地球人スピリット・ジャーナル1.0

Keyword Search

▼キーワード検索

Recent Posts

Calendar

Free Space

2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2006.10.03
XML

地球人スピリット・ジャーナル2.0につづく



 

「人間力の磨き方」 
鳥越俊太郎  2006/06 講談社 新書 204p
★★★★★


 この本、磨き方と書いているわりにはハウツーものではない。鳥越俊太郎という一人のジャーナリストの一代記である。奥付をみてあらためて驚いた。1940年生まれ、今年で御年66才である。この方、髪の毛がフサフサしている。それでいつも騙されてきたのかもしれない。少なくとも、老年というイメージはこの人には合わない。青年とは言わないが、一人の成熟した「人間」というものを、確かに感じさせてくれる。

 テレビのニュースキャスターを長くやっていたので、そのキャラクターから華々しさを感じるが、晩生(おくて)、モラトリアム、へなちょこ、と自分の若い時代を振り返る。なるほど、そう言われてみればそう言うものか。影では、のちに東京都知事選にでないかと誘われた、というくらいだから、その人気の風貌の元ともなった、その「若さ」は、そのような、晩生(おくて)、モラトリアム、へなちょこ、とおっしゃる部分がよい方向に熟成していったのかもしれない。

 もともとこの本は「就職ジャーナル」という雑誌に5年間に渡って連載されたものを改題して大幅に加筆訂正したもの。もとのタイトルは「現場が一番おもしろい! 鳥越俊太郎の職人主義」。「人間の磨き方」というタイトルもすごいが、このように自分の本に顔写真のみならず、体全身をしかもカラーでデザインするというのもすごいなぁ。最近では、Hモンくらいしか、こういうことはできなかったのではないだろうか。

 田中角栄の故郷の食堂の二階に住み込んで数ヵ月に及ぶ取材をしたというのもすごい。ラスベガス直後のハマコウを突撃取材した時の筆者の「人間力」p100も注目に値する。長きに渡って勤めた「ザ・スクープ」での他のキャスター達とのやりとりを正直に書いているのもすごい。ただ、ジャーナリストという場合、私はもっと過激でもっと反権力的な存在を期待してしまうのだが、それは、必ずしもこの著者への批判とはならない。ちょっと甘い点を彼に与えてしまうような、不思議な魅力を彼は確かにもっている。

 ちょっと長いが「ジャーナリストに必要なもの」という文章を転載しておく。

 
「大前提として、他人の100倍も幅広くて深い好奇心。そして三つの『観』です」と。
 1 歴史観。今現前で起きている事象にはすべての歴史的背景を見い出すことができる。人間、いや宇宙全体の歴史に対し、自分なりに統一した見方を身につけているかどうか。その中で、今、目前で起きている出来事をその歴史の流れの中にどう位置づけることができるか。
 その能力は、普段ぼんやりと過ごしていても育たない。ある程度の時間の中で形成されていくもので、せめて30歳くらいまでには自分なりの歴史観を身につけていたいものだ。
 2 人間観。人間とはいったいどういう存在なのか。喜びと悲しみも背中合わせであるし、失敗も成功も背中をくっつけ合って登場してくる。生まれて、やがて死んでいく運命の人間の、人それぞれの心のヒダ・・・そういう複雑にからみ合った人間について、自分なりの観察力と理解を持つことである。
 自分もまた感情を持った人間なので、他者を客観的に見つめられるかどうかは結構難しいものである。多くの本を読み、映画を観、音楽を聴き、多くの友人たちと交わり、多くの恋愛をして、それは形成されていく。これなくしてメディアの仕事をすることはできない。
 3 比較文化観。この地球上で人間及び人間が形づくる社会に、同じ物はひとつとしてない。どの国の文化も独自の言語と伝統の上に成り立っている。つまり、人間の営み・・・文化には「正しい文化」がないように、「正しくない文化」もないのだ。
 しかし、現実の人間の歴史は民族、宗教といった文化の根幹をなすものが異なるというだけで摩擦や戦争を繰り返し、殺し合ってきた。そこでは勝者の文化は正しく、敗者の文化は正しくないものとして排斥されてきた。(中略)
 人間の営み・・・文化に絶対に正しい、また正しくないといった「絶対性」はない。あるのは異文化である。その差異を比較考慮できる能力を持っているかどうか、これはメディアで仕事する上で大変重要なことなのだ。そのわりには、メディアで働いている人間たちがこの比較文化観の重要性に気がついていないことが多い。
p156 







Last updated  2009.03.29 13:34:25
コメント(0) | コメントを書く
[ブログ・ジャーナリズム] カテゴリの最新記事

PR

Freepage List

Profile


Bhavesh

Archives

2019.06
2019.05
2019.04
2019.03
2019.02
2019.01
2018.12
2018.11
2018.10
2018.09

Category

Comments

Bhavesh@ Re:禅と戦争 禅仏教は戦争に協力したか(11/16) 現在、日曜早朝座禅会に参加している禅寺…
Bhavesh@ Re:セックスから超意識へ<1>(11/13) Oshoの記念碑的1968年のレクチャー。当時…
把不住y@ Re:編集雑記(07/25) 新ブログはここです。 <small> <a href="…
Bhavesh@ Re:グルジェフ・ワーク 生涯と思想(01/12) 武邑光裕、の名前を検索していて我が読書…
abhi@ Re:編集雑記(07/25) お疲れ様。 新ブログ立ち上げたら教えてく…
Bhavesh@ Re:極秘捜査 警察・自衛隊の「対オウム事件ファイル」(03/03) 私は、最近になって 、そう2015年頃になっ…
Bhavesh@ Re:オウムからの帰還(03/01) この記事は我ながら、切れ味が悪い。大嫌…
Bhavesh@ Re:尊師麻原は我が弟子にあらず(03/12) 吉本もすでに鬼籍に入って、今更石を投げ…
Bhavesh@ Re:中沢新一批判、あるいは宗教的テロリズムについて(05/12) 島田の心情にも、同情する余地はある。 中…

Copyright (c) 1997-2019 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.