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2007年06月16日
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カテゴリ:私の事、色々と
 こんばんは。再び伊東です。
 第211号で皮肉の意味をこめて「柳沢発言の行き着く先-強姦許可法」という小説の枠組みを考えた時がある。と書きましたが、どういう枠組みで書こうとしていたのか。手元にあるメモを捨てる前に、このブログに書き記しておこうと考えます。なお、文章にする事ができない部分は、伏字にさせていただきます。

 もちろん、以下に書く事は実行させてはいけないものです。
 だけども、有権者の監視が甘い状態になると、民主主義の制度を採っていてもこういう事は起こりえる、という趣旨で、以下のメモ書きを記させていただきます。どうかその部分をご了承ください。

2.こんな小説考えていました-パート1-。

「『女性は子供を生む機会』の行き着く先…強姦許可法」

第一章
 ××年の国会。議席数の多数にすっかり酔っていた秦田(しだ)内閣は、厚生労働委員会でとんでもない法律案を審議していた。刑法の第177条から第181条の削除。通称「強姦許可法」であった。
 どっちかいえば、政権側に温かかった世論も、さすがに今回は厳しい視線で見つめ、国会の審議でも同委員会に入っている共産党・大舘佳奈子をはじめとした厳しい追求にさらされたが、最後は与党が採決動議を発動。「起立・礼・着席」の三段攻撃で法律を押し通した。

 ちなみにこの法案の意義というのは「少子化に陥っている状況の打開」というものだったが、「第18条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。」という憲法に違反するのではないか、という意見が大舘から出されたが、提案者の大川一誠、厚労相の柳本博は「日本民族が継続していけるかどうかの瀬戸際だ」という強弁でこれを押し通した。

第二章
 提案者の大川曰く
 「冗談で出したのに…まさか通るとは思わなかった」
 と身内の集会で発言。この時期には、自分で考えることを知らないブロガーが「強姦許可法賛成!」「これで男は元気になる」「人口も増えて万々歳」という意見を繰り返し繰り返し掲載。秦田首相も「刑法を取っ払ったからといって『美しい国』の臣民…おっと、国民が他人に嫌がる事はしないでしょう」と能天気発言。
 しかし、その毒牙は早速世間の女性に対して向けられていた。

 「今出スポーツ」。日本で一番売り上げの少ないスポーツ新聞だ。
 この編集局長兼記者兼カメラマン兼経理課…ま、高橋元気が一人でこの新聞社を切り盛りしていた。発行が一週間に一回という事で、時間が空いた時は畑作業もやるし、コンビニの夜勤にも入っていた。好きな野球は草野球すら出来ていない多忙な日々をすごしている。

 「“強姦”事件、前月比200%増加。」
 …こう書かれていた是読新聞をテーブルにたたきつける。その見出しの横に「妊娠件数も150%増加。柳本大臣の狙い的中」などという提灯記事の書き方に高橋は吐き気すら催していた。そこに今時黒ダイヤルの電話のベルが鳴った。
 「はい、もしもし…高橋、もとい今出スポーツですが?
  はい、はい…わかりました。今うかがいます。」
 高橋は農作業着を脱ぎ、シャワーを浴びた後スーツに着替え電話をかけた人物の所へ駆けていった。

第三章
 ボロのワゴンRに乗り30分。電話をかけてよこした親友の松本真宅に着いた。そこには松本の他にはじめて会う方が一人、ポツンと座っていた。
 「お前が嫌っていた『クソ法案』の被害者だ。」
 かなり沈んだ表情の彼女。あつかましいマスコミならずうずうしくマイクを突きつけて「どーですか、どーですか」と言いそうなものだが、高橋にはそれが出来なかった。彼女が話しはじめるまで49分。高橋も、松本も黙って座っていた。

 彼女は先日家に帰り着く直前で、腕に「美国萬歳」と書かれた腕章をつけた男6人に襲われたという。彼女の叫び声を聞きつけた父親と兄が家から彼女-名前は鳥居佳澄と話してくれた-を救おうと出てきたが、その「美国萬歳」の男の内、4人がその父親と兄に襲いかかった。
 「われらが日本を救うための行動を邪魔するとは何事だ!」
 「この“非国民”が、××してやる!」
 というなり、手に持っていた棍棒を二人にたたきつけた。
 「美しい国、日本!」
 と叫びながら激しく棒をたたきつける二人。やがて気づいた時には、父親も兄も生きている様子はひとかけらも見つけられなかった。

 「…もちろん、私がどうなったかは言うまでもないと思います。
 以前車の修理でお世話になった松本さんを思い出しまして、その友人が新聞記者をやっているという事で高橋さんにおいでいただいたのです。」
 自分でこういう行動をする、ということ自体が難しいはずだ。
 しかも、松本の話だとネット上で「非国民はこういう事をされても仕方がない」語りをされ、精神的な圧迫は巨大なものであっただろう。それでも松本を頼り、高橋にこういう話があったと話をしてくれた。

 「君は、この問題をどうしたいんだ?」
 高橋は、鳥居にたずねた。
 「私が受けたような事は、もうほかの誰にも体験させたくない」
 「私はこんなのに負けてられないと思って、松本さんや高橋さんにお話しましたが、大きい新聞に取り上げられない所では沢山の自殺者が出ています。
 人間を動物以下の存在にさせたくないのです。」

 一方、首相官邸。厚生副大臣に就任した大川と、首相の秦田がソファに向かい合っていた。
 「大川君。君の通した法律だが、ずいぶんと弊害が出ているようだよ。」
 大川は平然と座っていた。
 「柳本君が言っていたよ。『妊娠件数が増えたはいいけど、自殺者が多くなってしまうなんてのは想定外だ!子供を生む機械そのものがなくなっていいのか!』ってね。」
 こんなんレベルでしかモノを捕えられないのが腹ただしい限りだが、似たもの同士というのか、そんなのは意に介していない大川は、平然とこう述べた。
 「解決法は簡単でいいじゃないですか。国民一人一人に絶対外してはいけないIDを取り付けるんですよ。外したらその瞬間…」
 手をグーにしていたのをパッと広げ…
 「ドカン。」
 秦田は笑いながら
 「どこかの映画でそんなのもあったね。で、それにはもちろん…」
 「はい、盗聴器をつけます。」
 「盗聴機…共産党あたりがまた騒ぎ出しますよ。」
 「いいじゃないですか。こっちからリモートで爆発させてもいいんですから。どうせ、この国で我々に反抗しているのは共産党だけでしょ。他の『反日』勢力は潰しましたからね。」
 「話を戻すが、この盗聴機は…」
 「表向き『自殺防止』『犯罪防止』としておけば、あんな連中、だませますよ」
 有権者を「あんな連中」とはずいぶん人をなめた連中だ。

第4章
 某月某日。今出スポーツの紙媒体版、ウェブ版ともに鳥居の手記とこの問題に関しての高橋の書いた記事が掲載された。もちろん、鳥居のプライバシーに関しては最大の配慮がなされていた。
 「これで、ものを考えるきっかけになってくれればいいんだが…。」
 電話の対応に追われる高橋を横目に、松本は不安な表情を隠そうともしなかった。

 その日の国会。共産党の大舘と委員長の清水一道が厚生労働委員会で柳本大臣と大川副大臣に対して激しい論戦を挑んでいた。この法律に対しては、世界的にも激しい非難が起きていて、すでにいくつかの国との間では国交の制限、経済制裁が起きていた。今出スポーツと赤旗という媒体で、この法律案の問題点が世に広まり、また「強姦罪がないのなら」と傷害罪で対応するなど、この法律に対する反撃は確実に広まっていた。

 厚生労働委員会終了後。
 「クソッ!せっかく人口も増えそうになっているし、活力も取り戻せそうになっているのに何でわからないんだ、あの石頭!」
 部屋に入るなり、背広を大臣席に叩きつける柳本の姿がそこにあった。
 「ここはやはり、首相の言う秘策を実行するしかないですよ。」
 「あの『首輪』か。」
 「どうせここまできたんです。こういう事をする我々を選び、支持しているのは有権者なんです。だったら、とことん一緒に落ちていっていただきましょう。」
 
第5章
 「我々は日本国民の安全を保障するために、特殊な装備を作り、国民の皆さんに身につけていただく事にしました。この『エンジェル・フープ』を首に装着してください。この『エンジェル・フープ』は、国民の皆さんに何かあったとき、すぐ対応できる優れものです。
 最近、自殺者が年換算で6万人になる勢いで推移していますので、それに我々は手を打たなければいけません…」
 高橋は、そばにあったバケツを蹴っ飛ばした。それがラジオにあたって、ラジオの電源が切れる。すでにラジオ局は「大日本放送局」に統合され、心のそこからホッとする番組を聴くことはなくなっていた。
 「何をたくらんでいる…?」

 「『エンジェル・フープ』法案が、大日本自由党、大日本民議党、大日本遭政党の賛成で可決されました…。」
 まもなく『エンジェル・フープ』が全国民の首に巻かれる事となった。この中に盗聴機が取り付けられているのは以前にも語ったが、それを取り扱うのは「国民情報省」。その機械は、大臣の熊中久の指示により「大日本電信通信」が扱う事となった。

 「これで、自殺者は出さないし、日本国中をこの手の中に入れたのだから安心、安心。美しい国、万歳!」
 柳本、大川、熊中はそういってベルトを緩めたまま街の中に消えていった。彼らが何をするのかは想像に任せよう。
 だが、苦しい思いもさせ、そこから逃げる事も、非道な事をしたことに対して罪にも着せられない事がどんな悲劇を生むか…この脳天気連中はわかっていなかった。


※続きは第222号へ





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最終更新日  2007年07月05日 14時58分37秒
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