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北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

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2004.12.23
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カテゴリ:日本と中国の関係
台湾の李登輝さんに日本政府がビザを発給したことに対して、中国側はトップ・アラートに近い反応を示しています。中国側が日本側に絶対譲歩できないのは「台湾」と「靖国(歴史)」問題でしょう。現体制の根幹に関わる問題だからです。日中どちらに道理があるかは、様々な意見があるので棚上げしますが、こうした両国間の関係悪化は、当然ながら中国ビジネスにも影響を及ぼすことになるでしょう。

最近までは、「政治関係は冷めていても経済関係は熱い」つまり経済行為で両国ともメリットがあれば、いいんじゃないか、と言う経済論理優先の考え方が、両国ともに支配的でした。ところが最近になって、「政治関係の悪化が、経済関係をも冷やすことになるだろう」と言う警告めいた記事が中国マスコミに掲載されました(中国情報局)
それでは、日中間の政治的関係の悪化が、中国ビジネスにどのような影響を及ぼすのでしょうか?中国でビジネスを展開する日本企業の場合に絞って、直接的な影響を挙げてみたいと思います。

第一に挙げられるのは、日本ブランド製品の不買、購買意欲の低下でしょう。新華社や人民網など中国では権威あるニュースサイトには、李登輝さんのビザ発給問題に関して読者の意見を問うBBSが開設されています(新華社ネット:中国語)。中国政府の対応の甘さを指摘する書き込みが削除されずに掲載されている中で、やはり目に付くのは「日本製品不買」という、具体的に消費者ができる行動を呼び掛けるものです。こうした書き込みをするのは、どの国でも過激な意見を持った一部の人ではありますが、こうした過激な人たちに先導されなくとも、政府間同士ギクシャクしている日本ブランド製品の購入は敬遠しようと思う気持ちが、「愛国心」の強い(!?)中国の消費者には出てくるのは確実でしょう。
いくらお金をかけてブランド・ビルディングに躍起になっても、日本国籍というだけで、マイナスの印象を持たれてしまう事にもなりかねないのです。

第二に、政府絡みの許認可がスムースさを一層失う、と言うことが考えられます。新製品を製造するにしても、それを販売するにしても、中央政府や地方政府の関連部門の許認可が必要です。広告表現や販売促進活動を行う場合も、厳密には許可を得なければなりません。元々こうした許認可プロセスが不透明であったり、スタンダードが曖昧だったりすることが、中国ビジネスの面倒なところなのですが、政治的関係の悪化によって、一層スムースで無くなっていくことが予測されます。
政府上層部が「日本企業には厳しく対応しろ」と言うような「お触れ」を出すことは、まず無いと思います。もし、そんなことになったら両国間は一層危機的な情勢になるでしょう。ただ、人治国家と呼ばれる中国の許認可は担当者の腹積もりに影響される場合が多いのです。どこの国でもお役人さんは保守的な方が多いですから、反日感情が高まりから、日本企業には意地悪してやろう、と思う人も出てくるでしょう。
新製品販売、資金調達などの許認可がなかなか当局から下りない、ことを覚悟しておいたほうが良さそうです。

お役人関係で付け加えれば、昨年広東省の珠海で日本人の買春行動が取締りを受けたように、通常なら大目に見て見逃してもらえるような問題でも、こうした状況だから日本関係には厳しく対応しよう、と言う方向にもなることも予測されます。これは当然ビジネスの世界にも現れるでしょう。本来許認可が必要でも、日常的には許認可無しで実施してお咎めを受けないような経済行為でも、摘発を受けてしまうかもしれません。

企業間取引きに対する影響は、比較的少ないのではないか、と私は思います。お金儲けの上手な中国人ほど、経済論理優先でコトを進めたがります。中央政府や共産党とよほど強いパイプを持った経営者がいる企業でしたら別でしょうが、政治的関係の悪化が、企業間取引きに直接的打撃を与えることは少ないのではないでしょうか。
ただ逆に足元を見られる可能性は充分にあるわけで、商談にあたって一層の注意が必要になるでしょう。

先日私が指摘した「中国ビジネスにおける<2005年問題>」がちょっとだけ前倒しでやってきた、と言う感じでしょう。予測される最悪のケースを考慮しつつ、中国でのビジネスを進めていく必要があるでしょう。





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Last updated  2004.12.23 16:36:21
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