|
全て
| 目次
| 2nd ライフ
| ネットワーク社会と未来
| マルチチュード
| アガルタ
| シンギュラリタリアン
| 地球人スピリット
| マーケットプレイス
| ブログ・ジャーナリズム
| OSHOmmp/gnu/agarta0.0.2
| mandala-integral
| レムリア
| スピノザ
| ブッダ達の心理学1.0
| シンギュラリティ
| agarta-david
| アンソロポロジー
| バック・ヤード
| チェロキー
| 環境心理学
| osho@spiritual.earth
| スピリット・オブ・エクスタシー
| 22番目のカテゴリー
カテゴリ:シンギュラリティ
![]() 「未来のアトム」 田中伸和 2001/7 アスキー 構想から出版にいたるまで、2年を要したという本書であるだけに、実に多くのテーマが網羅されている。新書で言えば、10冊以上のテーマと量があるだろう。ともすれば散漫になってしまい、本来の中心的テーマがぼけてしまいがちだが、本書の成功は、タイトルに「未来のアトム」というものを持ってきたように、実に具体的であり、また多くの読者と容易に共有できるイメージを追いかけたところにある。そして、テーマ自体が、ロボットと作ることでも、科学や哲学の優位性を主張するところでもなく、人間そのものにたいする探究心を最後まで貫きとおしているところである。 コンピュータやAI(人工知能)が、今の原理のままで、どんなに高度化しても、「意識」や「心」を持つことはありえないだろう。それは明らかであるように私には思える。p600 ここが結論である。 結論からいえば、今のままのメタファー(暗喩)で考えられている限り、「鉄腕アトム」は実現しない。つまり、人間並みの知能、知覚、感情、意識、心を持ったヒューマノイドは実現しない。 もし、「鉄腕アトム」が実現するとしたならば、それは従来の「鉄腕アトム」というメタファーを超えたときである。p616 もし、今、あらたな質問として、22世紀ネコ型ロボット「ドラえもん」は実現可能か、と問われてば、即座に、「それは不可能だ」と断言してしまうことは可能だろう。だから、唐突に「鉄腕アトム」は実現可能か、と問われれれば、簡単に「不可能だ」と断言することは、できないわけではない。 しかし著者は、その質問をひとつの契機として、現代科学、思想哲学、宗教神秘主義について、広く思索する。そして、容易に想像できた結論に到達するわけだが、その結論自体は、人類に対して絶望感をもたらすものではない。 SF小説が好んで主題に取り上げるようには、ヒューマノイドに簡単に「意識」や「心」が発生することはありえないことは確実であるように私には思える。 このことは、逆にいうと、私たち人間が、誰しも、実に驚嘆すべき能力を宿しているということである。私たちは、自分たちが宿している驚嘆すべき能力について、あまりにも無知なのである。p600 本書は、私にとってはとても啓発的だった。大冊なので、読むのは、ちょっぴりしんどかったが、最後の最後まで、こちらのハートをわしづかみして離さない。ただおしいのは、この本は、2001年にでた本であることである。改定版の「第二版」が2003年にでているようであるので、そちらでは多少のデータ更新されているのだろうが、むしろ、最近「進化の『謎』を探れ!」という共著を出しているようなので、著者に対する興味関心や期待感を、そちらのほうに移していこうと思う。 <5>につづくお気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.09.06 21:56:53
コメント(0) | コメントを書く
[シンギュラリティ] カテゴリの最新記事
|
|