紫色の月光

2010/10/10(日)23:31

阿修羅の門

(ナレ)シュバルツが今、稽古つけてもらっているのは唯のフリーターの兄ちゃんだった (ナレ)しかし、一旦守りに入ればいかなる攻撃も流され、逆に攻めに転じられたならば、 (ナレ)彼はまるで、子供が玩具を見つけたかのような無邪気な微笑を見せたのであった ぬ……! ん? どうしたい小娘。一旦退けられただけで汗垂らしてるぞ。大丈夫か? ええ、大丈夫です (しかし、だ) (シュバルツ)(立ち会ってまだ1分も無い。しかしその1分の間に我が仕掛けた攻撃は全て弾かれ、そして――――) (彼は、笑った) (しかし、何と穏やかな笑みだろうか……嘗てこんな『気味が悪い』笑みをみただろうか) 次は、 ! 吹っ飛んでいるかもしれんぞ! なんの、そう簡単には――――  その瞬間、何が起きたのかはすぐには理解できなかった。  ただ防御の形を取るため、身構えた瞬間。 え?  宙に浮いた。  ふわり、と自分の身体が綿のように軽々と吹っ飛ばされている。  何をされたかは理解できない。  理解できる筈もない。  だって、それを理解した瞬間。 どさっ  我は意識を失った。  だが、意識を失うその瞬間。  豹変したゼッペル・アウルノートが仕掛けたその技が自分にとって最大のヒントになるのであろうという事を悟った。  ――――やはり、攻撃こそ最大の防御―――― <1週間後> 成る程、元々は護身術なのですね? ん、まあ……そんな所だ しかし、貴方は元々剣術を主体にしてたと耳にしました。何故突然あの『技』を使おうと? ……勝ちたい奴が居るんだ。だが、彼は恐ろしく体術に長けている。 体術に長けているのでは、余計に武器を使った方がいいのでは? いや、逆だ。体術に長けているからこそこちらも体術で応じなければならない。 ……最後に物を言うのは、何時だって自分の身なのだからな

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