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カテゴリ:日本と中国の関係
日本の"右翼的"歴史教科書を支持する企業の報道が中国で始まったと思いきや、既に"不買運動"にまで発展してしまっているようです(中国情報局)。名誉顧問・中条高徳氏の"発言"が波紋を投げかけているアサヒビールが槍玉に上がっていまったようです。
そもそもこの方10数年前に現役を退かれたようで、その後『孫娘からの質問状―おじいちゃん戦争のことを教えて』などの著書を通じて、戦争時代を振り返る活動をされているようです。私自身この方の著書はまだ読んでいないのですが、自らのプロフィールに"陸軍士官学校60期生"と載せているようなので、戦争の"被害国"にとってあまり好ましい人物では無いかもしれない、と想像してしまいます。 いずれにせよ、元副社長で現名誉会長なのかもしれませんが、いまのアサヒビールにはほとんど関わりの無い方のようです。 終戦60周年で日中間の"2005年問題"が懸念されている今年は、中国で展開する日本企業の多くがいろいろ気を遣いながらビジネスを進めているのですが、それでも予期せぬところから"あら捜し"されてしまうという典型例でしょう。 最近、中国では反日の機運が一層高まっています。 まず日本でも大きく報道されていますが、日本の国連安保常任理事国入りに反対する動き。ネット上の署名活動に1,000万人以上が参加したらしいです(Asahi.com)。しかも、中国国内からのアクセスには重複が無いように管理されていた(中華網)らしいですから、中国インターネット情報センター(CNNIC)が発表した中国のネットユーザーは9,400万人(2005年1月)ですから、ネットユーザーの10人に一人は署名したという計算になります。日本の常任理事国入りに中国政府高官が繰り返し否定的な発言をしてきましたが、中国国内ではあまり大きく報道されてきませんでした。ですから、この1,000万人の署名は政府がコントロールしていない"民衆の動き"と言えるかもしれません。 そして、"尖閣列島(釣魚島)"の領有権の問題。これも中国政府は繰り返し原則論を述べるに留まっていますが、"過激な"民衆が率先して事態を大きくしている感じがします。 更に元締めと言えるのが、小泉さんの靖国神社参拝問題です。 これらを一括りにする概念が"歴史認識"ということになるわけです。日本は未だに"白黒をはっきりさせていない"ので、そんな国に常任理事国なんて任せられない、という論理でしょう。"遺憾の意"を表したとか"謝罪"したとか、賠償問題は不問となったとか、様々な事実が様々に解釈されてはいますが、ここ中国では最近の日本の態度を見る限り、"(60年前の戦争のことは)まだケリがついたわけではない"と思っている人が大多数なのです。 特に最近は、韓国と日本もゴタゴタしているので、韓国と一体となって"日本包囲網"が形成されつつあるようです。 こうした中国の雰囲気は、日本に居ては決して掴めないのではないと思うのです。中国で働く日本人でも、意識しなければ脳天気で居れるくらいですから。 にも拘らず、ブランド・イメージに関わる活動の決定権は未だに日本本社、という企業がほとんどです。企業自ら招いた不祥事ならつゆ知らず、日中の政治的緊張の"トバッチリ"を喰らった場合、その対応について日本の本社の指示に従う、と言うのはあまりにも危険と言えるでしょう。雰囲気が伝わっていないケースがほとんどなのですから。 特に、ネガティブ・キャンペーンに対抗する場合、当地の雰囲気やメディアの状況を熟知していなければ、更に"揚げ足"を取られかねません。日本本社の広報部あたりがやって来て、日本人が対応しているようでは、中国側の"思う壺"になりかねないと思います。 こうした状況ですから、中国でビジネス展開する日本企業は、現地で優秀な広報スタッフを抱えておくほうが懸命だと思うのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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