223190 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

クリシュナ108のブログ

クリシュナ108のブログ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

番茶ギーター解説

番茶ギーター解説

Keyword Search

▼キーワード検索

Freepage List

Rakuten Card

Aug 25, 2012
XML
カテゴリ:著作公開
捨ててこそ青春だ

7章  サルと壷


キム先生は「つらいから青春だ」のなかでインドネシアに古来から伝わるサルの捕獲法を紹介している。実におもしろい話である。サルを捕まえるには壷ひとつでいい。壷の口がサルの手がちょうどはいる大きさにしておく。なかにはサルの好物をいれておく。サルはなかに手をいれ餌をつかむ。しかし今度は手が抜けない。餌をつかんだ自分の手は壷の口から抜けない。あきらめて手を餌から放すか、なんとかならないかと奮闘するか。多くのサルは手を放さず猟師につかまる。笑えない話である。キム先生は考試(公務員試験)を受けつづける若者とサルとを比べて同じだと指摘している。サルではない私たち人間は猟師にではなくだれにつかまるのか。サルは知恵が足りないがゆえに猟師につかまった。猟師の上をいくことができなかった。たとえば投げたり、木や石でたたいたりして壷を壊すような相手の一枚上をいく知恵がなかった。また相手がいることもしらなかった。つまりその壷の背後にはサルを捕ろうとする猟師という存在があることをである。それでは考試を受けつづけさせそこから抜け出せないようにしている衝動にも、その背後に私たちを捕獲しようとする存在があることに気づく人はいるだろうか。わなを仕掛けてきているヤツがいるとしたらどうであろう。実は私たちが執着してそこから離れられないようにわなを仕掛けてきている存在がある。自分の意思で考試を受けつづけているとおもっていれば、それは知恵が足りない。その決断を自分の意思と錯覚させるほどの高度の知恵を持ったヤツが背後にいる。サルは壷を壊し相手の上をいけなかったが、人間はその相手に勝つことができるのである。キム先生は3回目の受験で考試をあきらめた。ある意味その相手に勝ったともいえる。しかしその相手はまた攻めてくる。私たちがその相手の正体に気づき防衛手段を確立するまでは。その相手がなんだかわかる、ということは自分がなにものであるかがわかることに等しい。自分をしり相手をしれば百戦して危うからずである。ここではまだその核心にはふれない。もう少しこの本をよんでいただかないと理解できないからである。

しかしヒントは出しておこう。私は関西大学名誉教授谷澤永一氏と懇意にさせていただいていた。谷澤先生はある日執筆されたばかりの本を私にくださった。そこには不公平な世の中を愉(たの)しく行きぬく智恵がかかれていた。しかしである、谷澤先生は私に会うたびに「愉しくありませんねん。どうにかなりませんか」といわれた。先生特有のジョークであったかもしれない。先生のお考えは大学教授にありがちな理論だけで実践を経験された知恵ではないからです。そうはおもったがいえるわけもない。茶を濁しただけの会話をした。ここで大切なのは、私たちがこれから戦わないといけない相手がいることの認識。背後でわなを仕掛け私たちの大切な時間をむだに使わせるように仕向ける相手の存在をしるべきである。その相手の一枚上をいくには、いままで学校で教えてもらった学問だけでは戦えないということである。

キム先生が「つらいから青春だ」のなかで水泳のことにふれている。私たちは何かをするためにまず、決心、すなわち心を決める。生きかたは「決意」で決まると考える傾向があるからだ。「こう生きよう」と固く決意さえすれば、実践できるというふうに。そして、その実践がうまく行かなかったとき、意思が弱いと自分を責める。だが、生きかたは決意ではない。練習だ。ちょうど水泳をおぼえるのと似ている。本でうまく泳ぐ方法を完璧におぼえて、「明日からうまく泳げるぞ!」と決意すれば、水泳選手のパク・テファンのようになれるだろうか?もちろんそんなことはありえない。泳ぎがうまくなるためには練習しなくてはならない。毎日毎日練習して、すこしずつ自分自身をかえていかなければならない。とある。


ビートルズのメッセージがあるとすれば泳ぎを学べということ。それだけ!そうして泳げるようになったら、泳ぎなさい。
【ジョン・レノン】


机上の知識だけではその相手と戦う術、確信はもてない。その机上の知識を「ギャーナ」といい。術、確信、実践、悟りを、つまり体得して自分のものとした智恵を「ビッギャーナ」とよぶ。サンスクリット語である。
谷澤先生はまた、私に「悪魔辞典」という本を貸してくださったことがあった。そのなかに重要なことがかかれてあった。悪魔は相手の組織を壊すとき、外から攻めない。相手の内部にはいりその組織を壊滅させる。それが悪魔の常套手段であるとあった。つまり悪魔は私たちの心にはいってつぶやく。時間をむだに過ごしなさい。怠惰に生きなさいと。必要以上のものを得ようとする過度な努力を選択する心、またなまけ心は悪魔の心とおもったほうがよい。悪魔の目的は私たちを無知でいさせることである。



「飽くなき欲望を住みかとし、自惚れと虚栄に浸っている悪魔的な人々は、幻惑されてはかない物に魅せられ、不浄な活動に固執する」【バガヴァッド・ギーター第16節10章】

「哲学のない宗教は、単なる心情かまたは狂信であり、一方、宗教のない哲学は単なる頭脳的思索である」【A.C.バクティヴェーダンタ・スワミ・プラブパーダ】

「子曰く、学んで思わざればくらし。思って学ばざればあやうし」【論語】

「悪魔も人並みに聖書を引き合いに出して、おのが目的の後楯(うしろだて)にする」【シェークスピア】

「神が祈りの家を建てる所にはどこでも悪魔はそこに礼拝所をつくる。そして後者の方が会衆は一層多い」【デフォー】


無題.png61c456bfc79058951db501f4fa8b89727aa282d7_1.jpg
ありし日の谷澤先生と私にくださった著書





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Sep 1, 2012 11:22:45 AM
コメント(0) | コメントを書く


Calendar

Favorite Blog

産寧坂のしだれ桜が… New! さぁちゅん☆さん

もっと肩の力を抜き… New! よびりん♪   さん

         … 就職活動サポーターさん
飲食ブラックからホ… ブラック企業からの、ホワイト転職者さん

Comments

通りすがりの読者@ Re[1]:ナーラダ・バクティ・スートラ(78)(07/22) バガヴァッド・ギーター』第3章15 【…
ジョーンズ@ Re:『捨ててこそ青春だ』 第6章 新村(シンチョン)の隠れ家サウナ(08/25) あきらめるほうがつづけるより難しいのは…
なにここ?@ Re:ナーラダ・バクティ・スートラ(78)(07/22) なにここ・・・壮絶、コワッ!!
虹の父@ Re[1]:ナーラダ・バクティ・スートラ(78)(07/22) ブログ読者さん 度重なる無礼、誠に申し…
ブログ読者@ Re:ナーラダ・バクティ・スートラ(78)(07/22) ブログ主さんがひたすら沈黙を守っておら…

Headline News


© Rakuten Group, Inc.