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2015/02/23(月)00:17

2008年扱いその209 社会人野球・岩手のたたかいから。

社会人野球2008(52)

 こんにちは。伊東です。  今日は岩手の社会人野球ランキングから見た2008年のたたかいをまとめてみます。  ただ、ランキングに関してですが、実力差とポイントの差がかけ離れ過ぎているので、ベスト4以上のポイントを以下のように変えました。 優勝 15P⇒5P 準優勝 10P⇒3P 3位 8P⇒2P ベスト4 5P⇒1P 全国大会招待 10P⇒5P 地方大会招待 5P⇒1P  こう変えては見ましたが、これでもポイントの差はかなりのものがありました。これはもう、トーナメントという性格そのものに起因するもので…。その部分は後ほどまとめてみる事として、ランキングを再表示しながら、本編に入ります。  【2008年・岩手社会人野球ポイントランキング】 フェズント岩手   110.5P(15-11・1分) ※優勝-都市対抗県大会、岩手定期戦、日本選手権県大会、毎日旗、秋季岩手企業の部。 水沢駒形倶楽部 105P  (19-8) ※優勝-岩手県知事旗、クラブ県大会。 オール江刺     64P  (11-10) 赤崎野球クラブ   63P  (12-6) ※優勝-クラブカップ東日本大会。  ベン:と、いう事で、まずは岩手球界を支えた3チームに、東北以上の大会で優勝果たした赤崎クラブから触れてみます。まずはフェズント岩手。 伊東:赤べこ軍団が解散してしまった後、事実上岩手を支えているチームといえます。終わってみたら、県大会優勝5つ。県レベルでフェズントを破ったのはJRだけでした。  このチームの強さは確固とした投手陣ですか。  本格派の豊田投手、まとまりのいい小野寺投手が軸となり、TDKから移籍してきた左の志田投手も主軸投手としてがんばった。これに若い坂本投手たちがもうひとつレベルアップすれば…。 びー:東北の、特に3強と呼ばれるチーム相手では「球一個」のズレが命取り、という事を学んだようだ。これが岩手でのたたかいにも発揮されるとしたら、より大変な相手になるけども、レベルアップにもつながる。 伊東:岩手のクラブチームは、それよりもレベルの高い企業チームとのぶつかり合いの中から一定の強さを保つ事ができていました。いわば「壁」ってやつですか。打線もチーム結成3年で、熟成が進んでいる印象が見えます。 ベン:ただ大きい当たり、ただ足が速いとかいうだけでなく、どんな形でもしぶとく点を取れるチームになってきましたね。  続いて駒形。 伊東:捕手に赤べこ軍団の正捕手・玉城さんが加わって、チームがより手ごわくなった印象があった。特に、都市対抗やクラブ選手権の県大会では、クラブレベルでは他のチームを寄せ付けない“凄み”があった。 びー:そういう凄みがあったんだけど、残念ながら東北、全国という舞台では納得行かないたたかいに終わったのかな、という印象があったね(都市対抗⇒1勝2敗、クラブ大会⇒東北準決勝で敗戦、全国大会で延長で惜敗)。 伊東:それでも、今野、渡辺、佐藤雄亮各選手と投手陣の底上げはできつつあるチーム。野手も本郷、大谷、菊池各選手が伸びて、軸になりつつあります。捕手も一世代若い佐藤(剛)選手が出てきましたし、ね。 ベン:一番充実していたのはオール江刺ではないでしょうか。  駒形やフェズント、東北大会のNTTには苦戦を強いられ、時々悔しい序盤敗退もありましたが、クラブ県大会では準優勝。同全国大会では2勝してベスト8に進出しました。 伊東:向上心がやっと結果になって結びつきましたね。  中心的と呼べる投手が右上の寺長根さん、中鉢君、右横の高橋君、そしていまや中心的存在の岩泉君とそろいました。どの投手でも勝負できるのが強みです。 びー:打線も技の藤野、剛の村岡、さらに河野、菅原、高橋各選手と若くて意気のいい選手が出てきました。これまでチームを支えた三鬼、高林、杉田、今松、沢口といった各選手たちががんばった「土台」があったからこそ。 伊東:「時々悔しい序盤敗退」…番狂わせの敗退もありました。安定した力を常時出し続けるにはどうしたらいいか、というのが次の目標でしょう。   そして、赤崎ク。 ベン:なんといっても大きいのはクラブカップ東日本大会優勝。  伊勢崎、宇都宮、高崎と各県強豪を破っての優勝は見事でした。 伊東:ただ勝つだけなら山本淳一君が3試合投げれば…って所だけど、準決勝、決勝とエース以外の若手投手が踏ん張り、打線も得意の「つなぎ攻撃」で点を重ねて優勝を果たした。 びー:ただ、赤崎も都市対抗で黒陵、毎日旗で一戸と、後一歩及ばずの惜敗を喫した。  赤崎は勝つにしても負けるにしても「紙一重」。  一歩歯車が狂えば一戸との試合のように苦杯も喫するわけだ。 伊東:なんにしても、投手では佐々木純一、山田両投手が登場した試合で見せ所作る事ができました。野手でも20代の選手の出番も多くなっています。08年の文中にも多く書きましたが「岩手トップ」にのし上がったときの選手が、多く「転身」していっています。内陸部のチームと比べると環境面で苦労もしますが、どう岩手トップレベルを維持し、伸びていくか。期待し、応援していきます。高田クラブ      43.5P(8-6) ※優勝-秋季岩手クラブの部。 JR盛岡       41.5P(7-8) 黒陵クラブ      44P   (9-6) 宮古倶楽部        39P   (7-6) ※優勝-大槌ロータリー旗。 久慈クラブ      20P   (4-6) ベン:続いて5チーム。  高田クラブは秋の毎日旗大会で優勝。東北会長大会では駒形も破った経験のある全白河に勝ち、NTTにも大差はつけられなかった。実力は上に挙げたチームに劣りはしないだけに、より上に勝ち進むには投手二本柱を助けられる存在が必要かな。 びー:JRは、県知事大会で準優勝、日本選手権でも代表権に絡むたたかいを見せた。ポイント登録外だけどJR東日本大会では優勝も成し遂げた。段々熟成しつつあるチームだ。 伊東:黒陵は都市対抗で3位。毎日旗でクラブ準優勝。  それまでも伸びつつあるチームという認識はあったけど、2年前は公式戦で1勝に終わった時も。そこで崩れず、打線の力強さ、勝負強さも増してきた。後は投手陣の底上げ。  宮古倶楽部ははじめてタイトルを取った。「チーム改革」を掲げて2年。ひとまずの結果は出せている印象があります。佐々木監督いわく「強豪相手の善戦に満足はしない」という意気込みが、09年にどうつながるか見ものです。 びー:久慈は前年の“復活”の勢いをそのままつなげたかったのだろうけど、思うようにはいかなかった。クラブ大会で北上に不覚を取り、都市対抗では駒形の気迫に圧されて完敗した。日本選手権では差を縮め、毎日旗ではベスト4と負けっぱなしでは終わらなかった。 ベン:ここで書いた5チームとも、各チームともに問題点が解決すれば、上位のチームにも食らいつけるだけの力は十分に持っています。北上REDS        19P    (4-3) 遠野クラブ      14.5P (3-6) 盛岡倶楽部     14P   (3-4) 矢巾硬式クラブ    14P   (2-5) 大槌倶楽部     11P   (2-4) オール不来方      11P   (2-4)   釜石野球団        11P   (2-5) 花巻硬友倶楽部  10P  (2-2) 伊東:ここで書いたチームで…北上レッズが高卒の本城投手が春先に奮投して4勝。大槌は毎日旗大会でベスト4に勝ち進んだ。その一方で前年都市対抗4強の不来方が年間2勝、より“上”を目指す遠野が、都市対抗で4位だったものの、他の大会で苦しんで年間3勝に終わった。 びー:ほぼ同じポイントでも、明暗分かれる結果になった、という事か。  遠野なんか、選手層も厚くなりつつあるだけにもっと上行くかなと思ったんだけど、強くなりつつあるチームと見られると、それだけのマークはつく、という事か。 ベン:盛岡は都市対抗で江刺を破り、花巻もクラブ大会でベスト8。年間の勝利数は多くはないけども、見せ場を作れるチーム、多いですよ。盛友クラブ       8P  (1-4) 福高クラブ            7P  (2-3) 前沢野球倶楽部   7P  (1-4) 一戸桜陵クラブ       7P  (1-4) 盛岡市立クラブ       7P  (1-3) 一関BBC         3P  (0-3) 住田硬式野球クラブ  3P  (0-3・1棄権) 雫石クラブ        2P  (0-2) 九戸クラブ        2P  (0-2) 盛工クラブ    ※6月に休部。 優勝-ほかに富士大が「北上市長杯」「岩手アマ王座」。 ベン:ここで紹介するチームでびっくりしたのが2つ。  ひとつはかつてクラブ全国大会で優勝した一関BBC(優勝時は一関三星)が今年公式戦で勝てなかった事、1勝のみに終わった一戸が勝った相手は赤崎だった事。 伊東:…一戸は、何回も言ったけど伊達に長年チームを続けてはいないってモノを見せてもらった。なんだかんだで継続的に新人が入り、活力になっている。一関に関しては…ずっと「カベ」と思っていたチームだけにこの結果は残念です。 びー:もうひとつ残念なのが盛工クラブの休部。  過去2年、試合に臨んだときは大差をつけられてはいたけども、そこからどう熟成を図るか。楽しみにしていた部分もあっただけに残念な話だった。いずれ復活果たしていただきたいものです。伊東:さて、このとおり簡単ではありますがまとめてみましたが。 びー:フェズントの一強時代、と見るのも簡単だけど、他のチームにしても簡単に突き放される趣味はない。08年のたたかいでは差をつけられたけど、JRが2連勝した事もあるし、切磋琢磨しての岩手のレベルアップを図る、という意味から考えれば「フェズント何するものぞ」という気持ちでたたかいに臨みたい。 ベン:と、同時にチームによって経験する試合の数に差があります。トーナメントという形式では試合数に差があるのは仕方がないけども、もっと試合を経験すれば伸びるのにな、というチームも多い。 伊東:ただ、そうするには、乗り越えなければならない問題点も多いし、ここで扱うには紙幅が足りません。08年の12月中にはまとめたかったのですが、諸事情によってそれが果たせませんでした。 びー:簡単に言えば「環境の許す範囲内でより多くの試合数を経験できる体制作り」ってものか。確かに残りの紙幅では書けないな。 伊東:今年は何とか完走して記事を書く事ができました(去年は赤べこ、フェズント、駒形、赤崎のみ)。08年は過去2年に比べて多く野球に関わる事が出来ました。  「仕事をしながら自らを磨く社会人野球選手」を応援する、という趣旨で、ベンチ登録外になってからもずっと社会人野球に関わってきました。  東北全体見て見ると、全体で言えばJR東北、七十七銀行、TDKの三強が続き、NTTマークス、日本製紙、きらやかBBCといったチームも岩手の壁になっています。また「クラブ王国」といわれる部分でも、岩手の王座保持は5年で途切れました。  それでも、目の前一つ一つの試合を真剣に臨む事が、=で岩手の野球レベルの向上につながるもの。09年のたたかいも、4月には始まります。今年の「キャンバス」にはどういう絵が書かさるのか。唐突ですが期待して、この一文を閉じさせていただきます。

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