何よりも衝撃的なのは、アフリカの実状だ。RUFによる人民の虐殺や拷問めいた行動。
エドワード・ズウィック監督は、躊躇なくショッキングな映像を積み重ねていく。
とくに、RUFに捕らわれたソロモンの息子を始め、
銃を手にした子どもたちの行動には目を覆うばかり。
キャストはそろって好演だが、ディカプリオの熱演が光る。
ソロモンが発見したというピンク・ダイヤモンドを狙って悪役の面も出しながら、
アフリカの現実から逃れたい切実さまで醸し出し、
クライマックスの彼の表情には涙を誘われる。
社会派の重いテーマを貫きながら、要所での派手なアクション、
ほのかなラブストーリー、さらに人間同士の感動ドラマが無理なく絡み、
娯楽作として見ごたえ満点なのは高く評価されるべき。
ブラッド・ダイヤモンド 特別版