2005/05/18(水)01:42
ウエハース
先に眠ってしまった彼のかたわらにただねそべっていると
静かという音しかない部屋の薄いライトに
まるで自分だけが世界の中の片隅に
ちいさく一人きりのような気がして
わたしは静かに涙を流す
かたわらに誰か居るという時の方が
くっきりと孤独というものは形を表してくるのはなぜだろう?
しなびて柔らかくなった手触りのウエハースみたいに
離れてわたしはソファーにねそべる
いつも 冷たいレザーはわたしに優しい。
眠れなくても少しも責めないから。
窓を開けて 世界を空けて
夜明けの明星をみつめてみたり
ひとりのようでひとりでない
不思議な空間に 目を閉じて ただ身を漂わす
どうか 肩を揺らさないで
わたしがもしも眠っていても
そっと抱いて あなたのそばに連れていってね
きっとほんとうは目覚めているけれど
どうか知らないふりをしていてくれますように