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2007年02月06日
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カテゴリ:今日の大野
2/6、連載第3回目

最近、ホワイトカラー・エグゼンプションなる言葉が巷で話題になっている。簡単に言えば仕事を労働の量よりも成果で計ろうということだ。ただ、自由裁量で働ける立場の人、それなりの年収を得ている人ならいざ知らず、現実にはそんなホワイトカラーの人はほとんどいない。これ以上ワーカーホリックが増えると、自分自身のバランスを取りにくくなる人が増えてしまうのではないか。そんな世の中は危険だと思う。

僕もその一人だった。休日になるたびに体調を崩し、月に一度は倒れた。自分自身をコントロール出来なくなっていた。誰にだって精神力にも体力にも限界がある。

そのことを確信したのは、役員として東京に居た頃だ。多くの経営者の方々と知り合い、仲良くなればなるほど、どんな人だって不安で動揺するし、泣き喚く事だってあることを知った。「この人が?」と、誰も想像しないような人までそうだったから、正直驚いた。

人間は、思っていたほど強くないということを知った。しかしながら、思っているほど弱くないことも知った。

幾度の挫折を繰り返し、困難な状態から復帰した人が数多くいるのも事実だし、多くの失敗から学ぶことで成功への道が開けるのもまた事実だ。

それが分かってから僕は考え方を変えてみた。自分自身のバランスを取るということは実はとても大事なのだ。

二十代の前半、イタリアに遊学している頃を思い出した。現地の友人達との付き合いは実に素朴で単純ながら、とても楽しいものだった。平日の夜、友人の家に三々五々と集まって、日本円にして数百円の安いワインと、ベーコンと玉葱のソースだけというシンプルなスパゲッティ。乾杯を合図に会話と食事が始まる。隅に置かれた旧式のラジオから雑音混じりに聞こえてくる流行歌がBGMだ。

「楽しい。」

友人達と共有するひと時。贅沢なものは何も無かった。庶民的なワインと食事、そして友達との会話。お金をかけずともそれだけでじゅうぶんに楽しかった。そしてそれが日常の疲れを癒し、同時に活力ともなっていた。なんでもない日常を送りながら、自分をコントロールしていたのだと思う。

(西日本新聞 2007年2月6日 12面より)






最終更新日  2007年02月09日 18時52分49秒
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