文芸評論と漫画評論

2007/11/25(日)15:29

まほろ駅前多田便利軒、三浦しをん著

文芸評論(194)

行天の行動に仰天 便利屋の多田のところに転がり込んだ、行天の変人ぶりが傑作。 この行天という人は、行動が予想もつかないだけではなく、無鉄砲だ。 印象としては、行動そのもの、および、人生そのものに対して、かなり投げやりだ。 その割には、おやっ?っと思う程、当を得た行動に出る時もある。 反面、オイオイと思わせる様な発言を繰り返す。 全体が、適当にコメディタッチで面白い。 ただ、単に面白いというのではなく、含蓄も多い。 物語は、多田と行天を、極端に対比させている。 その事によって、多彩な内容が、色とりどりに描かれている。 軽い感覚で読み始めたが、読み進むにしたがって、グイグイと引き込まれた。 コロンビア人(?)のルルのセンスの「悪さ」も、なかなか面白い。 最終場面の、こんな幕切れは、妥当なのか?その逆なのか? 印象に残る作品だ。 チワワのハナちゃんは、元気だろうか?

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