較しても最も有効性の高い治療法と考えられる」
ということになる。

わかりやすく解説を加えると以下の様になる。

果たしてある治療法が有効かどうかを調べるにはどうしたらいいか? これは極めてむずかしい。
例えば100人の患者にある治療を行って30人が治癒したとしても、それだけではこの治療法は有効であるとは言えない。病気というものは治療しなくても自然に治る人が相当数いるのが普通だからである。
従ってある治療法が有効か否かを判断するには、その治療を行わなかった人達と行った人達との間で治った人の割合を比べる必要がある。
HBOの場合で言えば、HBOを行わなかった患者100人(対照群)と、HBOを行った患者100人(HBO群)との間で治癒率に差があるかどうかを比較する。もしHBO群の治癒率が対照群の治癒率に比べて、偶然の範囲を超えて高かった場合(これが大事なところ。偶然に起こり得る誤差範囲の差では有効とはいえない。「有意差がある」とは、偶然の範囲を超えているということである)に限りHBO治療は有効であるということになる。ただし対照群と治療群とでは重症度や年齢等が偏らないようにランダムに振り分ける必要がある。
「ランダムに」ということは研究者の意図が入らないようにということである。「この患者は軽症だし高圧酸素治療までやらなくてもいいだろう」などと恣意的に振り分ければ、結局重症例ばかりがHBO群に入ってしまう。これではHBO群の治癒率を対照群と比較することに意味が無くなる。
ランダム化するためには、例えばカルテ番号の末尾が偶数なら対照群に、奇数ならHBO群になどといった患者の状態に左右されずに振り分ける方法が採られる。
これがRCT(Randomized Control Study ランダム化比較試験)である。RCTによらなければ治療の有効性を正しく判断できないというのが医学の常識である。

さてこの論文では、Cochran review(世界中の臨床研究、特にRCTを中心に総合的に評価するシステム)によって行われた7つのRCTの解析結果を引用している。その内容は

・2つのRCTにおいては聴力閾値の25%以上の改善(例えば60dbまで聴力閾値が上がっている患者が45db以下に改善)をカットオフ(有効と無効の境目)とするとHBO群で改善した患者が有意に(=偶然の誤差以上に)多かった。
・4つのRCTにおいてはHBO群では対照群よりも平均して15,6dbの有意な聴力改善がみられた。

の2点である。このことから、7つのRCTのうち6つで高圧酸素治療の有効性が証明されたことになる。ただしこれらのRCTはいずれも発症14日以内に治療を開始した症例を対象としている。

一方ではほとんどの耳鼻科医が第一選択として使用するステロイドはどうだろうか?これもCochran reviewの評価を引用している。
ところが世界中の文献を探しても評価に耐えるRCTが3つしか無いそうである。これは私も少し驚いた。そのうち1つのRCTではステロイド治療群に有意な改善が証明されたが、他の2つのRCTではステロイドに有意な治療効果を認めなかったとしている。ステロイドは突発性難聴に対して充分な検証が無いまま何となく今まで使用されてきているのである。

さて他の薬剤についてのRCTについても言及した後に、著者は
「突発性難聴に対する高圧酸素治療の効果は複数のRCTで有効性が示されており、(ステロイドなどの)他の治療法と比較しても最も有効性の高い治療法と考えられる」
と結論づけている。

もうここまで読めば、「突発性難聴にはHBOは無効」などという主張は通りようが無いだろう。むしろ何よりも優先して行うべき治療と言ってもいいぐらいだ。
ステロイドを使用することに反対はしないが、そのために貴重な時間が過ぎていき、より科学的裏付けのある高圧酸素治療の開始が遅れてしまうのはどう考えてもおかしいのではないだろうか?
続く・・・






Last updated  2015.05.23 22:14:40
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2015.05.20
カテゴリ:突発性難聴体験記
昨年11月に開催された、第59回日本聴覚医学会学術講演会のプログラムをみつけた。2日間に渡って196題もの演題が発表されるけっこう大がかりな学会のようだ。

日本聴覚医学会という名前から推察して、多くの突発性難聴に関する演題があるのかなと思いきや、196題中たった6題しか無い!全演題のわずか3%!そのうちの2つはこのブログでも紹介した、岡本秀彦氏の病側耳集中音楽療法に関するものと、京大の中川隆之氏らによるIGF1を用いた治療に関するものだ。

この2つの講演にしても、質疑応答を含めてたった15分間の発表時間である。あれほどの画期的な内容なら、特別講演としてそれぞれ1時間ぐらい時間を取ってもいいぐらいだと思うのだが・・・「耳鼻科学会」じゃなくて「聴覚学会」だろう?研究者の間ではそれほど突発性難聴はマイナー分野なのだろうか?こんなにたくさん患者がいて苦しんでいるというのに・・・









Last updated  2015.05.20 22:03:34
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