<039>よりつづく
第六章 ウェブ進化は世代交代によって p209
1、インターネットの普及がもたらした学習の高速道路と大渋滞
この辺のことは実はナニを言っているのかわからない。わからないっていうより、Web2.0というお話そのものから話題がずれている感じがする。「君達は若い、無限の可能性が広がっている」って、40才代の若年寄が、学生諸君を激励する、って図式なら、300万年ほどまえから続いている、ごくありふれた昔からの人間の文化じゃないか。(300万年、というところになんの根拠もないがw)
2、不特定多数無限大への信頼 p217
この辺も、最初から最後まで、問題となるところだ。テレビの視聴率のリサーチの問題ではないが、別に全世帯の動向を調べなくても、一定程度の法則にのっとってやれば、そのサンプルからほぼ確実に全体の傾向性というものは読み取れる。ビル・ゲイツとほぼ同世代の自分としては、世代交代しろ、といわれてもどうしようもない。そういわれなくても、世代は交代していくのであり、早く退場しろ、と言われても、退場できるものではない。
そして、時代はいずれ変わっていくのだ。あわてることもあるまい。いろいろなことについての情報やニュースは伝わってきている。まぁ、せいぜい楽しませてもらおうと思っている。
2010年代に、グーグルを凌駕するコンセプトと新技術をひっさげたベンチャーが、日本から、今の日本の中学生たちから生まれる可能性は、歴史から考えても十分に「あり得る未来」なのである。 p226
リップサービスとしては、これくらいのことは言わなくてはいけないかもね。ただ、このくらいのことなら、中学校の卒業式で、地域のおっさんが祝辞で述べる程度の内容なのであって、ここまで、へりくだらなくてもいいんじゃないの? もうちょっと格調高く、まとめてもらいたいな。アンファンテリブルなら、昔からいるよ。いずれにせよ、私より7つも下の学年の人が、もう自分の時代は終わった、君達に期待する、なんて、中学生相手に演説をぶっているような内容では、こちとら、いくら初老の身の上とはいえ、許すわけには行かん。
終章 脱エスタブリッシュメントへの旅立ち p228
ここは、著者の個人的な経緯や主観的な述懐だから、読者として、別に口を挟むような内容ではない。まぁ、気になるとすれば、わずか10数年ほどシリコンバレーに住んだからと言って、世界のITの流れは、自分が全部知っている、というような姿勢や態度は気にくわない。それは、著者の一つの視点なのであって、シリコンバレーからばかり地球の未来が開けてくるわけでもないだろう。この辺が、<脱>エスタブリッシュメントといいつつ、エスタブリッシュメントとしてのシリコンバレーに、どこまでも頼ろうとする、著者の脆弱さが、あまりにも無様だなぁ、と思うだけだ。
未来は、どこからでも開けるし、還元すればITなどなくたって、人類に未来はある。自分が立っているところが、未来への出発点なのだから・・・・。
ここで一応の本文は終了である。本一冊について、さらっと嘗め回してみた。本著は現在のインターネットやITを取り巻く技術の方向性と、「著者の進路」についての感想がつづられている。しかし、本来、私が関心をもっている、意識や、人類の進化というものについては、結局メインテーマにはなっていない。まぁ、ないものねだりしてもしょうがいないので、次にいくとしよう。
<041>につづく