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2009年4月1日

地球人スピリット
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2007.05.12
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「中沢新一批判、あるいは宗教的テロリズムについて」 
島田裕巳 2007/4 亜紀書房



 
「さよなら、サイレント・ネイビー」読んで以来、このブログでは、麻原集団事件を再検証するサイクルに入り、関連していた人々のそれぞれの言説に触れることになった。その中にあっても、島田の本は、ちょっと手をつけにくい本だった。私は、島田をケーベツしていたからである。まったくコッケイな奴だと、思っていた。いや、いまでも、彼が1995年当時に「巻き込まれてしまった」情況については、島田自身「反省しなければならない」p237と言っている。彼自身が沢山の著作でそう言っているのだから、私自身の感想もそう間違っていたわけでもなく、また、それ以上、島田を追い込む気はない。

 逆に島田がそのような情況に追い込まれたからこそ、島田にしか見えない地点があるのではないかと、今ではちょっぴり期待さえしているのである。島田の本はこのブログでかなり読み込んだ。その中にあっても
「『オウム』 なぜ宗教はテロリズムを生んだのか」「オウムと9.11」など は、なかなかリアリティ溢れる好著だと思っている。この「中沢新一批判」は、それらに連なる一冊であり、また、ある意味、島田に共感しながら読んだ部分が多い。

 というのも、私はまた、このブログにおいて、中沢新一も随分と読み込んだからである。
「虹の階梯」 から、25年の月日を「芸術人類学」まで走りぬけてくる姿に喝采を叫びたくなる気分もないではない。ひとつの新しき学問領域を樹立しよう、という志しを私はよしとする。

 しかしながら、島田がこの「中沢新一批判」で提出する質問状も、もっともなことだと思う。かたや中沢が多摩美大の芸術学部教授として芸術人類学研究所初代所長に迎えられているのに対し、かたや島田は、以前ほどのバッシングは受けなくなっているとはいうものの、ひとりの研究員にとどまっている。島田のくやしさが、わからないではない。

 この島田の中沢に対する正式な論争開始の宣言に対して、はて、中沢はどうするだろうか。島田は、もう捨てるものさえないほどの、ほぼ「やぶれかぶれ」のゲリラ戦さえ厭わないほどの境地に達している。中沢は、自らの芸術人類学という牙城の建設を放棄してまで、島田の茶々入れには対応しないだろう。当面は無視し続けるに違いない。しかし、ある程度の基礎固めができたなら、中沢は、島田の質問に答えざるを得なくなるだろう。島田が提示した中沢批判は全うなものであり、もしこれに応えられなければ、中沢の新しき学問など、何の意味もないからだ。

 いずれは、中沢は全うに島田に向き合わざるを得ないだろう。それはこの20年ほどの日本や欧米で進んできた精神活動を再検証する意味で、大きな価値を持つことになるだろう。そしてまた、その論争はこのブログにも関連してくることになるだろう。

 しかしながら、私はどこかで冷えている。私は、今回、自らを現代日本に転生してきた、700年前のチベットに生きた16歳の少年として見ることにしてしまったからである。チベット少年が、ゆえあってこの21世紀に転生してきたとして、その少年の目に映る「島田VS中沢」の論争のレベルは低い。テーマや方法や語られる内容などに、何の不足はない。だが、島田も中沢も、精神の成長レベルは低い。彼らは、自らの学問や学域を創ったり守ったりすることに汲々としている。彼らにはついには、チベット密教などで語られる究極は理解できまい。「チベット密教」などという言葉をもてあそぶことによって、彼らは「チベット密教」から遠くかけ離れた方向へ走り去ろうとしている。

 チベット人たちは、自らをチベット人だなんて自称しない。それは私たちが私たちをジャパニーズなんていわないのと同じことだ。700年前の16歳のチベット少年にとって、「チベット密教」などというレッテルは何にも意味はない。彼は生きた。一人の人間として生きた。チベットという言葉も、密教という言葉も知らないし、必要なかった。ただ、彼は与えられた環境の中で精一杯生きた。それを他人が、なんと呼ぼうと意味はない。レッテル張りをしながら、言葉をもてあそぶ700年後の亜流パンディット達には、何の縁も感じないのだ。

 
(1989年当時)中沢は、自分は超能力に懐疑的で、そうした押し出し方をする麻原に共感はしていなかったが、実際にあって話しをしてみると、麻原が「並々ならぬ知性の持ち主」であることに気づいたとし、「聖なる狂気(デヴァイン。マッドネス)」という言葉を出したとたん、麻原ほどすばやい反応と理解を示した宗教家はいなかったと、彼のことを高く評価している。
 その時の麻原は、宗教家というよりも、革命家のような口調で話したという。中沢は、日本にも和尚ラジニーシのようなタイプのラジカルな宗教家がはじめて出現し、この人は何か新しいことをしでかす可能性があるのではないかと思ったと述べている。
p65

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<再読>2008/09/15






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Last updated  2009.02.02 00:20:32
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Re:中沢新一批判、あるいは宗教的テロリズムについて(05/12)   Bhavesh さん
島田の心情にも、同情する余地はある。
中沢は、島田の問いかけに、意味ある反論を一切することがなかった。できなかった。
私の中沢追求は、このほんを持って終局とした。 (2018.07.07 00:41:08)

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