2008/02/28(木)22:25
誘拐ラプソディー、荻原浩著
ギャグ誘拐
物語は長編ながら、割合一気に読み上げられます。
何故なら、内容と展開の両方がギャグっぽくて、かつ、軽妙だからです。
誘拐自体のちぐはぐさには、笑ってしまいました。
しかし、子供の境遇と教育には、考えさせられるものがあります。
後半は、段々と話が複雑になってきて、奇妙な構図が浮かび上がってきます。
収集がつかなくなってくる感すらありますが、終盤には、物語は、きっちりと収束します。
物語自体に、漫画的なノリを感じました。
暴力団親分などの、設定そのものが、娯楽フィクション的です。
しかし、その「娯楽フィクション性」こそが、真髄だとも、感じます。
いかにも、著者らしいです。
大部分は笑い、時に、しんみりとします。