フィギュアスケート男子FS その1 inバンクーバー
3回連載です(笑) その1はメダリストについて。 まず、高橋大輔選手、銅メダルおめでとうございました。 4回転転倒からの立て直しの早さ、 その後のジャンプの素晴らしさ、 緊張に負けることなく、いつも通りの濃密なステップと 表情の豊かさでもプログラムを表現したのは、 演技構成点1位という結果に表れています。 スピンがいつもより少し勢いがなかったのは…見なかったことにします。 4回転が4回転認定での転倒ではなく、回転不足の3回転転倒だったことは少し悔やまれますが、 SP90点超えでFSを迎えられたからこそ挑戦できたのだと思います。 周囲からは4回転回避という声もあったようですが、 悔いなく五輪の舞台を滑り終えることができたことが何よりだと思います。 最後の五輪と高橋選手自身は仰ってますが、 まだまだ彼の滑りを観たいです。 彼のプログラムにはドラマがあり、 その滑りには柔も剛も兼ね備えた美しさがあります。 是非、その滑りで世界選手権の金を目指してほしいです。 金銀銅の順位については、私は順当な評価であったと思います。 金のエヴァン・ライサチェックは 女子でいえばキム・ヨナタイプの作戦と取ったのだと言えるでしょう。 確実にできる技を、確実にこなし、GOE(出来栄え点)を稼ぐ。 濃密な隙のないプログラム構成でステップとスピンの取りこぼしをしない。 これを突き詰め、五輪のプレッシャーに負けずに滑り切ったのです。 4回転論争でクワドレスチャンピオンと呼ばれたりもするでしょうが、 4回転だけがフィギュアスケートではないという彼の言葉の通り、 (トリノの銅メダリストで元世界チャンピオンジェフリー・バトルも同様のことを言っていました) 決して内容の薄い演技ではなく、 プログラムとしての完成度はナンバー1でした。 SP、FS共に会心の出来、完璧なものを揃えられた彼は 恥じることのないチャンピオンだと思います。 銀のエフゲニー・プルシェンコ、 佐野稔氏に「(復帰なんて)余計なことを」と言われたり、 「もうええやろ」とフィギュアファンにも言われたりしてましたが、 (私自身もファンだけどちょっと思ってしまってました。) 彼が戻ってきたことによって今回の男子シングルは 非常に高いレベルでの戦いになったと思うのです。 序盤の4-3のコンビネーションは流石でした。 しかし今日の彼は本調子ではない軸の曲がった彼らしくないジャンプでした。 それでも全てのジャンプを着氷しきったのは流石王者です。 膝の痛みにブロック注射を打ちつつでたのだと聞きます。 ステップやスピンも最終グループの選手の中では多少見劣りはしたものの、 ロシア選手の中では一番でしたし、 (ロシア男子はステップスピンに力を入れる必要があると思います。) ちゃんと今の採点に照準を合わせたハードな練習をこなしてきのだと伺えました。 何よりも最後の投げキスとキスクラでの納得した穏やかな表情に、 彼の五輪とフィギュアスケートに対する愛を感じました。 本当に心から4回転の流れを止めないために復帰したのだと。 ちなみに、巷では「一度引退して復帰」と何度も何度も言われてますが、 彼は一度も引退するなんて言ってませんよ? あくまで「休養」です。 去年も一昨年も今年こそ復帰するかもとファンは期待してましたし、 上位選手は戦々恐々としてました。 まぁ、前年度の世界選手権に出ず、枠を若手に取らせて、 その枠の一つをかっさらっちゃたのはずるいと思いましたけど(笑)。 暑苦しいままその2に続きます。 その2は入賞選手について。参考URLISUリザルトhttp://www.isuresults.com/results/owg2010/SEG002.HTMオリンピック公式サイトリザルトhttp://www.vancouver2010.com/olympic-figure-skating/schedule-and-results/men-free-skating_fsm010101eh.html