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カテゴリ:ブランディング・マーケティング
日本のテレビや新聞では、日本企業の「中国市場進出」を毎日のように報道しています。
そして、成功例として良く挙げられるのが上海のコンシュマ市場でうまく行っている日本企業です。でも、上海市場での成功が、中国市場での成功を意味するものではないことは明らかです。 私に言わせれば、「上海は中国ではないから」です。 中国市場は日本のように均質的なものではありません。よく言われる沿岸部と内陸部の「経済格差」が象徴するように、多様な市場なのです。実はアメリカなどもそうなのですが、中国は最も多様で多面的な市場と言えるでしょう。 その多面性は「都市部と農村部」「沿岸部と内陸部」などと簡単に整理できるものではありません。同じ地域においても経済的格差は日本と比べ物になりませんし、学歴や民族による志向性の違いも日本以上に顕著なわけです。 いまの上海(区部)は、日本企業にとっては比較的攻めやすい市場です。 まず何よりも経済力が高い、つまり購買力が強い、ということ。そして対外的に開放的な人たちが多い土地柄で、革新的なものへの受容性が高い、と言うことでしょう。中国では最も合理的(日本人的には)に仕事を進められる地域でもあるのです。 ですから、日本企業の多くは、まずこの上海を攻めようとします。上海で成功すれば、次は北京でも成功するだろうし、沿岸部の都市でも成功するだろうし、いずれは中国全土を制覇できるだろう、と。 しかし、上海での成功例が、中国の他の市場に活用できるかと言うと決してそうではないと思うのです。多くの中国人にとっても、上海は中国を代表する地域ではないのです。上海での評判が中国全土で受け入れられるわけではありません。 上海の人口は周辺の農村部を入れて2,000万人弱です。農村部を入れずに周辺の都市部を加えても3,000万人程度です。これでは中国の全人口の1.5%にしかなりません。経済力が強いと言っても上海市のGDPは中国全体の5%以下です。 中国市場の魅力は、13億人という人口と、膨大な数の人民の経済力が、当然個別の格差はあるにせよ、上昇方向に向かっている、と言うことでしょう。 ですから、その魅力を満喫するには、上海制覇からではうまく行かないような気がするのです。 60年前のことを考えてください。点と点とによる制覇が、中国では成り立たないことを教えてくれていると思います。 上海市場でうまく行っている、と言っても、それは香港かシンガポールで商売しているのと同じようなものであって、中国市場でうまく行っているわけでは無いと思うのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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