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2009年4月1日

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2008.01.20
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カテゴリ:チェロキー


「黄泉(よみ)の犬」
藤原新也 2006/10 文藝春秋 単行本 314p
No.946★★★★☆

 原新也著「インド放浪」は、ちょっと埃はかぶってしまっていたが、いまでも寝室においてある。奥付をみると、初版発行が1972年の7月であり、私が読んだのはその直後の9月である。高校を卒業してアルバイトでためた貯金をはたいて、仲間と3ヶ月のヒッチハイク日本一周の旅にでた。帰ってきて、4人のそれぞれの旅路を一冊にまとめようとして、ミニコミ雑誌「時空間」の創刊号を手作りで作っていた頃のことだ。

 インド旅行に関する書物は、当時、今からでは想像できないほど数少なく、貴重な一冊だった。後年、自分がインドに旅することなど想像もしていなかったが、当時から憧れとしてはあっただろう。1944年生まれでちょうど、私より10年、人生の先輩になる著者は、常に私の10年先を歩んでいたのかも知れない。それにしても、あれから35年の月日が経ったのかと、目がうつろになる。それこそ、この間、どれだけのガンジス河の水は流れ去ったのだろう。

 「黄泉の犬」というタイトルは、著者がインドで体験した、死体を食らう犬との対決の時のエピソードが元となっている。表紙はその時の写真だ。しかし、この本が出版されたきっかけの実際的な一点は、麻原集団事件における著者の感慨の再まとめ、という意味合いにある。

 1995~6年にける事件に関する記事を「週刊プレイボーイ」に連載していた著者は、ある出来事をきっかけとして連載を中断した。それは、麻原の兄との対談だった。その兄もなくなり、麻原の刑も確定したところで、守秘義務はとりあえずなくなっただろうという判断のもとに明かされる「秘話」である。

 ブログにおいては、2006/11にでた「さよなら、サイレント・ネイビー」をきっかけにして、10年を経た事件をあらためて直視しようと読書を進めてみた。半年後には、「麻原集団事件」関連リスト を作って、自分なりには、決着をつけたつもりでいた。正直いうと、ふたたびこの事件を思い返すのはちょっと気が重い。すでに解決済みとして、パスしたい、というのが本音である。

  その想いは、私ばかりではなく、おおかたの気持ちでもあるだろう。著者にしてみたところで、それほど違いはないかも知れない。でも、著者はだからこそ、事件後10年経過して、本著を世に問うた。あるいは立会人として記録した。麻原の身体に関する個人的、あるいは歴史的事実に対する証言は、いずれは重要なものになるかもしれない。そういう意味では2006/2にでた高山文彦の著書と重なる部分がある。高山は、知られざる麻原の個人の歴史を記録している。
 
 著は、事件だけにとどまらずに、著者自身の人生における旅におけるエピソードの数々を紹介している。それはおもにインド・ネパールやヒマラヤにおいてのことだ。著者はベビーブーマーや団塊の世代のすこし上の年代にあたる。立場としては、宮内勝典と同じく、すこし兄貴風を吹かせるところがある。いい感性をもっているのに説教臭くて、どこか簡単に事実誤認をする宮内はあまり好きにはなれない。だが、藤原に関しては、兄貴分ではあるが、旅の同輩としてこちらをみてくれるだけに、逆に、甘えを許されないような威厳を感じる。ある意味、怖い。

 カトリックかニューエイジか、などという不毛の論争には無縁の人だが、どちらかいえば、ニューエイジの源流に位置する人物である。あるいは、比喩的な意味合いにおいてだが、伽藍とバザール、という対比を使えば、まさにバザールを象徴するようなお人柄であろう。いやもっとうまい表現があるはずだが、浮かばない。藤原新也には「藤原新也」という独立したカテゴリが必要だ。「インド放浪」以来、藤原ガンジスはとうとうと流れ続けている。






Last updated  2008.01.20 14:01:50
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