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北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

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2007.07.30
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先週金曜日、三菱東京UFJ銀行深セン支店の日本人課長・勝部聡史さんは、彼の部下で25歳の中国人社員・シューさんの右頬にビンタを一発くらわせてしまいました。
この様子をシューさんの中国人同僚も目撃していたため、勝部課長は即座に(頼んだモノを届けに来てくれたたシューさんがニヤけていたので)不愉快だったから殴った、と一応詫びを入れたそうですが、ビンタを受けたシューさんは納得することができません。そればかりか、この様子を見ていた別の日本人社員が、「勝部課長は君の上司なのだから、君を殴るのは当然だ」と言ったらしい....。
勝部課長はかつてから部下を叱責し罵ることが多かったらしく、前日の朝にも彼に叱られた女性従業員は泣いてたそうです。終業時間が過ぎたにもかかわらず50人ほどの中国人従業員はそのままオフィスに居残り、「全中国人従業員心の声」というタイトルの抗議文をまとめ、全中国人従業員の署名をして支店長に提出しました。
勝部課長に公開の場で謝罪させること、このような人物は中国で長く働かせないこと、こうした環境では安心して働けないので、三菱東京UFJ銀行は中国人従業員の人格を厳格に尊重する制度を整備すること、などを要求したものでした。ビンタをくらったシューさんは勝部課長に謝罪文書の提出と引責辞職を求めたそうです。
記者の問い合わせに、副支店長は事実関係を認めた上で調査をして来週報告する、と述べたそうです。
(四川新聞網に掲載された南方都市報の転載記事)

この事件は複数のニュースサイトに掲載され、主要BBSでは日本人及び日本企業に対する非難の書き込みで盛り上がりを見せました。

その後どうなったかというと、光明網の記事によれば、本店の重役が全面に出て解決にあたる方針で、日本上司が中国人部下にビンタをくらわせた事件は沈静化に向かう、らしいです。
中国当局も日本との関係に気を遣って、日本人や日本企業への非難が広がらないようにと報道を抑制している感じなのは不幸中の幸いですが、もしこの情報がホントだとすると、中国における一社員の不祥事の解決のために、天下の三菱東京UFJ銀行は重役を送り込むわけで、勝部課長もタダでは済まないでしょうね。

いまの世の中、日本の職場でも部下をビンタする上司など稀でしょう。しかも肉体労働の現場じゃなく、天下のメガバンクです。指導のためにちょっと語気を荒げただけでも、部下からパワハラだ、などと騒がれてしまいそうなものです。
しかも赴任先の中国では、日本や日本人のことを良かれと思っていない人たちが多いのです。
最近はどうか分かりませんが、去年の今頃までは旧日本軍の悪党ぶりを強調したテレビドラマが毎夜のごとく放映されていて、旧日本兵が善良な中国人を平手打ちするシーンこそ日本人の暴力性の象徴として、中国の人たちが見入っていたのです。
そうした背景を少しでも分かっていたら、「不愉快だった」だけで中国人にビンタなどくらわせたりしなかったでしょうし、仮に自分を見失うほどの怒りか何かがあって部下を殴ってしまったとしても、「不愉快だったから」などと言い訳したりしなかったのでは無いでしょうか....まぁ、就職活動で知り合った女子大生に悪さをしようとする行員も居るようなメガバンクですから、こうした輩が存在するのも不思議ではないかもしれませんが....。

中国人同士ですら職場で暴力沙汰になるとただでは済みません。互いのメンツをかけて、最後までどちらが正当でどちらに責任があるのか追及し続けますから、当事者のどちらかか或いは全員が職場を離れるような結果になることが多いのです。
そうでなくとも、あなたの中国人部下は、あなたの細かな指示やチェック、中国人の能力を過小評価したような態度などで、鬱憤がたまっているかも知れないのです。英語を磨いて欧米企業への転職を企んでいるか、ビンタをくらって多額の賠償金を得て辞めてやるか、と思っている中国人社員が潜んでいることを忘れてはなりません。

それにしても日本では、職場で上司が部下を殴ったくらいで、実名報道され、重役が事態の収拾に乗り出すようなことは、まず無いでしょう。しかし残念なことに、中国で勤務し中国人部下を持ってしまった三菱東京UFJ銀行の勝部聡史さんは、たいへん困難な状況に追い込まれてしまったわけです。この先、真っ暗でしょうねぇ....。
日中関係が比較的良好なこの時期ですから、外交問題に発展することは無いと思いますが、中国で働く日本人の皆さん、どうかお気をつけください。





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Last updated  2007.07.30 22:15:18
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