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豊潤な人生と言うように訳していた。 もっとも、ラッシュを酔っ払いとかけていたので、 芳醇な人生というのが正しいのかも知れないが・・・ まず最初に思い出したのは、 けっこう昔に読んだ、恩田陸の『ドミノ』 複数の人間が絡み合って、大きなうねりを生み出す、 物語の荘厳さは、まさしくそんな感じだった。 精神科医や美術館経営者、絵描きに泥棒、サッカー選手や果ては宗教家まで、 出てくる登場人物は数あれど、誰一人無駄には登場しない。 ちょい役のように話に出てくる人物も、道端ですれ違った人も、 分かれた旦那だろうが、盗みに入った家主だろうが、 誰も彼もにスポットがあたり、それぞれの行動を描いていく・・・ 同時進行のように書かれながらも、 時系列に若干のズレがあり、 最後まで読まなきゃ読みきれない展開が、 少しずつベールを脱ぐたびに、軽い感動を覚えた。 広く多岐に渡る選択肢の中で、彼らは出会い。 その運命の輪は、彼らの中だけで閉じている。 綺麗に纏る様に、広げた風呂敷を畳んで終わる。 さすがは伊坂幸太郎、圧巻です。 途中で、リングの外に名前だけ登場する人物として、 他作品の主人公が出てきたのは思いのほかうれしかった。 『オーデュポンの祈り』に出てくる男である。 しゃべる案山子に人生を変えられた男。 他には『鴨とアヒルとコインロッカー』を彷彿させるボブ・ディラン。 もっともこの作者の場合、ディランは結構登場するのですが・・・ ミステリなんかでよくある、死体のリサイクル。 身代わりにしてみたり、道具にしてみたり、 西尾維新のクビキリサイクルなんかじゃ3重に死体の利用をしていた。 そんな事を思い出した。 出涸らしも出ないくらいに、全ての行動を無駄なく使い切る。 無意味に思える行動が後々聞いてきたりして驚きを覚えるのが、 いかにも伊坂幸太郎らしい部分です。 ラッシュライフ・・・『魔王』についで好きになった。 そういえば、 ちょっと前に気づいたのだが、伊坂幸太郎の魔王って、 週間少年サンデーで漫画化していた。 しかも、『グラスホッパー』の殺し屋まで出てくる 伊坂のファンのストライクゾーンを行く作品だ。 う~ん、買いたくなってきた(けどまだ単行本化はしてないかな) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.09.15 20:35:10
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