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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2006.11.21
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地球人スピリット・ジャーナル2.0につづく




「定年後をパソコンと暮らす」 
加藤仁 2004



 老人というものは、静かな家に暮らし、一日、窓から外の景色でも見るように、なんの感動もなくテレビを見ながら、淡々と毎日をすごしている。せめて古いパソコンでも与えてあげて、すこし気分でも晴らせたらいいのになぁ・・・・・・

 なんて、思いながらこの本を読むとするなら、それはとんでもない間違いだ。この本はとてつもなく興味深い。

 定年退職後の生き方をテーマに長年取材してきた著者が、パソコンを活用して充実した日々を送っている22人を紹介する。在宅起業で年商一億円をあげる人、妻の死後の一人暮らしの友とする人、ボランティアのネットワークを拡げる人、脳卒中のリハビリに抜群の効果を得た人、海外旅行の情報を公開して人気の人など、パソコンが人々の定年後をいかに個性的に変えているかが実感できる。 表紙見返し

 それぞれの章立てを見てもすごい。「我が家を仕事場にする」「学び、教え、また学ぶ」「毎日が情報発信」「独創的リハビリテーション」「定年予備軍の人間関係づくり」「拡がるボランティア活動」「変わりゆく海外旅行」・・・。よくもまぁ、ここまでパソコンを活用しているものだと圧倒される。

 私もパソコンは好きなほうだが、こんなに活用したことがあるだろうか。定年後どころか、働きざかりの現在でさえ、これほど生活に役立たせてパソコンをつかっているだろうか・・? ほんと目がさめる思いだ。ネットにつないで、ちょっと情報をみつけて、すこしはもの知りになった気分になってるだけの自分など、この本を読むとぶっ飛ばされる。

 日本では50歳以上が人口の4割以上を占めるまでになったものの、はたしてパソコンの供給サイドは、このマスグループをユーザーとして、きっちりと把握しているのかどうか。マニュアルの不親切さや電話による問いあわせにたいする冷たい返答は相変わらずである。現役とは異なり時間がたっぷりある定年退職者は四苦八苦、試行錯誤を繰り返しながら操作をおぼえた、エンドユーザーであり、切実な動機から新たな活用法を開発した人たちであることを私は知らされた。p244

 たしかに、この本に紹介されているような22名の方々は、パソコン成功者たちであるに違いない。人口の4割以上、と言われる高齢者においては、たしかにこんな具合にうまくいかないで困っている人たちも多くいるだろう。

 しかし、このネット社会になって、ケータイがどうした、サルみたいな若者がどうした、セキュリティがどうした、と騒いでいる割りには、このサイレント・マジョリティについて、あまりに放置されているのではないか、とさえ思う。

 年配者はパソコンが使えないから早く退場してほしいよね、なんて、若者中心の文化としてネット社会を考えるとしたら、とんでもない間違いだ。この人たちにこそ、活用できるネット環境というものが必要なのだ。

 確かに、いろいろな統計を見ると、ネットやSNSの利用者は30歳前後をピークとして、みごとな富士山型のカーブを描いている。10代、20代、30代、40代、ときて、アンケートの選択肢など、「50台以上」で終わっている。50以上すぎたら、あとは一束ひとからげでいいのだろうか。この本には、80歳半ばではじめてキーボードに触れた人のことも書いてある。マニュアルをにらみながら操作手順をおぼえ、90歳をすぎるまでに自分史をはじめ数冊の研究書を書き上げたというのだから、凄い。

 このような本でできあがったのも、この著者のような、地道に定年退職後の人々の姿を追ってきたノンフィクション作家がいればこそなのであろうと思う。その真摯で、暖かいまなざしが光る。なんの派手な言葉はいらない。ここにこそネット社会のあかるい未来のひとつの雛形があるようで、安堵した。 







Last updated  2009.03.29 11:50:15
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