末摘む花の雑記帳

2022/10/30(日)17:17

あきない世傳 金と銀(13)大海篇・高田郁

本(195)

あきない世傳金と銀(13)大海篇・高田郁 ・2022年8月18日 第1刷発行 ・(株)角川春樹事務所 吉原の衣装競べで、僅差で勝ち星を上げた日本橋音羽屋は、望み通り、大店のお抱えとなり、五鈴屋が推した歌扇は衣装競べでは負けたが、座敷に呼ぶお客が引きも切らず、望み通り芸一本で生きていく道筋がついた。 歌扇が髪に挿した柘植で作られた「菊栄の笄」は、銀3匁と言う懐に優しい値もあり、江戸の女を夢中にさせるには十分だった。 これまでの客に気兼ねなく店に来てもらえるよう考えた、武家相手の座敷商い専門の「五鈴屋呉服町店」と「菊栄」の店が呉服町に開店。全て順調に滑り出したかと思えたとき、突然町名主から「呉服町店の家屋敷を明け渡せ」との呼出が来た。なんでも家屋敷が二重売りされていたと言うのだ。手続きに不備があった五鈴屋と菊栄に勝ち目はないと言うが、町奉行所に「本公事」として願い出ることにし、店を明け渡した。 奉行所からの沙汰がないまま月日が流れたある日、音羽屋忠兵衛が「謀書謀判」の罪で縄をかけられ大番所へ連れて行かれたと言う知らせが入った。死も免れない重罪である。その後判明した思いもかけない人の裏切りや災禍を乗り越え、五鈴屋主従は、「買うての幸い、売っての幸せ」を掲げ、「衣装とは何か。商いとは何か」に、五鈴屋なりの答えを見出していく。 カバー、裏面の文章の末尾に「商いの大海へと漕ぎ進む五鈴屋の物語、いよいよここに完結」と、ありました。 私には、これで完結???と思える、中途半端な終わり方でした。 「みをつくし料理帖」と同じように、その後を書いた「特別編」が出るかもと、期待しています。 あきない世傳 金と銀-1〜3巻 あきない世傳 金と銀 4〜6巻 あきない世傳 金と銀 7〜9巻 あきない世傳 金と銀 10〜12巻

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