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カテゴリ:OHTERS
北京に現地法人がある日本企業では、日本の本社の社長や会長などのトップや役員クラスの方が、北京に来られる機会が多いはずです。
トップの訪中目的は、政府の要人や幹部、JV相手などの中国側パートナー、取引先などのトップとの面談が中心でしょう。 駐在員の日頃の苦労を理解するために訪中する日本の会社のトップなど、中小企業を除けば稀でしょう。大企業のトップともなると、北京の現地法人のオフィスに立ち寄ることなく帰国してしまうことも多いでしょう。 日本の大企業のトップであれば、中国政府或いは北京市政府の幹部から間違いなく歓待されます。恐らく「朋友(親友)」と呼び掛けられ、「日中友好の架け橋」と美辞麗句を並べ立てられ、立派な宴会にご招待されるでしょう。 政府関係でなくとも、中国側パートナーのトップからも同じように歓待され、協力関係の更なる発展を確信することになるでしょう。 こうした訪中により、日本企業のトップは気分良くし、「中国側は皆歓迎している」「協力関係は万全だ」と言う想いを強くする場合が多いわけです。 苦戦を伝える現地からのレポートが、まるで改ざんでもしているかのように、「中国側は皆うまくやろうとしている。うまく行っていないのは現地での対応に問題があるのではないか」などと、トップから叱責されてしまうことにもなりかねません。 現地のビジネスの現場は、日本から来たトップが思ったほど順調には行かないケースが多いのです。許認可申請がうまく進まなかったり、JVの中国側パートナーが日常業務においてはあまり協力的でないようなことは、良くあるケースです。普段のビジネス相手は同じ組織であっても別な方です。 大臣クラスや北京市長や中国の大企業の総裁の皆さんは、日本企業のトップが訪中するから顔を出すのであって、現地法人の責任者であっても日常の商談ではお会いできないような方々なワケです。 中国側のトップが日本企業のトップを歓待するのは、別に騙すつもりでないはずです。総論として「熱烈歓迎」の意を中国側を代表して表しているのだと思います。ただ、各論になれば双方譲れない難題も出てくるのです。まして、中国政府の出先機関では、組織より個人の判断が優先する「人治主義」がいまだ蔓延っているのですから.... 現地法人を任されているにしても、こうした事情を日本に居る本社のトップに理解してもらうのは、たいへん難しいことです。こうした意識の乖離とそれに伴う問題を小さくしようと、本社役員クラスを北京に送り込む上場企業も増えてきていますが、大企業で決定権を行使できる役員であっても北京に居ついてしまうと「友遠方より来る」的な歓待は期待できないのが現状です。 日本の政治家のセンセイたちも、北京に頻繁に来られるのですが、中国側の歓待と総論としての「日中友好」論に気分を良くして帰国していくだけです(産経新聞社の古森義久氏も記事や著書の中でこの点を指摘しています)。 北京を訪れる大企業のトップの方は、ぜひこうした事情を理解した上で、適切な対応を考えていただきたいと思います。 また、中国で頑張っている日系企業の皆さんは、はるばる日本からやってくるトップの方に、できる限り、中国ビジネスの現状を理解してもらえるような工夫をしていく必要があると思います。 将来的には、中国ビジネスのあらゆる権限を現地に委譲すること、そして日本の本社トップがビジネスのために北京を訪れなくとも良くなること、なのでしょうが、これはなかなか難しいようです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.11.15 17:48:34
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