退職までの道ー14 セミファイナル
4月末。上司が一人になるのを見計らって切り出した。「ちょっとお話が…。」別室での面談。「主任から、話は少し聞いてる…。平成20年度はご存じのように既に始まってる。その中で他の支店で1日目で辞めるって言ったやついてるけど、俺は手を出さんけど出してもおかしくない事を彼はやったと思う…。辞表を書くのは簡単や、でもあの彼と同じ評価されてしまうで。去年の人から比較したら今年はマシやで。1年やって耐えられないって言うなら仕方ないけどなぁ。とにかく不安やと思うけどもう一度考え直してもらって」と。平成20年度の計画は末端の俺たち抜きで上が勝手に決めて、俺が命じられたのは年度の変わる10日前程や。1日目で辞めるって言った奴を高評価してる奴もいることを管理職は知らないし他人の目なんて気にしてたら何もできない。万一、手を出されたら起訴できるできないに関わらず被害届出すし。辞表を書くのは簡単やけど出すのは大変や。去年なんて関係ない。人は人、俺は俺。もう一度考え直しても、会社と自分を天秤にかけたら自ずと答えは出てくる。管理職として必ずある説得工作。話を切り出した時点でそれが結論、意志の到達先。5月2日まで試合は延長された。