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北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

2008.01.25
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カテゴリ:ビジネス習慣
中国のヤフオクとも言えるC2Cサイト、つまり個人ユーザー同士の売り買いサイトに「淘宝網(Taobao.com)」があります。淘宝網は先日、Yahoo!中国などとともに香港市場に上場した中国発の世界的B2Bサイト・Alibaba.com(アリババ)の傘下にあります。そのせいもあってか、厳密に個人同士の取引ばかりを集めているのではなく、メーカーや販売店が出店したりもしているので、「楽天市場」のほうに近いのかもしれません。
5,000万人のアクティブな登録ユーザー、取引成約金額が1日平均1.8億RMB(約27億円)と、中国ではもっとも影響力のあるECサイトだと言えます。

とある日本企業から相談を受けました。
並行輸入或いは個人輸入された自社製品が「淘宝網」に出品されていて正規販売ルートに悪影響をもたらしているので、何とか対応してもらえないか、とのことでした。
その日本企業は、最近中国に拠点を設け、日本で製造した製品を輸入する方法で中国でも販売を始めたところでした。広大な中国ですから販路を広げていくのは時間がかかります。まずは上海、北京など需要が見込める大都市中心に正規代理店(卸問屋)を決めて、販売し始めたようです。
ところが、正規ルート経由の販売量が思いのほか伸びません。当初その日本企業は原因を製品が並んでいる小売店が少ないことと、広告やプロモーションが行き届いていないためだと考えたそうです。
ところが、いろいろ調べてみると「淘宝網」に並行輸入品や個人輸入品が大量に出品されていて、なんと正規ルート経由より売れていることが判明したのです。

その日本企業は、非正規製品が「淘宝網」で売られているから、正規ルートで売れないのだと考えたのです。なんとか、「淘宝網」での販売を止めさせられないか....。そのように考えたのです。
その製品はかさ張らないので、日本に旅行などで出かけた人たちが日本で大量に買ってきて「淘宝網」に出品するケースもたくさんありましたが、"闇"の輸入業者が日本から大量に"密輸"して「淘宝網」で売りさばいている様子も伺えました。いずれにしても、「淘宝網」で販売されている製品のほとんどが"ニセモノ"ではなく、日本で製造され日本で販売されている正規の製品のようでした。
ただ価格は、というと、「淘宝網」の価格のほうが正規ルートで販売されている製品より2割ほど安いのです。日本からの輸入製品ですから、正規ルートだと関税がかかりますし、流通・物流コストも多めに乗っかってきますから、高くなっちゃうのですね....。

「淘宝網」でその製品を購入した方に、なぜ正規ルートの製品を買わないのか聞いてみました。
まず多かったのは、「日本製だから安心感がある」と言う答えでした。日本向けの製品ですからパッケージは当然、日本語で表示されています。でも、中国向け輸出品は、中国市場向けに簡体字で表示されデザインされています。「日本製造」と表示されていても、きっと中国で製造しているのだろう、という意見でした。
あとは当然のことながら価格です。
でも実は最も顕著だったのは、購入者の多くが正規販売網が行き届いていない上海や北京以外の地方の人たちだったのです。つまり、近くで売っていないからネットで買った、と言うことです。

ここで不思議に思うのは、なぜ中国で広告もプロモーションもほとんど行っていない製品がネットで大量に売れているのか、と言うことです。
調べてみると、この「淘宝網」の口コミ効果で売れ出したのです。つまり、正規ルートで販売される前に、個人輸入で出品された製品を購入した人が、その製品の良さをコメントして、どんどん広がって、個人出品が増えて、売れ行きがいいのを知った"闇"の輸入業者も"密輸品"の出品を始めた、と言うストーリーだったのです。
そして、この製品はほとんどプロモーションをしていないにもかかわらず、大量に広告やプロモーションをしている他のブランドに並んで、そのカテゴリーにおける「淘宝網」の売上ランキングのトップ10に入るブランドになっていたのです。

さて「淘宝網」から、こうした不正規ルートの製品を追い出すことができるでしょうか?
中国では「水貨(シュイホウ)」と呼ばれる"密輸品"に関しては、労力を惜しまず中国当局に働きかければ、もしかしたら追放することはできるかもしれません。脱税と言う違法行為を犯しているわけですから。でも、個人輸入の製品は無理でしょう。日本のヤフオクや楽天市場ですら、並行輸入や個人輸入のブランド品などがどんどん出品されているのですから、いずれにしても「淘宝網」への出品を断ち切ることは不可能に近いはずです。

私はむしろ「淘宝網」と組むべきだと思っています。
正規ルートの製品を「淘宝網」で堂々と販売する。日本と違って、卸問屋など正規流通網に気兼ねなどする必要は無いのです。そもそも正規の販売ルートから製品が横流しされて「淘宝網」などで売られているようなお国柄なのですから。
それでも残る"価格格差"の問題は、流通コストが浮いた分で"特典"を付けるなどして対応すれば良いと思いますし、正規ルート版の「信頼性」や「安全性」などを「淘宝網」を使って積極的にアピールしていけば良いでしょう。
中国語のパッケージが気に食わないみたいな意見が多いようなら、日本で販売されているパッケージをベースにデザインし直せば良いと思います。
既にネット上で口コミの評判が形成されているわけですから、それに乗った販売戦略で臨めばきっとうまく行くと思います。
そして何よりも、中国全土に、少なくとも地方都市までにでも販路を拡大させていくのは、時間もかかりますし管理にも手間がかかります。「淘宝網」のようなネットを使えば、簡単に"全国区"に進出できるのです。

何度か他のブログでも取り上げましたが、日本のコンテンツホルダーは"海賊版"対策ができていない中国で"正規版"のDVDやCDを販売しても商売にならない、と思って二の足を踏みました。でも実際のところ、"海賊版"は安価なプロモーションの役割を果たしています。"海賊版"の「ドラえもん」のDVDが5RMB(約75円)で売っているのに、その10倍も値段のする最新作の映画にはたくさんのお客さんが入るのです。"海賊版"で被っただろう損出と知名度ゼロから始めるプロモーションの費用とどちらが大きいかと想像すれば、後者のほうが高くつくのは目に見えています。
"海賊版"や"非正規ルート製品"が売れているということこそ、口コミ効果が利いていることであって、"正規製品"にも大きなチャンスがある、と捉えるくらいで無いと、この国で商売するのは難しいと思うのです。

自然発生的な口コミ、販路を一気に拡大できるインターネット、どちらをとってもこの製品は売れると確信しました。
後ろ向きに法廷闘争などして、時間とお金を浪費するよりは、この際割り切って流れに乗ったほうが、儲けられると思うのですけどね.....。






Last updated  2008.01.25 22:27:41
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