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2015/10/20(火)21:34

第300号 27日の東北デー…赤べこ、TDK、七十七のたたかいから。

社会人野球2007(41)

 こんにちは。再び伊東です。  いろいろな事に負われていたら、都市対抗が開始していた、というのは以前の記事でも書きましたが、予定では…CS放送機材を持っている家族に「GAORA」(ch302、都市対抗野球の全試合を中継しています)を一ヶ月だけとってもらい、その試合を録画してもらうという計画を立てていたのですが、その家族も忙しい状況が続いていて、無理を言えません。大会後に日本野球連盟からビデオテープが発行されますが、何しろ一試合1万円ですからね…。とてもとてもとても今の収入では追っつきそうにありません。  ネットカフェでこのチャンネルが中継されているかの模索もしましたが結論から言えば「なし」。やっとあったと思ったらそこはLホテルでした。もはや観念して、年末に再放送されるのを録画する事にします。しくしくしくしく。  では、東北デーとなった昨日の試合を記載していきます。 第三試合 仙台市・七十七銀行 0-10 川崎市・東芝 川崎市 5001400 10 【7回コールドゲーム】 仙台市 0000000 0 ◇本塁打 石塚(川) ◇三塁打 加藤(川) ◇二塁打 平馬2、石塚(川) 【川崎市】8井関雅也 5平馬淳 7渡部英紀(三菱横浜ク)3西郷泰之(三菱ふそう川崎)D小山豪(日産)9大河原正人 4石塚信寿(三菱ふそう川崎)6加藤佑介 2安田真範 P磯村秀人 《交代選手》伊勢泰孝(西郷・7)木戸一雄(磯村・7回からP) 【仙台市】8古川洋平 5鈴木良二(JR東北)D江井康胤(NTT東北マークス)3高橋利信 7佐藤茂徳(NTT東北マークス)8佐藤崇史 6小町啓志 2小河義英 4宇都伊織 P植松良太  《交代選手》藤田慎二(江井・D)門間勇介(高橋・7回代打)堀江雄也(佐藤茂・7)目黒達也(佐藤崇・7回代打)小松雄介(小町・7回代打)杉森智幸(小河・2)  …投手はまとめて 2回から平野将光(JR東北)→5回から千葉政彦→5回途中から海老沢誠→6回途中から多田賢治→7回から相沢滋。  まずは七十七銀行の試合から触れていきます。  04年にはベスト4。近年東北のトップを走っているチームの七十七銀行でしたが、この日先発した植松投手が初回でノックアウト。JRのエース・平野投手以下6投手をつないで防戦に努めましたが、5回にも4失点とビッグイニングを作られてしまい、打線も4安打と振るわず予想外の7回コールドで敗退しました。  七十七銀行は、06年あたりからメンバーが変わり始めた印象があります。00年代前半期を支えた選手達が社業に専念し、若いメンバーが沢山ラインアップに並ぶようになってきました。今日先発した植松投手は、投手陣の「新世代」の先頭だったのですが、この日はほろ苦い全国デビュー戦になってしまいました。  経験のある相澤、海老沢両投手という見本がいる内に、若手投手はこの2人を追い越していってほしい。それは高橋、小町選手がいる打線も同じです。(藤田選手、ラインアップにいないのは何故だ?)  川崎市・東芝は補強選手の顔ぶれも含めるとまさに「オール神奈川」。磯村投手の好投はさすがの一言です。 第二試合  にかほ市・TDK 1-4 熊本市・熊本ゴールデンラークス 熊本市   002200000 4 にかほ市 000000100 1 ▽本塁打 熊丸(熊)大瀧(に) ▽二塁打 熊丸、堂薗(熊)今村(に) 【熊本市】9熊丸武志(ホンダ九州) 4谷本尚也 8江田賢介 3草野善智 D前畑良磨 5宮田恵介 7横田孝太郎 6下田貴之 2脇屋敷洋平 P川畑正明 《交代選手》林祐太(前畑・代走→D)堂薗圭介(横田・代走→7)坂元大介(下田・6)山部康雄(坂元・代打)木野将信(山部・6)浜野雅慎(JR九州 川畑・7回からP) 【にかほ市】8金野義郎(JR東北) 4阿部博明 7高倉啓司 3佐々木弥 D大瀧俊也(JR東北) 5今村泰隆 9岩下昌史 2福田隆志 6山本大了 P野田正義 《交代選手》高木修二(金野・8)川本大(高倉・代打)松本力(今村・代打→5)岩井秀樹(岩下・9)高橋一成(JR東北 福田・2)田口篤史(野田・4回途中からP)摂津正(田口・8回からP)  新聞記事から見えるのは「前年覇者、というプレッシャー」。この日先発した野田投手は球が高めに上ずり、打線もどうにも得点チャンスを作れない、生かせない。何かもがきながら野球をしていたのではないか、という思いをしています。  このチーム、イメージとしては「高木選手が出る」「阿部博選手が生かす」「4番を争う3人(佐々木弥、高倉、今村各選手)で点を加える」。さらに「岩下、福田選手がどういう形でも好機を作り」「松本力選手が『何かを起こす』」というものがあるのですが…どうにも、ね。いくら実績を作ったとはいえ、一試合一試合ごとに新しい絵を描くようなもの。  今回は、ゴールデンラークスが一歩上回ったのでしょう。補強の熊丸選手の活躍が、若い選手がそろうこのチームにいい刺激になりました。企業チームとはいえ(鮮ど市場がスポンサー)必ずしも条件がいいとはいえない中、現場の熱意が伝わる好チームです。  それにしても、摂津投手は打者6人に対して5奪三振。これはすごい。 第一試合 矢巾町・岩手21赤べこ野球軍団 1-2 高知市・四国銀行 矢巾町 0000000010 1 高知市 0010000001 2 ◇本塁打 安田(矢巾・代打) ◇三塁打 中濱(矢巾) ◇二塁打 田中、谷村(高) 【矢巾町】6佐藤薫(JR東北) 8安達哲郎 9二瓶準也 8中濱裕之(NTT東北マークス) 5南容道 D末次峰明 3荒川大輔 2玉城宏二 4高木誠一郎 P関連太郎 《交代選手》安田慎太郎(安達・9回代打→8)五十嵐剛(南・代走→5) 【高知市】7相原一紀 6菊池高志 D内田大輔 3山下徹 5谷脇努 8宗武秀幸 9田中祥映 2尾崎健一郎 4谷村一将 P東出康成 《交代選手》田中(9→7)/上野翔(JR四国 相原・代打)島崎久(上野・9)平山友(山下・8)妹尾英敏(JR四国 宗武・代打→3)岩井慎二(東出・10回からP)  さて、赤べこ軍団。岩手では、10時から1時間半と12時のニュース終了後に岩手放送がラジオ中継をしていました。岩手代表が久しぶりに本大会に臨むこの試合、先発は矢巾町が関投手、高知市が東出投手。それぞれに持ち味は違いますが、一点の重みを感じさせられる試合になりました。  3回の失点はラジオ解説者の話では「防げた失点」。相原選手のサード強襲安打を捕っていれば…という事なのでしょうが、これはこの後に適時打を放った菊池選手をほめるしかありません。  去年、TDKに補強された関投手でしたが、都市対抗東北大会以降、調子を崩したのかその後のクラブ選手権、北海道大会で痛打を浴びる事しばし。本大会でも2試合に登板しましたが、本来の投球ができたとは、とても言えない内容でした。  去年の都市対抗野球東北大会。熱を出して調子を崩し、TDKに代表を奪われた時、前田勝宏投手から「これで気づかないようなら先はない」と厳しい言を受けた。2006年中には、復調した気配は見えなかったけど、今年は違った。  私は都市対抗県大会・第一代表決定戦を見させていただきましたが、前年以上にスキのない関投手の姿がありました。応援するチームが、勝つのに苦労している水沢駒形相手に2点こそ失ったものの、大量点を失う雰囲気はなかった。(駒形も必死に攻め、互角にたたかった事は記しておきます)この後、東北大会でも企業チーム相手に奮投。JR東北に2回勝つことができたのも関投手の力投があったからでした。  しかし、打っては東出投手の多彩な球種に的を絞れず、補強の中濱選手がかつてのホームグラウンドで2安打を放った他は、予選では別な選手に出番を奪われていた高木選手がバントヒットを決めたくらいだ。0-1のまま9回。敗色濃厚か…と思ったときに背番号7が奇跡を起こした。いや、切り開いた。  安田慎太郎。  先述した試合の決着をつけたのは、この選手だった。  そして、この試合でも安田選手が試合を動かした。  そんなに体格は大きくない。一見すれば「短・中距離打者」。  しかし、そういう安田選手が強くボールを叩いた結果、打球はライトスタンドへとぶっ飛んだ。実際見ていないくせにこういう記述をするのもなんだけど。  ほんとうに「何かを起こす選手」がチームにいると、強さが際立つ。そういう存在感を見せてくれたホームランだった。いやはや。  しかし、この話は後で聞いた話であり、実際はラジオ中継が入っていたときには既に延長10回のピンチ…そして、関投手へ打ち返された打球がどこかを転がる間に、ランナーが帰って、サヨナラ。  何か、妙にあっさり試合が終わってしまった。  延長10回の試合が、2時間少々。  …クラブチームの台頭がある今の状況でも、中々組織だってたたかう実業団に勝つのはゆるくない。様々な条件の下で差がついてしまうから…だけども、赤べこ軍団は、そのゆるくない状況の下でも、対等に立ち向かい、勝ちに行った。  勝利をめざすエネルギーのすごさを感じさせられた。  それまでの野球人生、納得いかない、あるいは難しい道を歩く事を強いられた彼らの執念。この試合では実る事はなかったが、社会人野球はギブアップしなければ、再挑戦をすることはできる。  チームの存続問題で揺れていて、大変な状況、という話も聞いているが、様々な検証も経た上で、強力なライバルと認識して試合したい。挑みたい。  この3チームとも「対戦」した経験がある者として、今回の『三連敗』は少なからずショックでした。しかし、人生そのものもそうだけど「笑いっぱなし」なんて物はない。今日の試合結果でかがんでしまう結果となりましたが、次に飛ぶための助走、と考えれば…。  あっという間に終わった『東北の夏』ですが、こういう大舞台を踏んだチームと地元で腕を磨いてきたチームとがまたもぶつかり合います。日本選手権、東北会長旗大会。新しいたたかいが、また始まりました。  全国大会に挑まれた3チームの皆様、そのチームに関わった皆様。  本当にお疲れ様でした。  

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