|
カテゴリ:中国の日本企業・日本人
いまから3~4年前、中国で日本企業はバッシングの矢面に立たされていました。最近は、日本企業もだいぶ心得てきているのか、トヨタや日本ペイントの広告に対するイチャモン事件くらいで、随分少なくなりました。
消費者訴訟を起こされ、中国で大きな話題となった4例を紹介します。 [東芝ノートPC事件](萬晩報の論評) 2000年初頭、東芝のノートPCは中国で2割を超えるシェアを誇っていた、今は昔のお話です。中国で販売されていたノートPCと同タイプのディスクドライブを装備していた東芝のノートPCに不都合があるということで、1999年アメリカで集団訴訟を起こされていたのです。東芝はアメリカで10億ドル以上の和解金を支払ったと言われています。 この話が中国にも伝わり、同タイプのノートPCを購入した中国の消費者が、「我々にも賠償金を支払え」と騒ぎ始めました。東芝としては、「訴訟王国のアメリカは特殊例であって、実際に起こるエラーは極めて稀なので、中国では賠償金は支払わない」、と言う姿勢で臨んだのです。中国のマスコミは「中国人を騙している」と一斉に反発して大ごとになりました。 東芝は北京で記者会見を開き、冷静に説明しようとしましたが、これが逆効果になってしまい、各地で訴訟沙汰になってしまったのです。 [キヤノン趙薇事件] 同じく2000年、東芝が火をつけた日本企業への不信感が、キヤノンへと飛び火してしまいました。しかも今度は販売した製品に対してではなく、無料で配布した販促用CD-ROMに対して、バッシングが始まったのです。このCD-ROMにはキヤノンが当時広告で起用していた大陸のビッグ・スター趙薇(ヴィッキー・チャオ。当時は駆け出しの新人でした)が登場するのですが、彼女のプロフィールに「いままで訪れたことのある国家」という項目があって、そこに「台湾」と書いてあったのです。 ご存知の通り、中国では台湾は国家としては認めていませんから、「中国人民の感情と愛国心を著しく傷つけられた」消費者の一人が10億円強の慰謝料を求める損害賠償を起こしたのです。この事件もネット上だけではなく、中国のテレビや新聞で大々的に取り上げられました。 [三菱パジェロ事件](GoldNetの記事) これについては日本でも言えちゃうかもしれませんが、ブレーキ等の欠陥で発生したと思われる事故に対して、三菱側が誠意を持って応えなかった、という事で、2001年2月中国当局はパジェロの輸入を禁止にしました。 「また日本企業」ということで、マスコミとネット上で格好のネタにされたことは、言うまでもありません。 [日本航空782便事件](GoldNetの記事) 日系の航空会社は、中国から日本経由で米大陸に行く顧客の取り込みを図っているので、北京-成田便には結構トランジット客が多く乗っています。2001年1月北京から成田経由で米大陸に向かう中国人乗客を乗せた日本航空782便は、天候不良のため関西空港に着陸するハメになってしまいました。成田では当日トランジットができないので、成田以東に向かう乗客には成田での食事と宿泊がつく予定になっていました。ところが、不本意に関西空港に着陸してしまったため、そうした準備が整わなかったようです。それでも東京方面に向かう予定の日本人乗客には交通費を支払い、米大陸へのトランジット客のために、なんとかホテルを確保することもできました。ところが、中国人(中国のパスポートを持っている)乗客のみ、空港施設から出ることを許してもらえなかったのです。 入国管理上の問題だったようですが、欧米人には遅ればせながらホテルと食事が用意されているのに、同じお金を払っている中国人乗客は、空港施設でろくな食事も与えられないまま一晩過ごすことになったのです。 用事を済ませ中国に戻った中国人乗客が、「人種差別」として日本航空を訴えたのは言うまでもありません。 この問題は翌2002年春まで解決を待つことになります。当該便の中国人乗客に相当額の和解金を支払い、乗客とマスコミを人民大会堂に招き、和解式を執り行って、一応シャンシャンとなりました。 キヤノン趙薇事件は、NIKIやトヨタの広告問題に近い話だと思います。中国のビジネスに関わる以上、「国家」は「国家または地域」と「台湾」「香港」は「中国台湾」「中国香港」と言い換えるくらいの癖を日頃からつけておく必要があります。社内利用と思っても、統計データや地図などの類には、注意を怠らないほうがよろしいでしょう。 しかし、これ以外の3事件は、いずれも「サービス」絡みが原因の事件です。 かつて、日本ブランドの製品は品質が高く、日本企業はサービスが良い、と言われていました。しかし、ここ数年の間に、韓国や中国ブランドの製品も、値段の割りに品質が高くなりました。競争の激しい業界・業種では中国企業のサービスの質も格段に向上しています。パソコンを購入すれば、無期限・無制限の無料オンサイトサポートは当たり前、と言う状況になっているのに、日本ブランドは「持ち込み修理」だったりします。しかも、そうした故障品を持ち込まなければならないサービス・センターの数も少ないのです。大都市に1箇所くらいずつしかなかったりします。中国の大手ブランドの家電製品を買うと、同梱される一覧表に掲げられたサービス網の極め細やかさに唖然としてしまいます。 劣悪な品質の製品に悩まされてきた中国の消費者にとって、「壊れるのは当たり前」と言う意識が残っています。ですから、「壊れた時どうしてくれるの」と言うのが重要なのです。品質が向上し、容易く壊れることが無くなった家電やIT製品かもしれませんが、いざと言うときにしっかりしたサービスが提供できないと、確実に評判を落とす結果になります。 もちろん、運悪くこうした消費者問題が発生した場合のへの対応、特に初動は極めて大切なのは言うまでもありませんが、またの機会にと言うことにしておきましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.12.13 16:03:48
コメント(0) | コメントを書く
[中国の日本企業・日本人] カテゴリの最新記事
|
|