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カテゴリ:料理 つぶやき 日記
![]() マスターSIN 4 さほど男前でなくとも、相手の心を開くことができればなんとかなる 悩みを聞くだけ それは、無理やりでも良い 印象を残せる気の利いた台詞を言えれば尊敬もされる マスターというブランドは、限られた空間の中ではあるが帝国を築く事もできる 主はわたし、『浮気の概念を捨てた男』 居酒屋の全盛期だった中、カフェバーのオープンに携わることができた 朝6時からの店舗デザインの仕事を終え、夕方5時入りし深夜3時まで、南国をイメージした別世界のマスターになる 女は家の中に居るもの 汚れた水商売の女 まだ、そんな風潮が残る小さな街で、夜に見かける女性たちは冒険者だと言ってよい 会社は接待費でお金を落とし、土建業や漁師の男たちも羽振り良くボトルキープは当たり前の時代![]() ディープインパクト K 2つ3つ年上の女性Kは、お洒落だけど中身は地味で素朴さが伝わる 当時は気付かなかったが、素敵な女性だったと言える 10代、20代の女性たちがキャッキャッと騒々しい中で、その落ち着きが大人に見えた 化粧品のCMでキャッチフレーズになっていた「25歳は女性の肌の曲がり角」みたいな事を気にしていた それがkのコンプレックスだったように思う 「気にするほどでもないよ」言ってあげたかったが口にする事はなかった それより、結構な遠方からのご来店らしく、ルート次第では交通費もバカにならない 女性は事務員=お茶くみ の扱いが多く社会問題にもなっていた頃で都会のアルバイトに毛が生えたようなもの、店に来てくれるだけで感謝していたし大切にしようと思っていた ![]() このカフェーバーは、目隠し程度の仕切りが売りのテーブル席がメインになる 個室ではないが、パーティションや観葉植物でプライバシーを守る作りにしてある カウンターからも見えにくいため、下げものがないか?巡回をする 「マスター若く見えるけど幾つ?」 歳当てをしていたらしい 「ほら~、やっぱり」 その中にKが居た おそらく?だけれど、Kは自分から男に話しかけるタイプではない様だったので大きな切っ掛けになったのだろう?オーダーや化粧室に行く機会に時々声を掛けてくれた K「忙しいですね」 けれど、私にとっては かけがえのない女性 として、今でも胸を締め付ける「大変ですね」 不器用だけど好感が持てた 正直、Kとの会話は鮮明でなく感覚的で、経緯も定かではない カウンター席は、常連が座る聖域で敷居が高く、そこを仕切る私も一目置かれる存在になる 上から目線で言うと、マスターと話ができるのは、閉店前のラストオーダーが終わった頃 Kも、見計らってカウンター席に座る一人になった最初は、のんちゃんと一緒だったと思う ノンちゃんはマリッジブルー? ![]() 可愛いノンちゃんがフィアンセを連れてきてカウンターに座った 「結婚するまでは自由にさせて欲しい」と言っていたようで、ノンちゃんが通いたがる店 その様子を見に来たらしい フィアンセは私の同級生の兄だった それなりに話が盛り上がり、ノンちゃんはフィアンセからカフェバー南太平洋のパスポートを手に入れた そんな、ノンちゃんとKが店で知り合ったのか?同伴で来たのかは覚えていないが、気づくと二人は仲良しコンビになっていた パスポートを持つノンちゃんは、必ずカウンターに来るようになっており、Kもセットで席につく お喋りなノンちゃんの横で、いつだって穏やかで優しい目をしていたKだった 私にとっては、すっかり常連のKだったが、控えめなのには変わりなかった 連れが先に帰ってしまうと、ようやくカウンターに来る K「座ってもいい?」 「ここ座ろうかな?」 「こっち来ていい?」 喋りは淡々としていて少しスロー 自分の話をするわけでもなく、質問が多かった記憶がある 彼女は控えめな女性 余計な事を言わないだけでなく、必要な事も言わない そんな時に役立つのがマスターの奢り 「いつも遠くからありがとう!ほんの感謝の気持ちです」 と、差し出すカクテル その説明をしながら軽くツマミになるものを出す 「良かったら、一緒に食べて」 特別扱い的な事や秘密の共有は、人間関係には欠かせない Kの事は、住まい地区と職場 「不倫相手と別れた」 ような事を聞いた記憶になっている いずれにしても、癒されていたのは私だと思える ![]() 時系列は曖昧だが、Kが女性の同僚を連れてきてくれた 品定めされている感じがした それを機に職場を訪ね差し入れをした事も有る 制服姿が似合う大人の女性 背が高く足が長いスレンダー女子Kは、遠目でも目立っていた 良く通る幹線道路沿いに位置する会社なので、素通りする度にKを思う 「頑張ってるんだろうなぁ」 「今日は、休みか」 「いつ来るんだろう?」 会社の敷地に出ていたことが有り、軽くクラクションを鳴らし手を振った 恥ずかしそうに手を振るKの横で女性の同僚が笑っていた 関係を持った経緯(いきさつ)は覚えていない 自然だった気がするが、甘く切ない時間だった 実は、若くしてED(Erectile Dysfunction : 勃〇障害)だった私は、S〇Ⅹが怖かったり、やたら我武者羅だったりと異常だった 人生終わりと思い、スレた20代だった そう言った理由で、自分を取り戻そうと?否、取り戻せる切っ掛けになる女性としてKを選んだのだと分析できる Kとは、カフェバーのクローズで会えなくなった 卑劣なオーナーとの言い争いで即日辞め 1年も満たなかった その後、数年かおきにKの姿を見る 不思議だ そしてKは、いつだって微笑んでいる あの時カウンターで質問され、応える私を見ている優しい顔 忙しく動きまわる私を追う視線 最期に見かけたのは10年くらい前だったろうか? 若くて美しいままだった
老婆と一緒で相変わらずの笑顔だった まだ、独身なのだろうか? 「私を憶えてる?」 「忘れてる?」 「私は大丈夫」 と、言ってくれているようだった ![]() 私にとっての出会いは「来るものは拒まず、去る者は追わず」だった Kは、どちらでもない ただ、「私を受け入れてくれた」としか思えない 浮気の概念を捨てた男 EDによるS〇X依存症なのかも知れない そうだとしたら、とんでもない罪を重ねてきた事になる ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023/08/04 09:22:51 PM
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