文芸評論と漫画評論

2008/02/16(土)23:48

大誘拐、天藤真著

文芸評論(194)

面白い! 本書は、想定および展開が極めて派手で、驚きの連続だ。 何と、身代金百億の誘拐事件だ。 身代金目的の誘拐と言えば、弱者である子供が狙われる事が多いが、大金持ちの刀自に目を付けるところから驚く。 しかし、この誘拐犯達は割合紳士的で、本当の悪党ではないな、と感じさせられるので、安心して読む進む事が出来る。 さらに、主導権を握っているのは、誘拐犯達ではなくて、刀自の方だというところが傑作。 それにしても、百億もの現金を、どの様にして授受するのか?という疑問は誰しも持つ。 そして、この身代金目的誘拐劇は、本質的な意味で、成功するのだろうか? これらの事に対しても、最後の最後まで、引き付けられる。 そして、読後感は爽快そのものだ。 身代金目的の誘拐という、卑劣な犯罪ではあるのに、少々笑ってしまう。 読み始めると、止まらなくなるので、ご注意を!

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