2008/06/30(月)13:25
冠位十二階式水泳帽。
地元の美容院に行ったら、隣の席に座っていた小学生の女の子がプールの授業の話をしていて、
「水泳のときにかぶる帽子は学年の色って決まってるでしょー。」
みたいなことを言っていました。
アタクシが子供のころは水泳の帽子といえば泳ぎ能力別でしたわよ。
何らかの検定試験みたいなものがあって、冠位十二階のように
赤→赤帽に白線を縫い付ける→黄色→黄色帽に赤い線を縫い付ける→白→白帽に黒線を縫い付ける→最高級。ゴム製の白帽
となっていました。
海ナシ県である故郷の小学校では5年生になると臨海学校なる「2泊3日くらいでお隣の新潟の海で泳ぐ」という行事がありました。
学年主任のおっかない教師が
「いつまでも赤帽(まったく泳げないとか、最低ランクの冠位だ)だと、荷物持ちだぞっ!」←運送業者の赤帽とかけている
という、現代の親が聞いたらPTAが出てきて大問題になりそうな発言をして、生徒たちを脅しつけていたものです。
アタクシは陸上競技はまったくダメでしたけど、低学年のころから水泳教室に通っていたので水泳だけは人並み以上にできた( ̄◇ ̄)
でも、学校のプールは屋外(←公立小学校なので当たり前)な上に、古くて何となくキタナイような感じがして嫌だったので、夏休みでも極力サボっていました。
夏休み明けでも美白な小学生のくせに、水泳の級はとりあえず白帽(確か、50mだか75mが自由形や背泳ぎや平泳ぎなど一通り泳げるレベル)。
学年主任に脅されようと、痛くも痒くもないのだよ。
ところが、その逆の子も中にはいるもので、走るのが学年一速くて、モテモテ男子(←小学校時代というのはとりあえず運動神経が良ければモテるという不文律がある)の亀井だか亀田だか、とにかく苗字に亀がつくくせに運動神経のいいヤツは、ナント水泳がからきしダメだったのです。
「ほほぅ・・・カメのやつ、陸ガメだったのか。」
と、低学年用の浅いプールで碁石拾いなぞをやっている赤帽のカメを横目で眺めつつ、白帽のアタクシは25mプールでカッパのように悠々と泳ぐ。
体育の時間のほとんどを用無し部隊として過ごしていた運動音痴のアタクシがカタルシスを得る瞬間でした。
何ゆえそれほどまでにカメに執着(?)していたかというと、学年一の俊足と赤帽のギャップが凄すぎたというのもあるけれど、当時アタクシの大事な友達であり憧れの女子だったサトちゃんとカメが両思いなんじゃないか?というウワサがあったからなのでした。
アタクシとサトちゃんは家が近所で同じ習字教室に通っていたということもあって、仲良しでしたが、それはもう魅力的な女の子でした。
習字が上手いばかりでなく、ピアノも上手で先生のように伴奏だって出来ちゃうし、カメ同様走るのも速くていつもリレーのアンカーだし、勉強も出来て、背も高くておまけに美人。アタクシの友達にしておくのは勿体無いような才女です。
そのカンペキなサトちゃんをモテモテだとはいえカメなる男子ごときに盗られるんじゃないかという不安もあったわけです。
小学生の頃というのは「男子はイジワルでキタナイもの」だと思っていましたからね。
けっして恋愛対象が女子だったというわけではありません。
学年一のモテ男子のカメとモテ女子のサトちゃんは、客観的に見ればお似合いのカップルになるかもしれない・・・という危機感。
当時でもススンデル(?)子などは誰々と付き合っているだの何だの言ってましたし。(ガキのアタクシには付き合うが何たるかが理解不能だった)
そんなわけでカメの弱点を見たアタクシは「赤帽のカメと白帽黒線のサトちゃんは似合わない」と判断して、ほっとしたのでした。
クラスが離れていたことや、アタクシが本格的に中学校受験勉強に突入していったこともあり、あんなに大好きだったサトちゃんとツルむことは少なくなってしまい、その後サトちゃんとカメがどうなったのかは気にならなくなりました。
小学生の関心事など、そんなものです。
アタクシは卒業を期に転校するにあたり、ここで中学受験に合格しないと荒れ放題のイナカの中学校に一人ぼっちで送り込まれてしまうという危機感に直面していたからな。
今の小学校では水泳のときにかぶる帽子は学年別になっているのが主流なのでしょうか?
運動会でも順位をつけないという学校があるくらいだから、そうなのかもしれません。
ちなみに妹うのうは
「臨海学校のときに学年で一番最初にクラゲに刺されたんだ~」と言って、自慢してました(゚◇゚;)