埼玉経営研究会 高橋勇社長(武蔵境自動車教習所)
先月の20日のことですが、埼玉経営研究会の高橋勇社長(武蔵境自動車教習所)の講演に行ってきました。以前武蔵境自動車学校さんへKJ法の勉強会でお邪魔した時、ものすごく衝撃的な話を聴き、またすばらしい経営をされていらっしゃるお姿を見て、今回の講演は絶対聴かなければと思っていました。その衝撃的な話とは、高橋社長は3代目の社長なのですが、2代目社長は、社長に就任した翌日に亡くなられたとのことでした。ここではあまり詳しいことは書きませんが、高橋社長がどのような気持ちで3代目の社長になられたかは、想像をはるかに絶します。今日の武蔵境自動車教習所さんのように素晴らしい会社になるまでに、一体どのようなご努力されてきたのか、どうしても知りたくて講演に行ってきました。優しい笑顔の高橋勇社長。スクリーン上の東京車人のロゴも素晴らしいです。高橋社長が社長に就任された頃は、労働組合が非常に強く幅を利かせていて、教習所の経営どころではなく、毎日「これからこの会社は一体どうするんだ?!」と組合員たちに責め立てられる日々が続いていたそうです。そんな労働組合の方々の意識を変えることが出来たイベントは、近隣の方々を招待した餅つき大会だったそうです。そしてその翌年には花火大会も始めていらっしゃいます。今まで労使で争っていた軸を、対近隣住民(地域社会)への軸へシフトさせていったとのことでした。 そして社員から信頼を得るためには、とにかく業績を上げる事が一番だとお考えになり、夜間教習を始められたり、社内の雰囲気を変えるために女性の指導員を採用したりと、緻密な計算のもとに積極的に改善をしていかれたそうです。実際にお邪魔した時にもちょっと教習所らしからぬ、素晴らしい接客で対応していただきましたし、至るところに細やかな気遣いが感じられる教習所でした。経営理念のピラミッド。理念もミッションもしっかり浸透していると感じました。経営理念は、顧客本位、社会との調和、社員重視、独自能力がベースになっている。経営における重点項目は、ES、CS、地域社会貢献。ウチも目指してますが、まだまだです。高橋社長曰く、経営には三つの条件が必要で、絶対条件は経営理念で50%、必要条件は職場環境で30%、付帯条件として戦略戦術で20%のウエートを占めるそうで、戦略、戦術は経営理念が元にならないと場当たり的になると教えていただき、とても勉強になりました。過去に自分がしてきたことは、場当たり的なことも随分あったとちょっと反省しました。武蔵境自動車教習所さんの経営理念は「共尊 共栄」(共に認め感謝し 共に学び成長し 共に豊かになる)で、ミッションは、「お客様に感謝し、地域社会への貢献が社の発展の源であると言う自覚に立ち、豊かな車社会を創造し、快適な社会を作る」であり、実際に訪問した時に、この経営理念やミッションは、社員の方々と共有されていると感じることができました。社員満足は、すぐには絶対真似できないモノ凄いことやってます!人材育成も徹底されていました。なんたって予算額がすごいです。しかも社員さんたちは勉強しなきゃ損って感じでした。企業の最大の使命は、継続!深いっ!顧客満足に対しても徹底して追及されていました。高橋社長は、こんなにも経営理念を社内に浸透させ、自ら徹底して守り抜いていらっしゃって、ニコニコ話される優しい笑顔の奥には、揺るがない信念が窺える、物凄い経営者だと心の底から思いました。