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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
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2007.02.20
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カテゴリ:マルチチュード

 

「大義なきテロリスト」 オウム法廷の16被告 
佐木隆三 日本放送協会出版 2002/11 初出「放送文化」1999/12~2002/9



 の著者のリアリズムは、一つの事件が法廷で展開される時、それを傍聴しつづけ、膨大な資料のなかから、事件を再構築し、その主人公であった被告人や被害者などの人物像、人生、周囲の環境を洗い出すところにある。時には冷徹に、時には情緒的に共感しつつ、時には裁判のあり方を問いながら、それでも、その手法を変えず、ひたすら法廷に通い続ける。

 2001年の段階で著作が100冊を超えたということであり、その貧欲ともいうべきその作家活動のエネルギーは一体どこからくるのかと驚かされるところが多い。この人の
「人はいつから『殺人者』になるのか」を昨年9月に読んだとき、私はこのように書いている。

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の本には、いみじくもオウム教関連の殺人者が2名レポートされている。彼らが事件にまきこまれるまでの過程は、ある意味、「殺人」と「戦争」の間にあるような感じがする。精神世界を語りながら、戦争を準備した彼らに、なんの共感するところはないが、その事実から、私たちは目を背けてしまってはならないのだろうと思う。

作家・佐木隆三にはたくさんの著書があり、これを契機に彼の作品群に足を入れていくのも、ある時点では必要になってくるかもしれない。あるいは、麻原の死刑確定を契機として、オウム関連のレポートをもういちど見てみることも、いつかは必要かもしれない。でも、現時点では、私はどちらもしないだろう。エネルギーを注ぐべきことは、もっと他にもある。

この本を読んで思うに、このようなレポートが残っているのは、やはり重要なことなのだということだ。今は目を背けつづけても、いつかは、ゆっくり検証する必要があるのだと思う。そして、詐病を使いながら、ついに本当の心境を語らずこの世を去らざるを得ない麻原は、やはり人間として哀れだな、と思う。
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 こで私は「オウム関連のレポートをもういちど見てみることも、いつかは必要かもしれない。でも、現時点では、私はどちらもしないだろう。」と書いているが、あれから半年も経ないうちに私は、麻原集団関連の資料をまた見始めてしまっていた。もちろん佐木隆三の著作を追いかけているわけでもない。しかし、今回、この「大義なきテロリスト」を読んで思うことは、麻原集団が引き起こした事件性というものは、佐木の手法の巧みさをはるかに越える犯罪性に満ち満ちたものだった。

 この本は2002にでているので、それぞれの被告人たちは、まだまだ判決が確定しているものはすくなく、ましてや死刑判決のほとんどは確定していない段階だった。しかし、2007年の現在において、麻原自身と他の主要メンバーたち全員の死刑が確定してしまったのではなかったかな。(この辺は、勉強不足で詳しくは知らない)

 この佐木の本において、私は、あらためて痛烈に知りえた、というものはない。いままで報道されたり、今回ブログのオカズとして読んだ本の中で大体がすでに知りえていることである。ましてや、佐木においてもこの続編というものをすでに書いているかもしれない。

 ただ、思うのは、たとえば、今回、もういちど麻原集団を考えようと思うきっかけを作ってくれた
「さよなら、サイレントネービー」で、主に取り上げられている豊田亨が、16人の被告の一番最初に取り上げられていることである。「第一章 ポーカーフェイスの男 豊田亨」となっている。元・同級生にしてこの本を書いた伊東乾としたら、このタイトルには猛烈に反撃することだろう。富田はそんな男ではない。そう絶叫するに違いない。伊東によれば、富田は村上春樹が「アンダーグラウンド」富田のことを「スーパーエリート」と書いていることに、反発していたという。

 ずれにせよ。事件に成らなければ知りえなかったことがたくさんあったということは、事件になっても、私たちが知りえていないこともたくさんある、ということである。事件を構成する部分だけは、客観資料や法廷活動でわかりえるだろうが、ひとりひとりの語り得ない部分というものは、想像もつかないほど膨大に残されているに違いない。

 麻原という名前でYouTubeで検索すると
「AUM Dance」というものがでてくる。このオウム・シスターズ(?)の動画にでてくるコメントやその存在についても、いろいろ言いたいこともあるが、これを見ながら、ちょっと長文ではあるが、豊田亨が、2000年3月2日に、意見陳述でこう発言しているので、引用しておく。

 
とこと申し上げます。私が殺害してしまった方と遺族、重大な障害が生じた方々など、直接・間接の被害者に、本当に申し訳ありません。こういうことを言う資格はありませんが、どのような刑罰でも償うことはできない。そのことを思うと、生きていることがあさましく、ほんとうに申し訳ありません。4年あまり審理をしていただきましたが、人間として許されないことです。このように考えたとき、自分の悪魔のようなふるまいは、宗教にもとづくものではなく、後悔しても後悔しきれないものがあります。
 麻原彰晃こと松本智津夫にたいしては、どのような批判の言葉を投げつけても、言い尽くせぬものがあり、怒り、悲しみ、つらさ、情けなさを抑えきれません。初期ではまともだった麻原が、変容していったと思いたかった。しかし、法廷で麻原の姿を見ていると、初めからうわべだけだったとしか考えられません。それを見抜けなかったのは愚かだったのであり、私は極悪人なのです。人のことを思いやるという、人間として基本的な、大切なものが欠けていた私は、生きている資格がないと思います。
 凶悪な犯罪の実行者である私が、このようなことを言う資格はありません。しかし、最後にお詫びの言葉を申し上げます。ほんとうに申し訳ありませんでした。>
  p48






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Last updated  2009.02.09 22:25:35
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