【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

地球人スピリット・ジャーナル1.0

地球人スピリット・ジャーナル1.0

Keyword Search

▼キーワード検索

Recent Posts

Calendar

Free Space

2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2007.09.16
XML

「ワン・テイスト(上)」 ケン・ウィルバーの日記
ケン・ウィルバー /青木聡 2002/03 コスモス・ライブラリー /星雲社 297p 原書1999
★★★★☆

 ケン・ウィルバーについては、「無境界」1986(原書1979)や「アートマン・プロジェクト」1986(原書1980)に目を通していたので、割と早期から彼の著書を知っていたことになる。しかし、20年前にそれらを読んだ時に、その書物の成り立ちはともかくとして、そしてその表現形態はともかくとして、書かれている内容そのものについては、東洋人として瞑想の道をあゆもうとする自分にとっては、必ずしも珍しいものでも、避けて通れないものではなかった。むしろ、そのような「作家」のそのような「仕事」があることを認識しながらも、私は私の道を歩もう、という意志のほうが強かった。

 ケン・ウィルバーそのものより、翻訳者や出版社に対する、私の側からの色づけがあり、どうも素直になれない自分がいた。そして、今回このブログで読書を進めるにあたり、トランスパーソナルな書物群に目を通しながら、やはりケン・ウィルバーについては、知らなくていけないなぁ、と再考したのだった。

 しかし、あの難渋な言葉群に入り込んでいくのは、快適なことではないなぁ、とかなり敬遠ぎみであったことは間違いない。そして、ようやく手探りで
「グレース&グリッド」を読み始めたのだが、これは、私にとってはそうとうにラッキーだったと言える。図書館にリクエストした何冊かのうちの最初に来てしまったのがこの本だったのだが、妻のトレヤとの出会いと彼女のガンとの闘い、そしてその死を書いたこの本は、一連のウィルバーの著書の中でも、かなり異色でターニング・ポイントになった一冊ではなかっただろうか。

 異色といえば、この「ワン・テイスト」も、他の理論書というイメージから離れた「日記」という意味では相当に異色の一冊となっている。ウィルバーの一連の理論書が、水も漏らさぬ整合性を装えば装うほど、このような「日記」が、その隙間や非合理性、あるいは未完成性を浮き立たせ、鮮やかな対比と補完性が見えてくる。

 この本、アンディ・ウォホールのシルクスクリーンのポスターを連想するような装丁となっている。

 「アンディ・ウォーホールの日記」を読み終えた。今なら、私たちは浅薄さのスピードを知っている。実際、私はウォーホールと彼の芸術が好きになってきた。デュシャン一派の果実であるウォーホールは、フラットランドの芸術家である。彼の仕事はすべて表面的で、まったく深さがなく、明るく、力強く、警報的、刺激的である。わたしはフラットランドは好きではないが、しかし彼によるそれの印象的な表現は気に入っている。「表面、表面、表面こそ、誰もが意味を見いだすものだ」。ウォーホールはポストモダニズムの攻撃的な、有毒な、柔軟性のない浅薄さの本当に偉大な先駆者である。p109

 ウィルバーの世界は「表面的で、深さがなく、明るく、力強く、警報的で、刺激的」な世界ではない。むしろ「奥深く、漆喰の闇をくぐり、時には完膚なまでの敗北感を持ち、隠遁的、で、なお他者との葛藤を避ける」というイメージさえある。その彼が、この一冊を出すに当たって、この「ポップ」な挑戦をしたのは、彼なりの次のステップを踏み出そうとしているからだろう。
英語版でも、日本版に比べて控えめながら、この装丁を採用している。

 この本が書かれたのは1997年、ちょうど10年前だ。著者の日々の暮らしぶりやライフスタイルがかいま見える。当時48歳。どちらかというと隠遁的で、自らの著作活動に専念している。前著「グレース&グリッド」についての反響を聞きながら
「科学と宗教の統合」を、いつものシャンバラ出版ではなく、大手の出版社からだそうとしている。

 
チョギャム・トウルンパについてもよくでてくる。ウィルバーの生活は、大学で教えるわけでもなく、講演活動で旅をしているわけでもない。むしろ黙想や瞑想や読書に費やされる時間が多く、人と会うことさえまれだが、時には、インタビューを受けるときもある。

 
スコット・ウォーレン:一冊書き上げるのにどのくらいかかりますか?
 ケン・ウィルバー:普通の執筆パターンでは、一年ぐらいかけて何百冊かの本を読んでいくうちに、頭の中で本が形づくられていきます---頭の中で本を書いていくのです。それからコンピューターに向かって入力していきます。たいていそれには一ヶ月か二ヶ月、おそらくは三ヶ月ぐらいかかるでしょう。
p200

 ケン・ウィルバーについては、いろいろな「かさぶた」を引き剥がしながら、すこしづつ理解を進めていこうと思う。ただ、惜しむらくは、まだ彼との「同時代」性に達していない。彼の過去の出発点の再確認を進めながらも、現在の彼の姿も、もうすこし見てみたいものだと思う。

下巻に続く





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.02.11 20:21:44
コメント(0) | コメントを書く
[シンギュラリタリアン] カテゴリの最新記事


PR

Freepage List

Profile

Bhavesh

Bhavesh

Archives

2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12
2023.11
2023.10
2023.09
2023.08
2023.07

Category

Comments

BHavesh@ Re[1]:アガルタの凱旋(12/15) subaru2012さんへ ああ、久しぶりにこの…
subaru2012@ Re:アガルタの凱旋(12/15) Miles Davis / Agharta 1 <small> <a hre…
Bhavesh@ Re:禅と戦争 禅仏教は戦争に協力したか(11/16) 現在、日曜早朝座禅会に参加している禅寺…
Bhavesh@ Re:セックスから超意識へ<1>(11/13) Oshoの記念碑的1968年のレクチャー。当時…
把不住y@ Re:編集雑記(07/25) 新ブログはここです。 <small> <a href="…
Bhavesh@ Re:グルジェフ・ワーク 生涯と思想(01/12) 武邑光裕、の名前を検索していて我が読書…
abhi@ Re:編集雑記(07/25) お疲れ様。 新ブログ立ち上げたら教えてく…
Bhavesh@ Re:極秘捜査 警察・自衛隊の「対オウム事件ファイル」(03/03) 私は、最近になって 、そう2015年頃になっ…
Bhavesh@ Re:オウムからの帰還(03/01) この記事は我ながら、切れ味が悪い。大嫌…

© Rakuten Group, Inc.