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カテゴリ:ビジネス習慣
中国ビジネスは"贈り物"が欠かせません。これは賄賂やバックマージンとは別で、一種の"儀式"ですから、会議や会食など公の席で堂々と授受が行われて然るべきです。日本のお中元やお歳暮に近い習慣だと思うのですが、ある意味で日本よりは合理的だと思います。
日本の場合、取引きの状況に関わらず、去年贈ったから今年も、みたいな感覚があります。長い間会っていない相手に、年1回・2回の義理として"付け届け"をして関係を保とう、と言う意味合いもあります。ですから、相手に直接手渡さず、宅配便で届けても、特に礼を欠くことにはならないでしょう。 ところが中国の場合、ビジネスの節目・節目で"贈り物"をする場合が多く、お会いする機会に直接手渡すことが原則です。お正月だから贈る、というのではなく、初めて会ったときや契約がまとまったとき、久々に相手方を訪ねるときときに贈る、と言う感じでしょうか。そして、両者間の物理的距離が遠ければ遠いほど"贈り物"は意味を持つようになります。ですから、日本から中国に商談で訪れるような場合、"贈り物"つまりお土産は不可欠と言えるでしょう。もちろん、毎回必要というわけではありません。外国からの来訪者の場合、最初のお土産が重要になってきます。 商談や交渉のため日本企業の重役が中国を訪れ、中国企業や政府機関と初めて打ち合わせを行う場合、お土産は不可欠です。もちろん、多くの日本企業も中国訪問時はお土産が必要と認識はしてはいるようです。 それでは、日本から代表者がやってくるような場合のお土産はどんなものが喜ばれるのでしょうか。 最も喜ばれない確率が高いのは、その会社で用意してあるノベルティ(記念品)の類でしょう。 ロゴ入りの高級腕時計、高級ボールペン、システム手帳、置物など、多くの日本企業では主として日本国内の取引先に贈るためにノベルティを用意しているはずです。そうしたノベルティにはその企業のトップの想い入れなどもあったりして、贈る側としてかなり自信があったりします。既に在庫があるので、わざわざ買いに行く必要も無いですから、便利でもあります。 でも、会社のオリジナル・ノベルティ(記念品)は、きっと中国側の顰蹙を買ってしまうでしょう。自分で貰ったときの事を想像してみてください。どこかの会社のロゴ入りのノベルティなんて、大事に使ったりしないはずです。中国でも、多くの会社がロゴ入りノベルティを作ったりしていますが、"贈り物"というよりは、その他大勢の方への"粗品"という位置づけです。何百人も集まる会議などで、一斉にバラ撒くお土産、と言ったイメージですから、重要な商談の取っ掛かりには、高級で自慢の品であっても、相応しくは無いのです。まして、Tシャツやタオルだったりしたら、最悪です。 次に間違いを犯しやすいのが、自社製品です。自動車や家電やデジタル製品でしたら、それは喜ばれるでしょうが、そうでなければ避けるべきです。特に単価で1,000円以下の消費財であれば、お土産ではなく、バラ撒き用に大量に用意するか、サンプルという位置づけでお渡ししたほうがよろしいかと思います。 お菓子や特産物などの食べ物も、いくら高級で貴重だとしても、初対面の相手には避けたほうが良いでしょう。フカヒレや干し鮑のように中国でもポピュラーなものなら別ですが、中国人誰もがその価値を理解できるような日本の特産物はありませんから。 また日本の伝統工芸品、例えば日本人形や漆塗りの器など、高価であっても、相手の趣味や指向を知り尽くしていない時点では、お土産にするのは避けたほうが良いでしょう。特に陶磁器などは中国が本元と思われている工芸品には注意が必要です。 いずれにせよ、ウンチクを語って評価してもらえるような貴重品は、相手との関係が深まった時点で用意されたほうが効果的です。初対面の中国企業に、100g10万円の龍井茶をお土産でいただいても、多くの日本人は俄かには有り難味を感じないのと同じことです。 ここまで否定して、何が良いのか、と尋ねられると辛いのですが、現時点で一番確実なのは、日本ブランドの最新のデジカメかビデオカメラではないかと思います。もちろん、中国で使用できる製品で無ければなりませんし、同じ製品が中国で発売されているかどうかも確認する必要があります。中国で既に発売されている製品ですと、有り難味が半減してしまいます。私は日本の本社のお偉いさんが中国側の要人に会いに来るときは、型番まで指定して買ってきてもらいます。経費節減の折、高過ぎる、と言われたりしますが、だったらお土産は要りません、と突っぱねます。会社のありきたりの記念品を渡すほうがよほど無駄遣いに思えるからです。 仮に既に当人がデジカメやビデオカメラを持っていたとしても、最新モデルなら嬉しいでしょうし、家族や部下への贈り物として使い回しが効きます。極端な話、換金することも容易です。 お土産を渡す場面に、相手側が複数同席する場合は、同席者へのお土産も用意しなければなりません。同じものがベストですが、人数が多い場合はランク分けしても構わないと思います。概ね相手が5人以上でしたら、その場面で一番偉い方へのお土産だけに細心の注意を払い、ほかの方は数が足りれば良いくらいの気持ちでも良いでしょう。二番目に偉い方には、その方が主役となる別の機会に、一番のお土産をお渡しすれば良いはずです。なお、食事会のときなどは、運転手さんも同席したりしますから、当然その方も数に含めておく必要があります。事前のリサーチと余分目の準備は欠かせません。 相手側もきっとお土産を用意しているはずです。貰って嬉しいモノかどうかは別として、有難く受け取りましょう。これで"儀式"は完了です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.01.12 19:13:44
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