線香
18日が彼岸の入りだったとその日の夜になって知り、もうそんな頃かと、その翌日お寺に向かいました。その途、知合いの花屋に寄ると、「彼岸の入り前に来ないなんて珍しいじゃないか。」とご主人。 そういえば―「いつも花の値段が一番高いときに来るんだからなぁ」ご主人は苦笑いしながら、花代をおまけしてくれるのでした。 今日は一日遅いだけで、その半分の値段です。その代わり、店先に菊は一本も残っていません。「線香はあるの?」ご主人に言われて、思わず手を打って笑ってしまいました。 何もかも忘れてきたのです。線香を少し分けてもらって、お寺へ。花を供える前に、お寺に挨拶―こんな時は、どんな言い回しをするものやら…―遅くなりましてぇ…花屋での一件があるので、なんとなく恐縮してそう言ってみたものの、まだ中日にもなっていないのだから、遅れたわけではないのでした。住職さんも戸惑ったような顔をして、気まずい空気ばかり漂うものだから、逃げるように墓に向かいました。すると線香を点すに、風が強過ぎるのか、ガスが切れたのかライターから火が出ません。~で、これから、また線香を上げに行ってきます。写真は、上野の寛永寺です。線香一束100円―だったと思います。火を点けるための電熱器が、ちゃんと用意されていました。【 ピンクの象の回顧展 】上野の寛永寺といえば、あの... 鬼瓦