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北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

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中国の日本企業・日本人

2007.09.06
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ご存知かもしれませんが、私は97年から2006年まで日本の広告会社の中国の現地法人で、いわゆるシャチョーをしていました。その後、転職して現在は日本の、どちらかと言うとIT系企業で中国事業の立ち上げとメンテナンスを行っています。日本での業務が多領域に渡るため、中国でも複数のドメインで事業の立ち上げを担当しているのですが、転職先のいいところ(?)は、ゼロから立ち上げるのではなく、うまくいっていそうな現地の会社に出資して事業領域を埋めていこうと言う方針を持っていることです。これはがっちり勢力地図の固定した大手広告会社などには、なかなかできない"技"と言えるでしょう。

したがって、中国に出張すると毎度のように、パートナーになってくれそうな各事業ドメインで評判の良い中国の新興企業を訪問したりもするわけです。
自分でも驚いてしまったのは、ここ3回立て続けに"昔の部下"に遭遇してしまったことです。つまり出資交渉をしようと考えている企業の社長や副社長に面談に行くと、以前私がシャチョーをしていた中国の現地法人の元社員が出てきたりするのです。訪問先の企業はリサーチャーが事前に下調べをしてくれているため、私が"昔の部下"の会社を探し回っているわけではありません。まったくの偶然で、ほんとにビックリです。

とある"昔の部下"は、私が中国に赴任してまもないころ、大学生でインターンに来ていて、何となく出来も良かったので、そのまま新卒で採用した男の子でした。新入社員ということもあり、前の会社では差ほど目立った感じではなかったのですが、こつこつと仕事をしていた感じは覚えていました。3年ぐらい経って、彼は自分の中国人上司が替わったことがきっかけで会社を辞めてしまいました。その後、同業に転職し、結婚式に呼ばれて以来、3~4年は音信不通の状態でした。
売上高で中国10位台に入るネット・エージェンシーと資本提携について打診するために、その会社を訪ねると、応対したのは30を過ぎて、やや貫禄がついたものの表情には大学生のときの純真ささえ残る、その"昔の部下"でした。彼はちまたで企業価値2,000万US$(約23億円)と値がついてる企業の副社長にのし上がっていたのです.....。
かつては数百RMBの経費のことでああこう言っていた彼と私が、数年後に何億円単位のM&A交渉をするなどと、思ってもみませんでした。

3Dのヴァーチャル・ショッピング・モールで業界の注目を集めている新興企業を訪ねたときに、応対してくれた創業社長は別のやはり"昔の部下"でした。前の会社で働いていた頃から、彼は"やり手"だなと感じてはいて、いずれはライバル会社にでも引き抜かれるのではと思っていましたが、自分の得意なドメインから抜け出して、新しい発想で起業するタイプだとは思ってもみませんでした。
今回はブランディング系の新興企業をいくつか訪問したのですが、やはり"昔の部下"が起業して社長を務めている会社がありました。ここは広告会社と事業領域が重なるので、何となく納得はしたのですが、昔の会社ではさほど輝きを見せなかった(或いは私が輝きを見出せなかった)彼女が、見違えるほど輝いていて、幾つか訪問した企業の中で、いちばんしっかりしていてうまく行っている感じを受けたのも事実です。

中国の若者の転職は日常茶飯事です。まして広告業界はスタッフの流動が激しく、2~3年働いたらキャリアアップのため転職、と言うのが常識のようになっているので、元社員の誰々が競合の某某会社で重要ポストに抜擢された、などと聞いても、ちっとも驚きはしませんし、独立してこじんまりとした広告会社を始めている、なんて噂を聞くと応援に駆けつけたりもするのですが、かつての業界から進化して新しい事業領域で起業して成功していることを目の当たりにすると、ちょっと複雑な思いがします。しかも何の因果か対等或いは先方が有利な関係での交渉相手になってしまっているのですから....。

まず思ったことは、お互い昔の会社時代、私は上司として彼(彼女)らに、理不尽な意地悪をして来なくて、ほんとに良かったなぁ、と言うことです。
何年ぶりかで彼(彼女)らと再会したとき、(恐らく)お互いに昔の悪い思い出や印象が無かったと思うのです。もちろん、かつての会社を辞めたときには上司であった私に対しても多くの不満があったのでしょうが、それは恐らく許容の範囲内だったようで、少なくともひどい上司では無かったと思えるのです。
次に思ったのは、私には適材適所で人材を育成していく能力が足りなかったのだ、と言うことです。最近出会った"昔の部下"には、新卒で採用した人も居ましたし、中堅でキャリア採用した人も居ましたが、昔の会社時代には彼(彼女)らの能力を十分に引き出すことは出来なかったと言えるでしょう。みんな私が最終面接をして採用を決めた人たちですから、裏を返せば人材を見抜くセンスはあったと言えるかも知れませんが、彼(彼女)らがここまで成長するとは思いもよりませんでした。

繰り返しになりますが、中国の若手社員は常にキャリアアップを考えています。特に日本企業の場合、昇進や昇格にスピード感が不足しているため、手っ取り早い手段が転職と言うことになります。転職そのものを食い止めるような施策も当然必要ではありますが、あなたの"いまの部下"は転職するものだ、と言う前提で接することも必要だと思います。
以前、中国に駐在していた頃、様々なケースを見聞きしました。ライバル会社に転職してしまった、と言うのは、最も幸福なケースかも知れません。私自身、少し厄介に感じたのは、クライアントに転職してしまった"昔の部下"です。かつての部下が、いつの間にかクライアントのマーケティング・マネージャーに転職してしまい"お客さま"になってしまったのです。恨みでも持たれていたら、意地悪されてしまうところでした。その"昔の部下"は広告発注者として公平な立場で、元の勤務先に接してくれましたが、かつての部下に売り込みに行くのは、あまりいいものではありません。

かなり昔のお話ではありますが、ある日系メーカーで営業マネージャーをしていた人が、大手量販店に転職したケースなどは悲惨でした。
その営業マネージャーは、日本人社長と日ごろから折り合いが悪かったようです。営業マネージャーの彼に言わせれば、社長は公平に業績を評価せず、理不尽に叱責することがしばしばで、幾つかのお得意さんには強いコネクションを持っていたにもかかわらず、"干されて"しまっていたようで、次第にその日本人社長と日系メーカーに恨みを持つようになったらしいのです。その日本人社長にしてみれば、不正をしている割には、理不尽な昇給を求めてきた、と言う感じになるのですが、この際どちらの言い分が真実なのかは、さほど重要なことでは無いように思えます。
営業マネージャーだった彼は、大口取引先であった量販店でバイヤーのポジションを獲得すると、元の勤務先である日系メーカーにきつい取引条件を提示して、元上司の日本人社長を呼びつけ、条件を受け入れてもらえないと、その日系メーカーとの取引を打ち切ってしまったのです。
大口取引先から取引を打ち切られた日系メーカーは、中国での有力な販路を失ってしまい、最終的には日本本社の役員まで担ぎ出して関係を修復せざるを得なかったのです。

中国で働いている日本人の皆さん、あなたの"いまの部下"は将来、強力なライバルになるかも知れませんし、大切なお得意先になるかも知れませんし、大事な投資先の社長になるかもしれないのです。これは多かれ日本でも、中国以外の海外でも起こりうることですが、いまの中国ではその可能性が高いことを承知しておいて、現地のスタッフと接することも必要かもしれません。






Last updated  2007.09.07 01:04:09
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2007.07.30
先週金曜日、三菱東京UFJ銀行深セン支店の日本人課長・勝部聡史さんは、彼の部下で25歳の中国人社員・シューさんの右頬にビンタを一発くらわせてしまいました。
この様子をシューさんの中国人同僚も目撃していたため、勝部課長は即座に(頼んだモノを届けに来てくれたたシューさんがニヤけていたので)不愉快だったから殴った、と一応詫びを入れたそうですが、ビンタを受けたシューさんは納得することができません。そればかりか、この様子を見ていた別の日本人社員が、「勝部課長は君の上司なのだから、君を殴るのは当然だ」と言ったらしい....。
勝部課長はかつてから部下を叱責し罵ることが多かったらしく、前日の朝にも彼に叱られた女性従業員は泣いてたそうです。終業時間が過ぎたにもかかわらず50人ほどの中国人従業員はそのままオフィスに居残り、「全中国人従業員心の声」というタイトルの抗議文をまとめ、全中国人従業員の署名をして支店長に提出しました。
勝部課長に公開の場で謝罪させること、このような人物は中国で長く働かせないこと、こうした環境では安心して働けないので、三菱東京UFJ銀行は中国人従業員の人格を厳格に尊重する制度を整備すること、などを要求したものでした。ビンタをくらったシューさんは勝部課長に謝罪文書の提出と引責辞職を求めたそうです。
記者の問い合わせに、副支店長は事実関係を認めた上で調査をして来週報告する、と述べたそうです。
(四川新聞網に掲載された南方都市報の転載記事)

この事件は複数のニュースサイトに掲載され、主要BBSでは日本人及び日本企業に対する非難の書き込みで盛り上がりを見せました。

その後どうなったかというと、光明網の記事によれば、本店の重役が全面に出て解決にあたる方針で、日本上司が中国人部下にビンタをくらわせた事件は沈静化に向かう、らしいです。
中国当局も日本との関係に気を遣って、日本人や日本企業への非難が広がらないようにと報道を抑制している感じなのは不幸中の幸いですが、もしこの情報がホントだとすると、中国における一社員の不祥事の解決のために、天下の三菱東京UFJ銀行は重役を送り込むわけで、勝部課長もタダでは済まないでしょうね。

いまの世の中、日本の職場でも部下をビンタする上司など稀でしょう。しかも肉体労働の現場じゃなく、天下のメガバンクです。指導のためにちょっと語気を荒げただけでも、部下からパワハラだ、などと騒がれてしまいそうなものです。
しかも赴任先の中国では、日本や日本人のことを良かれと思っていない人たちが多いのです。
最近はどうか分かりませんが、去年の今頃までは旧日本軍の悪党ぶりを強調したテレビドラマが毎夜のごとく放映されていて、旧日本兵が善良な中国人を平手打ちするシーンこそ日本人の暴力性の象徴として、中国の人たちが見入っていたのです。
そうした背景を少しでも分かっていたら、「不愉快だった」だけで中国人にビンタなどくらわせたりしなかったでしょうし、仮に自分を見失うほどの怒りか何かがあって部下を殴ってしまったとしても、「不愉快だったから」などと言い訳したりしなかったのでは無いでしょうか....まぁ、就職活動で知り合った女子大生に悪さをしようとする行員も居るようなメガバンクですから、こうした輩が存在するのも不思議ではないかもしれませんが....。

中国人同士ですら職場で暴力沙汰になるとただでは済みません。互いのメンツをかけて、最後までどちらが正当でどちらに責任があるのか追及し続けますから、当事者のどちらかか或いは全員が職場を離れるような結果になることが多いのです。
そうでなくとも、あなたの中国人部下は、あなたの細かな指示やチェック、中国人の能力を過小評価したような態度などで、鬱憤がたまっているかも知れないのです。英語を磨いて欧米企業への転職を企んでいるか、ビンタをくらって多額の賠償金を得て辞めてやるか、と思っている中国人社員が潜んでいることを忘れてはなりません。

それにしても日本では、職場で上司が部下を殴ったくらいで、実名報道され、重役が事態の収拾に乗り出すようなことは、まず無いでしょう。しかし残念なことに、中国で勤務し中国人部下を持ってしまった三菱東京UFJ銀行の勝部聡史さんは、たいへん困難な状況に追い込まれてしまったわけです。この先、真っ暗でしょうねぇ....。
日中関係が比較的良好なこの時期ですから、外交問題に発展することは無いと思いますが、中国で働く日本人の皆さん、どうかお気をつけください。






Last updated  2007.07.30 22:15:18
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2007.04.11
NIKKEI NETの『中国ビジネス特集』に富士通総研の金堅敏さんという上席主任研究員のインタビュー記事が掲載されていました。タイトルは、「日本企業が中国でつまずく4つのポイント」。金さんのご意見の多くに、私は共感を得ました。

まず日本企業の中国ビジネスは、自動車、デジカメ、コピー機を除くほとんどの分野で、うまく行っていない、との認識。
このニュースサイトの主である日本経済新聞社やNHKをはじめ、多くのメジャーな日本のマスメディアが、中国市場における日本の活躍を伝えています。そのほとんどは、提灯記事或いは広告取引などメディアへの便宜供与と引き換えに伝えられたものと言っても言い過ぎではないでしょう。中国でつまずいている企業については、週刊誌などのマイナーなメディアが、やや大袈裟に伝えたりしています。こちらも、広告予算の少ない企業を対象としているか、或いはあまり広告収入に依存していないメディアによるものか、或いは根っからの中国嫌いのジャーナリストの手によるものか、いずれかが多い感じでしょう。
大手企業が中国ビジネスで失敗したことを、教訓を込めてでも報道しているメジャーなメディアはほとんど無いでしょう(これも伏線)。

金さんは、日本企業が"つまずく"ポイントとして4つ挙げているいますが、その一つめは製品やサービスを投入するポイントが遅れていること。つまり中国のマーケットの分析ができていない結果です。
二つめは人材登用の問題、三つめは経営状況の本社との共有ができていないことで、四つめに挙げたのはPRや政府との関係作りが遅れていることです。つまり、コンシューマとのコミュニケーションが不足している、とも言えるわけです。
現地調査に基づく、日中米企業の競争優位性によると、日本企業は製造技術や生産・品質管理での評価は高いようですが、ブランド力やマーケティング力での評価は低いのです。総合評価でもアメリカ系、ヨーロッパ系企業に大きく水をあけられ、第3位に甘んじていると言う状況です。

ステキな技術や完璧とも言える品質管理のノウハウがあって、少し中国向けに作り変えれば、中国でも大儲けできるような製品やサービスを持っていたにも拘らず、マーケットを読み違えたばかりに、出し惜しみしてしまい商機を逸してしまった、と言う構造が見えてきます。もちろん、流通など様々な障壁があることも確かですが、中国のコンシューマの動向を予測できなかったこと、心を掴むようなコミュニケーションができていなかったことが、"つまずき"の大きな要因であったことは確かです。

中国人の有能なマネージメントに委ねれば、こんなことにはならなかったかも知れません。でも、多くの日本企業はやすやすと中国人に会社を委ねたりはしない体質です(いや日本人であっても、社長やCEOの権限すら怪しいものです)。
そうした状況において、マーケットの動向を予測し、マーケティングの提案をし、中国のコンシューマとの良好なタッチング・ポイント(接点)を創出するお手伝いをするのが、日本が誇る巨大広告会社であったりするはずなのです。

ところが、電通(等)日本が誇る巨大広告会社って案外"内弁慶外味噌"だったりして、日本ではヤバいニュースを握りつぶすくらいのパワーを持っていても、海外ではそうでも無かったりします。唯一、日本の優良ブランドがクライアントとして着いて来てくれていることが強みでしょう。ですから中国など異邦の地において、政府やコンシューマとのリレーション・シップづくりに期待しても、日本のようにはうまく行かないのです。
しかも、金さんがインタビューで指摘した"つまずく"日本企業の典型のように、主要人材はすべて日本から送り込まれてくるワケです。中国のマーケットとコンシューマにコミュニケーションしていかなければならないお仕事なのに.....。
その反面、欧米系のいわゆる"メガ・エージェンシー"は、早くからローカル・マネジメントに取組み、中国マーケットに関するノウハウを蓄積していました。

マーケットとしての中国が注目され始めた1990年代後半から数年前くらいまで、中国でモノやサービスを提供し始めた日本企業のほとんどは、中国でも電通(等)を頼りにしていたのです。
そして、いくつかのメジャー・ブランドはひっそりと中国マーケットから撤退し、いくつかのメジャー・ブランドは欧米系の"メガ・エージェンシー"とともに再起を目指し、そして世界規模で電通と寝起きを共にすることを余儀なくされているいくつかのメガ・ブランドだけが、以前と比べると当然パワーアップした電通をパートナーとして中国のマーケットに挑んでいる、いまはそんな状況でしょう。

もちろん、電通(等)を選んだ日本企業にこそ"つまずき"の最大の原因があるのでしょうが、電通(等)を選ぶのは海外旅行傷害保険に加入するようなもので、つまずいたとしても、社内的な責任は問われないですし、そのうえ、日本のマスメディアも報道も抑えてもらえるので、株価にもさほどひびかず、経営陣も泥をかぶらずに済んだのかもしれません。

試しに、Googleで"携帯電話 中国 撤退"と検索してみてください。ウェブ検索ですと幾つかのニューサイトやブログ具体的なブランド入りで表示されますが、ニュース検索ですと本エントリーで取り上げたNIKKEI NETの記事くらいしか表示されないでしょう....。
日本経済発展のため、中国ビジネスの失敗情報についても、積極的に報道してほしいものです。






Last updated  2007.04.11 17:57:27
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2007.03.17
私はいわゆる"大手広告代理店"で長い間働き、この約9年間、中国・北京の現地法人の経営管理者をしていました。
思うところがあって、この2月、デジタル・マーケティングなどを展開する"今風な"日本の会社に転職し、中国を中心とするアジアの事業展開を担当することになりました。
いま取り組んでいるのは、中国におけるネット広告事業の立ち上げ。事業の立ち上げと言っても、スピード感を重視する"今風"の会社では、当然のことながら、既にうまく行っている、或いはこれからきっとうまく行きそうな会社への出資やM&Aと言う手法が優先されるわけです。

1997年、私が北京に赴任したとき、現地法人は合弁会社として立ち上がったばかりでした。事業が軌道に乗るまで5年ほどかかり、私が帰任すると事業方針が見直しされることになりました。10年前に逆戻り、といった感じでしょう。
新しい会社ではまず、ローカルの大手ネット広告会社に出資し、様子を見ながら出資比率を引き上げて子会社化し、最終的にはIPOを目指す、と言うストーリーを描いています。3年後の数値目標が明確に決められているにです。

日本では、ネット系広告会社に対し、総合的な(オールドファッションな)広告会社を"リアル系"などと呼ぶことがあります。
取り扱うメディアがネット上の"バーチャル"でものではなく、テレビや新聞・雑誌など"リアル"なもの中心だからでしょうが、幾ばくかのレスペクトを込めた言い方でもあり、その背景には電通に代表されるオールドファッションな広告会社が日本そのものを動かしている、と言う畏怖の念すらあるように思えます。
いっぽう、中国では(欧米でも以前はそうであったように)総合的な(オールドファッションな)広告会社を"トラディッショナル"つまり"伝統的"といいます。
中国や欧米ではネット系のメディアはテレビや新聞、雑誌などの"リアル系"メディアとほぼ横並びに捉えられており、単純に出自の順序から既存メディアを"トラディッショナル"と読んでいるに過ぎないのです。現に欧米のエージェンシー(広告会社)内部には、"リアル"と"バーチャル"のメディアに競争関係は原則として存在しないのです。これに対して、日本では"バーチャル"は"リアル"の下請け的ポジションに置かれている状況なのです。

私としては、"リアル"とか"バーチャル"という区別に意味を感じず、最新のデジタル・テクノロジーを有効活用したマーケティング・サービスが目指せれば良いと考えているので、新聞やテレビの広告扱いから始まった日本の広告会社を"オールドファッション"、インターネットなどデジタル・テクノロジーの利用から始まった日本の広告会社(マーケティング・サービス会社)を"今風"と呼ぶことにしています。
当然、様々な違いに驚かされるのですが、中国でのビジネス展開についても、考え方が大きく異なっています。

日本の"オールドファッションな"広告会社と"今風な"広告会社の中国展開への取り組み方の違いを、私風に列挙してみたいと思います。

"オールドファッションな"広告会社
 ・政府系コネの力に過信
 ・売上規模重視
 ・現地法人の単体業績重視
 ・日本のクライアントの受け皿機能を重視
 ・本社からの経営陣の送り込み
 ・本社からの直接投資が基本
 ・本社からのサポート費用に原価意識が欠如
 ・単独展開(日本本社のブランドに依存)
 ・年寄りが多い(中国関連部門で私が一番年下でした!!)

"今風な"広告会社
 ・投資先の経営者(創業者)の能力に期待
 ・最終利益重視
 ・本社連結決算への影響重視
 ・中国でのクライアント・リソースのマルチ展開を目指す
 ・現地経営陣の温存
 ・タクスヘブンに合弁会社を設立し、間接的に投資(将来のIPOや売却を想定)
 ・本社からのサポート費用は現地法人の原価として明確に計上
 ・マルチ展開(複数の現地企業に投資)
 ・若い(海外関連部門で私が一番年寄りになりましたぁ....)

ほかにも挙げるとキリが無いのですが、どちらが良い方法なのかは、いまのところ判断できません。
"オールドファッションな"会社は、会社としての判断が下るまで時間がかかり、"今風な"会社は速い、などとよく言われますが、これは会社の規模や組織づくりの違いに拠るところが多いのではないでしょうか?
ただ、"今風な"会社は経営層から平社員までコスト意識が徹底されている感じがします。海外出張のとき、"オールドファッションな"会社では若造社員が平気でビジネス・クラスを使っていたりしましたが、"今風な"会社では経営者でも格安チケットを使ったりしています。もちろん、この状況は会社によって異なると思いますが、投資先企業に利益改善の指導を行う立場の会社として、当然の態度だとも言えるでしょう。






Last updated  2007.03.18 00:16:15
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2006.08.08
前回はスクリーンセーバーにグラビアアイドルの画像を使っていたことで、ローカルスタッフからの評判を下げてしまった日本人社員のエピソードを取り上げましたが、ある意味で極端な事例だったかもしれません。企業文化、職場の雰囲気、日本人スタッフとローカルスタッフとの日常的な関係などによっては、まったく問題にならない場合もあるでしょう。でも、余りにもデリカシーを欠いてしまい問題化してしまったケースもありますので、今回はそんなお話を書いてみたいと思います。

[実話:その1]
ある地方都市の日系企業・日本人総経理は、"非合法な夜の遊び"が大好きでした。そして、彼の部下の中に、日本語が良くできて地元の"夜の世界"にも詳しい男性ローカルスタッフが居ました。日本人総経理はそのローカルスタッフと毎晩のように”夜の世界"へ繰り出しました。
日本人総経理にしてみれば、会社の部下を連れて部下の馴染みの場所へ遊びに出かける、と言う感じだったのでしょう。そのうち日本人総経理だけではなく、日本の本社からの出張者や取引先の日本人なども、そのローカルスタッフの"コネ"で遊ぶようになりました。そのローカルスタッフにしてみれば、"金払いの良い日本人顧客"をたくさん"夜の世界"に紹介する機会を得ることになったのです。"優良な顧客"を抱えたそのローカルスタッフのところには、"仕事"を求める女の子が集まるようになりました。
そして、その日系企業のローカルスタッフは、公安に摘発されてしまいます。自分自身や会社への波及を怖れた日本人総経理は、何とか拘留中のそのローカルスタッフと連絡をとり、会社関係者が"顧客"だったことを自白しないように懇願しました。ローカルスタッフは2年間の拘置刑になりました。日本人総経理は、そのローカルスタッフを解雇せず、刑務所にいる間の給与も全額支払うことにしたそうです......。

[実話:その2]
北京の某日系企業・日本人総経理には、どこに出かけるにも通訳兼秘書の女性ローカルスタッフと一緒でした。そんな彼でも、夕食以降の"夜のご接待"には女性ローカルスタッフを連れて行くことはありませんでした。日本人総経理はどちらかと言うと真面目なタイプで、"夜のご接待"もスナックをはしごする程度で"非合法や夜の遊び"に積極的に関わるタイプではなかった感じです。通訳兼秘書の女性ローカルスタッフは、接待などで食事に付き合うのは"仕事"と割り切り、どんなに遅くなっても接待の夕食には付き合い、早朝には日本に戻る出張者を空港まで送り届けるような、しっかりしたスタッフという印象です。
ある日、日本人総経理は女性ローカルスタッフとともに取引先の日本人を夕食で接待しました。食事の際、取引先の日本人はその女性ローカルスタッフを褒め称えたそうです。「しっかりしている」とか「仕事ができる」あたりまでなら良いのでしょうが、恐らく「キレイだね」とか「可愛いね」みたいな言葉も出たのでしょう。
食事が終わって、日本人総経理は「もう少し、飲みに行きませんか。」と取引先の日本人をスナックに誘いました。取引先の日本人は「いいねぇ。○○さん(女性ローカルスタッフの名前)も一緒に行くよね。」と答えたそうです。いつもなら「我々男同士で行きましょう。」とか「日本人だけにしましょう。」と言って、女性ローカルスタッフを先に帰していた日本人総経理なのですが、この日ばかりは「○○さん、申し訳ないけど、もう一軒だけ付き合って。仕事だから。」と女性ローカルスタッフを説得して、スナックにも付き合ってもらいました。スナックに着いてから、取引先の日本人はサービス係の女の子を相手にもせず、その女性ローカルスタッフを口説きまくっていたそうです。最終的に、その女性ローカルスタッフは"お店の女の子"と同じように扱わてしまい、日本人総経理が何とか取引先の日本人をなだめてお開きになったそうです。
暫らくして、その女性ローカルスタッフは日本人総経理に辞表を提出し、会社を去りました.....。

[実話:その3]
日系企業の日本人マネージャーは、ときどき部下の男性ローカルスタッフと"夜遊び"に出かけました。一緒に食事をしたり、流行のバーやクラブに行ったり、そして時には"非合法な夜の遊び"も一緒しました。
そんな風に仲良くしていた部下であっても、さまざまな事情でリストラの対象になる場合があります。その日本人マネージャーも部門再編成のため、一緒に"夜遊び"をしていた部下のローカルスタッフに"クビ"(実際には労働契約の更改を行わないこと)を言い渡すことになりました。一緒に"悪さ"した仲ですから、とても言い難かったそうですが、ローカルスタッフは「そういう事情ならば仕方が無い」と比較的冷静に受け止めてくれたそうです。
その後、その日本人マネージャーは自らが"クビ"にしたローカルスタッフが、自分の"悪さ"を現地法人のトップや日本の本社にチクルのでは無いか、と心配で仕方が無かったそうです。幸いにも"クビ"になったローカルスタッフは以前より高い給料の仕事を見つけることができたようで、日本人マネージャーの"非合法な夜の遊び"のことを密告するようなことはありませんでした....。

[実話:その2]のようなケースは、何も中国に限った事では無いと思います。
でも[実話:その1]や[実話:その3]のように"非合法な夜の遊び"にローカルスタッフを巻き込むことは、日本人にとっても中国人にとっても大きなリスクとなるのは確かだと思います。どうしても必要な場合は、こっそりとひっそりと対応するのが良いでしょう。






Last updated  2006.08.08 18:24:24
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2006.07.25
きょうは本人の許可を得て、北京で働く知人の失敗体験を披露します。
彼は20代後半でなかなかの二枚目、日系企業で6人の現地社員を率いるチーム・リーダーをしています。現地採用ではありますが、駐在員のおじさんたちより仕事もできるし、中国の事情を理解しているし、若い現地のスタッフとも同年代なので、現地社員からの評判も良く、信頼されていて、大人気です。

ところが、ほんの些細な出来事で、うまく行っていた現地スタッフとの距離ができてしまったとこと。評判も信頼もがた落ちになったと彼自身は感じているようです。

いつものようにノートパソコンの画面でを使って、チームのメンバーと社内ミーティングしていたときのこと。ディスカッションが長くなり、パソコンのスクリーン・セーバーが起動しました。彼のパソコンのスクリーン・セーバーは、日本の某グラビアアイドルの写真を集めたものです。
その写真のスライド・ショーを見ていた女性スタッフがディスカッションを遮って「○○さん、この娘すきなの?」と尋ねてきました。彼は「うん、大好き。」と。今度は別の女性スタッフが「誰なの?」と尋ねてきて、彼は「xxxxって言うんだ。日本で人気あるんだよ。」などと答えたそうです。男性スタッフは「可愛いじゃん。」とか「ボクの好みじゃない。」とかコメントしていたようですが、最初に尋ねてきた女性スタッフが「○○さんって彼女いるんですよね、こういうの良くないと思います。恥ずかしいです。」と言うと、一瞬みんなシーンとなってしまったそうです。
すぐにミーティングは再開しましたが、その後のディスカッションに熱意が失われたように彼は感じたそうです。

その後、言いだしっぺの女性スタッフを中心に、彼を軽蔑するという意見が社内に広がりました。いままで友だちのように食事や遊びを一緒にしていた現地スタッフにも、あまり誘われなくなり、彼が食事に誘っても、かつてのように部下全員が揃って参加することは無くなってしまいました。いままでは毎回参加していた女性スタッフは、何か用事を作ってオフでの付き合いを避けるようになりました。
実際の仕事に影響が出ているのか彼に尋ねると、直接的には影響していないと思うが、あの一件以来、男性スタッフを含めて現地スタッフと距離ができてしまったようだし、チームのミーティングもいまいち盛り上がりに欠ける、とのことでした。

先日、彼に問題のスクリーンセーバーを見せてもらいました。
グラビアアイドルとは言え、顔のアップやフツーの服を着た写真が中心で、一部水着の写真があるくらいです。ま、バストを強調したような写真もありましたが、下着姿でもないですし....このレベルで"アウト"だったら、私のスクリーンセーバーなんてセクラハで訴えられてしまうでしょう。
私物とは言え仕事で使うパソコンなので、下着姿やセミヌードの写真は敢えてスクリーンセーバーから外した、と言う彼は、なかなかのしっかり者だと感心してしまいました。
あの一件以来、評判が落ちたことに関して、納得し切れないで居た彼に相談を受けた私でしたが、その時の私には説明がつきませんでした。


しばらく考えてみると、ポイントは3つありそうです。
第1に、彼がほぼパーフェクトな日本人社員であったこと。
私の知る限り、仕事はしっかりこなしますし、現地社員にも駐在員の上司にも取引先にも気配りしています。かと言って堅物ではなく、現地社員をオシャレな店に連れて行ったり、スタッフとサッカーチームをつくったり、オフの部分でもうまくやっていました。日本の本社からやってきた駐在員たちが頼りない感じなので、より一層引き立って見えたのかもしれません。
ですから、ほんの些細なネガティブな出来事であっても、パーフェクトであればあるほど、信頼が高ければ高いほど、現地社員に与えたインパクトが大きかったのでしょう。これは中国に限ったことではありませんが。


第2に、彼に彼女がいること。しかも多くのスタッフがそのことを良く知っていたことが、影響していると思います。
彼にはとても仲の良い日本人の彼女がいて、現地スタッフと食事をするときなど彼女を連れてきて、アツアツぶりを見せつけたりしていました。それ自体、まったく問題では無いと思いますが、そんな大切な彼女がいるのに、スクリーンセーバーにアイドルとは言え別の女の子の写真を使っていたことが、特に女性スタッフにとってネガティブな印象を与えたのではないでしょうか。
北京で働く女の子は、"花心(浮気癖)"の男性を軽蔑する傾向が強くあります。逆に彼女や家庭を大切にしている男性は尊敬されています。スクリーンセーバーを見た女性スタッフが「○○さんって彼女いるんですよね」と言ったことが、そのことを物語っているように思えるのです。
これを裏付けるわけでもありませんが、ウチの現地スタッフのパソコンの壁紙は、男性の場合、彼女や子どもや家族の写真を使っているケースが圧倒的に多いです。女性の場合はペットの犬だったり、ハローキティちゃんだったりしますが、アイドルやモデルの写真は見たことがありません。
若いスタッフとは言え、中国人は家族や恋人を尊重し、その関係を大切にしている人を尊敬する、と言うことを忘れてはならないのです。

第3は、やはり北京(中国)は日本と比べるとまだ保守的である、と考えるべきです。
日本に帰るたびにエッチな雑誌をおみやげに求めてくるようなウチの若い男性現地スタッフたちに、私のスクリーンセーバーをチャックしてもらいました。ほぼパーフェクトな彼とは違って、私のスクリーンセーバーは下着姿とセミヌードまであり、です。ウチの男性現地スタッフの意見をまとめると、一人で見る分には全然問題ないし(過激じゃなくて)つまらないくらいだけど、たとえ男の友達であっても、この類の写真を見せ合ったりすることには若干の抵抗がある、とのこと。まして会社で女性社員に見せるような写真では無い、との判断でした。「中国はまだ保守的だから...」と現地スタッフが付け加えました。
秘かに憧れるアイドルの写真あたりも含めてこの類のモノ、特に水着の写真などはあくまでもプライベートで秘かに楽しむもの、よほど親しい友人同士でないと見せ合ったりもしない、と言うことのようです。しかも、恋人や家庭がある場合は一層注意が必要なのでしょう。
ただ、このことは中国が保守的というよりは、日本が開放的過ぎると言った方が良いのかも知れません。ヌード写真が掲載された雑誌をパブリックな場所で読むことにさほど抵抗を感じないのは日本人男性くらいだと言います(韓国人男性にもその傾向があるそうですが)。北京首都空港に海外から到着した飛行機の清掃で一番人気が高いのが、日本からの到着便だそうです。清掃員にしてみるとエッチな雑誌をいっぱい手に入れることができますから。

先ほど例の彼に連絡してみると、スクリーンセーバーを彼女の写真に換えたとのこと。きっと私と同じような方向で原因分析したのでしょう。早く信頼回復できますよう願っています。






Last updated  2006.07.25 22:36:44
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2006.07.24
航空便が拡充されて、日帰りはさすがに無理としても、1泊の北京出張なんて方も多いようですが、せっかく北京にお越しになるのであれば、せめて北京の概要くらい掴んで帰られたほうが良いと思います。空港-高級ホテル-現地オフィス-高級レストラン-空港、だけの行動パターンでは、北京を見てきたことにはなりません。多重構造のマーケットや人々の生活を少しでも感じ取ることは、ビジネスでほんの少しでも中国に関わる皆さんにとっては、必ずプラスに働くはずです。
なかなかお時間が裂けないお忙しい方であっても、30分でも1時間でもいいので、時間を作って、一層充実した北京出張にしていただきたいものです。
以下、北京にご出張される方に、できればトライしていただきたいことを挙げてみます。

人民元を持ち歩きましょう。
出張期間中、クレジットカードで済ませようと思えば不可能ではないかもしれません。会社のクルマで移動して高級レストランやデパートで食事や買い物をするだけならば、現金を出し入れする必要はありません。
でもタクシーに乗ったり、夜遊びをするには現金が必要です。駐在員に立て替えさせるのは止めて欲しいものです。また、せっかく北京にいらっしゃったのですから、できるだけ庶民的な場所で現金を使ってみるのも、当地の金銭感覚やマーケットを知る上で良いことです。
人民元を持ち歩きましょう。成田でも北京のホテルでも両替できますが、北京首都空港でバゲージを待つ間に両替することも出来ます。それに、北京でのクレジットカード払いは、日本ほど安全とは言えません。

「ニーハオ!」くらいの挨拶はしましょう。
空港の入国審査、ホテルのチェックイン、レストラン、自社の現地オフィスなど、中国人と接するときには、「ニーハオ!」くらい中国語でトライしてみてください。あんまりしつこいのも何ですが、初めてあった方に「ニーハオ!」と挨拶するのはとても良いことだと思います。あなたの「ニーハオ!」が、日本人の、日本のイメージを変えることができるはずです。

現地オフィスに立ち寄りましょう。
北京に出先がある企業の方でも、取引先やホテルなどで打ち合わせを行い、現地のオフィスに立ち寄らずに帰られてしまう方が意外と多いようです。特に日本本社のトップや役員の方などは多忙なのかもしれませんが、ぜひ現地オフィスに立ち寄って様子をご覧になったほうがよろしいと思います。
ほんの少しの時間であっても、自社のオフィスや工場に立ち寄れば、現地の苦労や問題点も少しは見えてくるかもしれませんし、現地のスタッフもきっと悪い気はしないはずです。

現地スタッフとコミュニケーションしましょう。
現地オフィスに立ち寄っても、日本人社員とばかり打ち合わせをして、現地スタッフとはコミュニケーションせずに帰られてしまう方が多いようです。自社の支店、現地法人、合弁会社で、現地スタッフの立場は異なると思いますが、いわば北京の同僚として後輩として現地スタッフと接することは、お互いにとってきっとプラスになるはずです。言葉の障壁があるかもしれませんが、ちょっと挨拶を交わしたり、或いは通訳に手伝ってもらったりして、積極的にコミュニケーションをとってみましょう。
長い滞在の場合は、日本人とばかり行動せずに、一回くらいは現地スタッフと食事をする機会を持ってみてはいかがでしょうか。

少しは街を歩きましょう。
マーケット視察ということで、自社製品を販売しているお店に立ち寄る方は多いようですが、それだけでは北京のマーケットや人たちの暮らしにまで触れたことにはなりません。デパートやスーパーなら、できれば庶民的なところにも足を運ばれるのが良いと思います。太平洋百貨やイトーヨーカ堂、カルフールに加え、藍島百貨と京客隆あたりに立ち寄るのがよろしいかと思います。
北京は道路も、建物と建物の間もだだっ広いので、移動は自動車に頼りがちになると思いますが、ほんの10分でも街を歩くことをお勧めします。交道口東(南)大街あたりであれば、庶民生活に近づくことができますし、鼓楼もみることができ、後海でのお食事にも便利です。西単大街や中関村大街もお勧めです。

飲み物を道端の売店(小売部)で買ってみましょう。
北京は乾燥しているので喉が渇きます。ペットボトルのミネラルウォーターや飲み物は持ち歩いたほうが良いと思います。ホテルのミニバーなどに用意されていると思いますし、売ってもいると思いますが、ぜひ道端の小さなお店で買ってみてください。ホテルとは値段も品揃えもまったく違い、ちょっとした驚きが体験できると思います。

食事のパターンを工夫しましょう。
5つ星ホテルの中などの高級レストランで夕食をとっても日本と比べると割安感があるはずです。でも本場の中国料理で無い場合が多いのです。中国料理と言っても、広東料理、四川料理、山東料理など地域ごとに特徴があり、北京ではあらゆる地域の中国料理が楽しめます。本格的な中国料理は専門店で召し上がるのが良いでしょう。
超高級店から最も庶民的なお店まで、値段もサービスも雰囲気もピンキリです。ぜひいろいろなパターンにトライして、フツーの北京感覚を掴んでいただきたいものです。
北京のオフィスや工場に社員向け食堂があるような場合には、昼食を一度そこで食べてみることをお勧めします。
短い滞在だからといって、本格的な餃子と北京ダックと酢豚とチャーハンと杏仁豆腐を食べれるレストランに連れて行ってほしい、などとアテンド役の駐在員にリクエストするのだけは勘弁してください。何でもあるようなレストランは、一昔前の日本のデパートのレストランみたいなもので、本格的な料理は期待できませんから。






Last updated  2006.07.24 15:02:30
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2006.06.20
北京の人たちも、ドイツ・ワールドカップはビールを飲みながら観戦。でも、このビールの値段がなかなかのキワモノです。

例えば海外ブランドのローカル生産ビールの大ジョッキ一杯、ローカルのレストランで飲むと5元(75円)くらいです。日本料理のレストランでも安いところだと10元(150円)くらい。お店によっては15元(225円)で飲み放題だったりします。でも、こないだ日本vsオーストラリア戦を観戦したスポーツ・バーでは大ジョッキ一杯が40元(600円)でした。これがとある五つ星ホテルのレストランとなると50元(750円)+15%のサービス料になります。
つまり、ほぼ同じグレイドの大ジョッキ一杯の値段に、5元(75円)から50元(750円)と10倍の幅があるのです。ちなみに私が知る限り、北京で一番高い大ジョッキ一杯のお値段は80元(1,200円)です。ドイツ系五つ星ホテルの中のビアレストランの"自家製ビール"で、確かにおいしい感じがします。
もちろん、大ジョッキ5元のレストランと50元のレストランでは、客層に多いな違いがあります。でも50元のレストランに出入りしている消費者であっても、普段は5元のお店を利用することもあるのです。ターゲットによって、TPOに応じて、10倍以上の料金すら受け入れてしまう、北京はこういう市場なのです....。

もともと、北京の人たちは家でビールを飲むと言う習慣はありませんでした。きっとプロ野球中継と枝豆が無かったからかもしれません。ビールは主としてレストランやバーなどの飲食店で消費されてきました。でも、ここ10年そこそこで家でビールを飲む人たちも増えてきました。きっと自宅で家族や友人とビールを飲みながら観戦している人たちも多いことでしょう。私も日本vsクロアチア戦は友人と自宅で観戦していました。もちろん、ビールをたんまりと買い込んで....。

自宅で消費されるビールは圧倒的に大瓶が主流です。北京では、地場ブランドである「燕京ビール」が8割以上のシェアを誇り、昨年から北京市場での販売を強化した「青島ビール」が1割強のシェアを占めています。この二つのブランドのほか、日本資本の「北京ビール」と「雪花ビール」が激戦を繰り広げており、価格競争も激化して、いまや大瓶1本のお値段は1.5元(22.5円)です(お店によって若干の違いはあります)。これに瓶の保証金が1元(15円)加算されますが、中味は1.5元。500ミリリットルのローカル・ブランドのミネラルウォーターよりもお安いのです。
私もそうですが、大瓶ビールは近所の雑貨屋さんで買うのが一番です。何よりも日付が新しいのです。一日か二日前の製造年月日のビールが並んでいます。しかも、顔なじみになると届けてくれます。1ケース(24本)買っても、36元(540円)ですよ。

北京に住み始めたばかりの日本人の多くは、スーパーマーケットなどで缶ビールを購入することが多いのではないでしょうか。こちらでは350ミリリットル缶が主流です。でも(中国生産ではありますが)御馴染みの日本ブランドが5元(75円)くらいで売っているのですから、「すごく安い!!」という感覚に陥るのではないでしょうか。これがローカルブランドになると3.5元(52.5円)くらいです。でも一般的にスーパーマーケットで売られている缶ビールは日付が古いようです。つまり、回転率が低いのです。

コンビニが進化していない北京の人たちの多くが自宅で飲むビールは、近所の雑貨屋さんで買う大瓶です。缶ビールの2倍以上の容量で値段は半分以下、持ち帰りも便利、環境にも優しく、しかも新鮮。これが決め手でしょう。

こんな市場で戦わなければならない日本のビール会社はほんとうに気の毒だと思います。
そしてこの国でお仕事されている日本人の皆さんには、いろんなところでいろんなビールを飲んでみて、買ってみて、日本などとの市場構造の違いを実体験されることをお勧めします。






Last updated  2006.06.20 21:36:52
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2006.05.26
中国の日系企業で日常的に発生する問題やトラブルの半分以上は、日本人マネージメントとローカルスタッフとの相互コミュニケーションの不足から由来する、と言っても過言ではないと思います。お互いの気持ちが伝わらない、と言う情緒的な要素もありますし、指示や命令が徹底しない、と言う実務的な要素もあります。でも根本は言語の問題でしょう。
日本の企業から中国の現地法人に派遣され、管理職の任を負う日本人の多くは、中国語が自由に操れるわけではありません。企業によっては中国語能力を中国駐在の条件としたり、赴任前に中国での短期語学留学研修を課したりしていますが、ビジネスレベルの中国語能力を持ってマネージメントに携わっている駐在員は決して多くは無いでしょう。

現実的には、ビジネスシーンでは必ず通訳を介するケース、できる限り中国語でコミュニケーションをしようとするケース、日本語対応可能なローカルスタッフを中心に社内を組織するケースなど、さまざまです。
通訳を介するケースでは、やはり通訳の能力と素質が重要となります。また、長い話を要約してしまうような通訳ですと、指示のバックグラウンドなどがローカルスタッフに伝わらないこともありますから注意が必要でしょう。日本人も中国人も話す側はできるだけ短いセンテンスで話し、通訳に逐語訳を求めるのが良いのではないでしょうか。
日本人マネージメントが中国語でコミュニケーションしようと言う姿勢は、たとえたどたどしい中国語であったとしても、一般的にはローカルスタッフに歓迎されるでしょう。お互いに話していることを理解してもらいたいと思っているのであれば、発音の良し悪しなど関係なくなったりするものです。相手の理解が怪しいと感じたら、筆談や辞書を使って確認するのも良いでしょう。ただお互いの理解度は決して100%にはならない、という前提でのぞむべきでしょう。
社内を日本語ができるスタッフで固める場合、語学能力に長けたスタッフが必ずしも業務領域で能力を発揮するとは限らない、という認識に立つ必要があります。
いずれにせよ、100%完璧に伝わるわけではありませんから、スタッフへの指示や命令については話すだけではなく、メモや文章にして、確認し合うことが肝要だと思います。

それでもマン・ツー・マンの場合は、複数の日本人や中国人がディスカッションするミーティングの場合より、お互いの理解が深まり易いと思います。ミーティングの場合は一層たいへんです。
通訳を介する場合、参加人数にもよりますが概ね10人を越えるようなミーティングであれば、一人の通訳では無理があると思います。日本語から中国語への通訳と中国語から日本語への通訳をそれぞれ用意するのが理想だと思います。一人に双方向の役割を求めるのは、多数のスタッフが発言するミーティングの場合、相当の負担になります。議論が白熱化すればするほど、通訳への負担が大きくなりますし、かなり優秀な通訳であっても、混乱と誤訳を招きかねないでしょう。

通訳を介さずにミーティングを行う場合、言語に関するルールを徹底すべきです。日系企業とは言え中国で企業活動を行っているわけですから、社内ミーティングの言語を中国語で統一するのが理想的ではないかと思いますが、その企業の事情によって、英語であったり、日本語であったりしてもよろしいかと思います。ポイントは、使用する言語を決定したら、それ以外の言語での発言は慎む、と言うルールを厳守することです。
例えば日本語が分からないローカルスタッフも参加するため、ミーティングの言語を中国語で統一する場合、ミーティングの最中に日本人同士が日本語で話し合うようなことは慎むべきです。ローカルスタッフの中でも日本語の分かるスタッフだけが聞き取れて、そうでないスタッフには、何を話し合っているのかまったく伝わりません。たとえローカルスタッフやミーティングの内容とは直接関係の無い会話であっても、ローカルスタッフはちょっとした疎外感を味わうことになるはずです。ミーティングの間は、日本人同士の議論であっても中国語で行うか、それが無理ならば、通訳や日本語能力のあるスタッフに訳してもらうべきです。
逆もまた然りで、参加者すべてが日本語を使えるので、ミーティングの言語を日本語で統一するような場合は、ローカルスタッフ同士が中国語で議論を戦わせるのも禁止しましょう。英語が統一言語なら、日本人同士が日本語で、中国人同士が中国語でディスカッションするような隙をミーティングの間は与えてはなりません。

ミーティングでの発言内容は、理解深度の違いは生じるにせよ、すべての参加者に公平に伝えられるべきだと思います。とりわけ、ミーティングの最中に日本人同士が日本語で話することは避けるべきでしょう。何気ない会話もあるしれませんが、例えば、「日本の本社ではこうしていた」とか「日本の本社がこういう方針だから....」のような、ミーティング・テーマのヒントやバックグランドが紛れ込んでいることが意外と多いものです。そうした会話を聞き取ることができるスタッフとそうで無いスタッフとの間に"情報格差”を生じさせることはミーティングにおいては避けるべきです。ローカルスタッフも参加しているミーティングで、日本人同士が日本語でディスカッションして、その結論だけを中国語で説明することもフェアとは言えないでしょう。ミーティングでは言語ルールを作り、それを厳密に守ることが、相互理解のうえでも大切だと思います。ローカルスタッフに聞かれたくない会話なら、別な場所で行えばよいのですから...。

社内文書やミーティングに利用する資料などについても、統一言語を決めることは大切です。多くの日系企業には、日本語や英語ができる中国人、英語や中国語ができる日本人などが混在するわけですが、ドキュメントのほうも中国語、日本語、英語が混在したままです。大企業の中には統一言語を定めているところもありますが、日系企業の場合、あまり厳密に守られていないようです。特に、日本人マネージメントが日本語のままの資料をローカルスタッフにも共有させるケースが多いようです。漢字や数字が中心の資料だから日本語の分からないスタッフでも読み込めるはずだ、と思い込みがちなのですが、意外なところに落とし穴があったりして、内容が伝わっていないケースが発生しがちです。
ドキュメントに関しても、中国語で統一したほうが最終的には効率的だと思います。本社などからの日本語や英語の文書を中国語に翻訳する手間はかかりますが、中国で企業活動をする以上、社外から受発信されるドキュメントの大半は中国語ですし、スタッフの大多数が中国語のネイティブスピーカーなのですから。

伝えたはずなのに、話したはずなのに、(資料を)渡したはずなのに.....。とローカルスタッフを責める前に、社内における言語ルールの徹底をしてみてはいかがでしょうか。






Last updated  2006.05.26 14:32:08
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2006.04.27
「中国はとんでもないところだ。中国人は言うこと聞かないし、悪さばかりする....。」こういう話をするのは、大企業の日本人駐在員、しかもあまり若くない方にに多いように思えます。日本と比較したら、うまく行かないことはたくさんあるでしょう、ここは中国なのですから。

でも中国のことを愚痴っている日本人駐在員の中には、中国人顔負けの"悪さ"を働いている人も居そうです.....。こんなお話、ブログに書くことは憚れちゃいますが、きょうはちょこっと触れることにします。なぜなら、そういう"悪さ"を働いているオジさんこそ、中国人スタッフの"悪さ"を声を大にして叫んだりしていたりするからです。

例えば、社用車の私用。
日本の大企業の幹部クラス以上の駐在員であれば、北京では社用車を使えたりします。朝夕の出勤・退勤のとき、取引先に出かけるとき、顧客を空港に出迎えたり送り出すときなどに、運転手つきの社用車を使います。取引先との接待で、夕食にご招待したり、顧客をご自宅までお送りする、これも社用だからOKでしょう。仕事関係の人とゴルフに出かけるときに社用車を使う、これもOKだと思います。お子さんの学校への送迎、奥様のお買い物など、駐在員の家族による社用車の利用を認めている企業もありますから、これも私用にはあたらないでしょう。
私個人としてアウトだと思うのは、スナックやカラオケに社用車を待たせたまま、個人的に夜遅くまで遊んで、お店の女の子を社用車で送ったりする駐在員("送る"イコール"帰宅"というケースが多いわけですが)。若い日本の女の子との合コンに社用車で乗り付けて、気に入った女の子を送っていく、と言うのもアウトかな、と思っています。
個人的に社用車を利用したり、休日にゴルフの送迎を頼む場合、運転手には会社の残業代とは別に恐らく個人的にチップを支払ったりしている場合もあるようですが、運転手とは言え会社関係の人間にチップを払うこと自体、よろしく無いような気もします。
そういう私も、直接仕事に関係しない知人が北京にやってきたりすると、出迎えに社用車を利用したりしますが、自分を戒めるうえでも、社用車の私用は日本人的には良くない、と宣言します。ちなみに、中国人老板(社長、まぁ一流企業は別ですが)の場合、社用車=自分のクルマという感覚の方が多いようです。中国の商習慣などをあれこれ批判したいのであれば、社用車の私用は自粛するのが賢明ではないでしょうか。

例えば、通訳や通訳の私用。
中国語が得意でない駐在員にとって、通訳(或いは通訳兼秘書)は最も身近な中国人になる場合が多いようです。エアチケットの手配、ビザの更新、携帯電話の手配、住所変更手続き、顧客と接待に使うレストランの予約など、仕事に関わるさまざまなサポートをしてもらっているうちに、私的用件まで依頼してしまいがちです。食料品や日常用品のお買い物まで通訳連れで出かけるような駐在員の方は何度かお見受けしました。北京での生活環境に馴れるまでの間は、仕方ないのかもしれませんけど、更にエスカレートしてしまう方もいるようです。
例えば、女性秘書とただならぬ関係になってしまうような.....。この場合も、社用車同様、お給料のほかに、個人的にお手当てを支払ったりするケースが多いらしいのですが。バレないように頑張っても、周囲の皆さんはお見通し、という場合が意外と多いことも忘れてはなりません。

例えば、横領。
私が実際に目撃したのは、北京での住居費用に関わるケースです。ウチもそうですが、日本本社の海外勤務規定により、北京での家賃の上限が定められている企業が多いのではないでしょうか。例えば上限が月2,500USDだとします。実際には2,000USDの家賃のマンションを借りて、家主や仲介不動産と結託して会社には2,500USDということにして、毎月500USDをバックマージンとして貰う、つまりピンハネするような輩が居たりするのです.....。
あまり具体的なことは書けませんが、いろんなことをされている方がいらっしゃいますね。

という私も小心者なので大きな"悪さ"はできないにせよ、せこい部分で会社を個人的に活用したりもしてきました。"悪さ"のことを、偽善者ぶって告発するつもりで書いているのではありません。
私には、大きな"悪さ"をしている日本人駐在員のほうが、「中国人や中国人社員は"悪さ"ばかりする」などと大きな声で言いふらしているように思えて少し不愉快なのです。ご自身が清廉潔白ならば説得力もあるのでしょうが、私たち日本人にも弱いところがあるはずですから、そのあたりも考慮されたほうが良いのでは、などと思うのですが.....。






Last updated  2006.04.27 17:38:44
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