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北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

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2005.01.19
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主として日本から輸入した化粧品を中国国内で販売している上海カネボウの社員が出勤拒否をしているそうです((中国情報局)。出勤拒否の理由は日本人幹部社員による「人権侵害」とのことですが、このニュースと前後して、この日系企業が輸入品販売に必要なライセンスを取得していなかったことが発覚し、販売を一時中止した、との報道もありました(日経Web)。NHKニュースによると、日本の本社は必要なライセンスを取得しないまま販売を続けていた中国現地法人の中国人責任者を"更迭"したとのことです。

上海の出来事なので、現状の私は報道による情報しか得ていませんが、整理してみると次のようなストーリーが成り立つと推測しています。
(1)ライセンス無しで販売していたことに、ようやく日本の本社が気づいた (2)日本の本社は中国現地法人の中国人責任者を詰問し、更迭した (3)日本の本社が考える"コンプリアンス精神"により、ライセンス無しでの販売を直ちに中止した (4)更迭された中国人責任者に代わって、日本人責任者を送り込んできた -- と言う流れだったとすれば、なおかつ現地法人の社員の日本の本社に対するロイヤルティよりも、更迭された中国人責任者へのロイヤルティのほうが大きければ、販売中が自らの職(収入)に与える影響を考えて、"出勤拒否"の行動をとったことは、ごく当然のことと言えるでしょう。

仮にこうした流れによって生じた問題であるとすれば、例の如く、日本の本社と中国の現地法人との"温度差"が原因であると言えるでしょう。日本の本社が下した判断:(1)ライセンス無しの販売を直ちに中止する (2)中国人責任者を更迭する は、日本企業にとってごく当然のものだったと思います。日本の企業に根付き始めたコンプリアンス精神がそうさせたのでしょうし、責任を追及するのも組織としては不可欠でしょう。まして、日本では再生途上にあって
何かと注目を集める企業なのですから。

しかし、ライセンス無し販売については少なくとも4年間、表立った当局の摘発を受けずに済んでいたわけです。この会社の輸入化粧品の販売コーナーは、北京ですら一流デパート1階の非常に目立つところにあるのです。こそこそ売っていたのではなく、堂々と売っていて、当局のお咎めが無かった。このようなことは中国では当たり前なのです。フランスの著名量販店が正式な許可を得ず出店していたことが発覚したこともありましたが、長期間ライセンス無しで営業していましたし、厳しい処罰も受けず、その後も順調に出店を続けています。
日本的に考えれば、違法行為は直ちにやめなければならない。でも、中国的に考えれば他に方策が無くは無いのです。報道から推測するに、この会社は自ら販売を中止したわけですが、販売を続けつつライセンスを正式に取得することもできたかもしれません。それが無理だとしても、外部や末端の社員にできるだけ悟られない方法で販売を縮小して、正式なライセンス取得を待つ、ということもできたのではないでしょうか。

恐らく、問題の中国人責任者とそのスタッフはそうした対応ができたのではないかと思います。また、そうした対応を日本の本社に提言したのかもしれません。ところが、日本の本社はその中国人責任者を更迭してしまい、問題解決のために日本人幹部を送り込むことにしたのでしょう。
日本では公共放送の会長でさえも、「問題の解決を見届けてから進退を判断する」などとのたまうくらいですから、この中国人責任者にライセンスの問題の解決を委ねれば良かったのではないでしょうか。そして、問題が一応解決に向かってから、当人に責任を取ってもらうのか、引き続き頑張ってもらうのか、決めても良かったのではないでしょうか。恐らく、ライセンス無し販売の件は、日本の本社の中国部門責任者ですら長期間知らずにいたのでしょうから、いまさら現地に責任を押し付けるのもおかしな話です。

現時点で真相がつかめないのであくまでも推測によるものではありますが、遠く日本から日本流の判断で中国ビジネスに口を出すとこんな風になってしまうのではないか、と思うわけです。もちろん、日本人幹部が中国人社員に対して「人権侵害」を行っていたのかもしれません。そうした状態に近い日系企業が存在しているのも事実ですから。この話題は日を改めて触れてみたいと思います。





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Last updated  2005.01.19 13:48:00
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