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カテゴリ:日本と中国の関係
3月25日から愛知県で開催される「愛・地球博」。既にプレスや招待者向けの"内覧会"が始まっていますが、ちょっとしたトラブルも発生し、準備不足が心配されています。
準備不足といえば、「中国館」。どうも3月25日のオープン日には間に合いそうも無い状況のようです。 国際博覧会はほぼ5年に1度しか開かれません。グレードAの国際博覧会が日本で開催されるのは、1970年の「大阪・万国博覧会」以来35年ぶりです。次のグレードA国際博覧会は 2010年の「上海万博」になります。中国としては2008年の北京オリンピック同様に、ぜひとも成功させたいプロジェクトのはずです。 国際博覧会は、オリンピックと異なり国家や企業の経済活動の場そのものですから、政治的思惑も入りやすいのです。"次期開催国"の中国としては、この「愛・地球博」の場で、いろいろ学んだり、アピールしたいと願っているのは間違いないでしょう。 そんな思惑もあってか、「中国館」は国家パビリオンとしては最大規模の5モジュールでの出展になりました("モジュール"は環境負担軽減のため規格化された国家パビリオン向けのユニットで、1モジュールは18m×18m×9mです。5モジュール規模での出展は、アジアでは韓国のみ。あとはアメリカ、フランス、イギリスくらいです)。1,620平米の敷地に2層構造。"生命の樹"というモニュメントを軸に、「中華文明の旅」を映像を中心に見せていく趣向で、"紫檀斎"と名づけられた貴賓室も用意されるようです。 もちろん国家パビリオンですから、中国中央政府が音頭を取って出展の準備を進めているのですが、やり方はなかなか中国的です。北京市、上海市などの直轄市を始め、浙江省、広東省、大連市、青島市など日本と経済的な関係が深い14の地方政府に、それぞれ1週間ずつ"出し物"を用意させて、中央政府が"参加料"を徴収する、という仕組みです。「中国館」に"参加"する地方政府は、その地域の有力企業などに"出し物"や"参加料"を要請することになりますから、国庫や地方政府予算からの出費は多分役人の出張代くらいなもので、出展にかかる費用の大半は民間から拠出されるわけです。このあたりは、"国家事業"という免罪符のもと、巨額な血税を投入する日本政府とは異なるところです。 さて「愛・地球博」は3月25日正式オープンですが、「中国館」の正式オープンは5月19日と発表されています。この日は中国政府の代表などが来日して、「中国館」のオープニング・セレモニーが開催される予定です。それまでの間は、"正式"オープンされないようなのです。 中国のお店やレストランでは、正式オープン前に"ソフト・オープン"と言って試験営業を1ヶ月ほど行い、その後で正式オープンすることが多いのです。試験営業中にいろいろ問題点を解決して、正式オープンに備える、と言うのが表向きですが、実は内装工事が完成しなかったり、什器が揃っていなかったりして、とりあえず"ソフト・オープン"という形式を取る場合が多いのです。 「愛・地球博」の「中国館」もまさにそんな感じなのでしょう。中国政府の代表者が現地に赴くまでは、きっと"ソフト・オープン"のままで、試験開館しつつ、いろいろと整えていく魂胆なのでしょう。このあたりも、オープン前の関係者向けの内覧会でのトラブルさえも、ニュースになってしまう日本とは考え方の違う点です。 次期開催国・中国政府の代表者と言えば、胡錦濤さんか温家宝さんあたりがいらっしゃるのが一番だと思うのですが、いまのところオープニング・セレモニーに出席を予定しているのは外交部副部長(外務省副大臣)の武大偉さんらしいのです。フランスあたりは、シラク大統領がやってくるのに、お隣の中国は大臣クラスですらありません。武大偉さんは前駐日大使で、日本語も達者で、どちらかと言うと親日派ですけど、次期開催国の政府代表としてはちょっと役不足と言えます。 日中政治関係がギクシャクしたままで首脳外交はできないと言う現状に加え、「愛・地球博」に関しては訪日ビザ問題などいろいろ中国側が面白くないことがあるようで、こうなってしまったのでしょう。 「中国館」の中国政府側の実行委員会の責任者は高燕さんと言う方で、表向きは中央政府所属ではなく"民間の"「貿易促進委員会」の副会長さんです。彼女は日本での会見で、次のように発言しています。 「中国館は上海万博の情報を発信する場との位置付けています。地域文化、民族文化を紹介し、各地の都市生活を披露したいと思います。中国への理解が深まることを望んでいます。」 5月中旬以降、週替わりで各地方の伝統文化などを披露するイベントが開催されて、地域の民族文化などは結構楽しむことができそうですが、こうした状況で"中国への理解が深まる"かどうかは、少し疑問と言わざるを得ません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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